石田衣良 – 4TEEN

またまた石田さんの作品。彼はこの作品で直木賞をとった。本人はあぁいう直木賞にあるような重厚な文章感のある小説でないのになぁ、と漏らしてたらしいが(あとがきかなんかに書いてた)、いやいや、いまの時風をほんとうまく描いてると思うな。すごいよなぁ。

この人の描く少年たちの素顔はほんと飾らなく、大人の希望的観測もはいってなく(多分)、ほんと、今生きている10代の子たちの気持ち、行動などを実に的確に表現してると思う。もしかして相当のリサーチをしたのか、すごくわかりやすい事例がそばにいるのか、はたまた彼がまるで10代の少年のような感覚をもっているからか、わかんないけれど、読んでみて、なるほどこんな風に感じてるのかなー、僕らの頃と一緒のところはいっしょだけれど、違うところ、進んだところ、寂しいところがあるのね、なんてことが感じ取られる。

物語的には現在東京版(ま、正確には千葉だが)スタンド・バイー・ミー的なものなのだが、やっぱり、あぁいうような、「こんな少年達だったらいいねぇ」「平和ねぇ」っていうところじゃなく、ほんと隣に住んでそうな、まさに今の子供たちって感じがする。

だから、いま、子育て中の父親とか、中学の先生とかに読んでほしいな。なにかヒントがあるかも(無責任な意見だけれど)

新潮社 2005

石田衣良 - 4TEEN
石田衣良 – 4TEEN

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