井上靖 – 氷壁

先日NHKでドラマ化された小説。昭和30年すぎの時代設定なので、その時代背景の感じになれないとなんだか横暴な男ばっかりやなーと思ったり、会社適当やなーとおもってみたり。なんとなく森重久弥の「社長」シリーズの映画を思い浮かべてみたり(あれもうちょい時代こっちか?)

めちゃくちゃ長い小説なので読破するのに時間がかかってしまったが、ながい時間をかけて読むことによって作者が描きたかった主人公の人物像がじんわり自分のなかへうつってきて、なるほど山へ登りたいのいうのはこういう気持ちなのか?ということがうっすらぼんやりわかるようだった。

相棒の滑落の謎とそれにまつわる主人公の苦悩、そしてまきこまれた人間たちとの間の愛、葛藤などさまざまな人間模様が描かれるが、そういうどちらかというとじめっとしたもののなかにありながら主人公が山へ登りたいという単純でかつ最高の目的のためだけに淡々としている姿が妙にじんとくる。

結局「山男には惚れるなよ」という話なのか?

最後まで井上靖作品であることに気づいてなかった(^^ゞ

新潮社 2005

井上靖 - 氷壁
井上靖 – 氷壁

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