乙一 – 暗いところで待ち合わせ

いやー、はまってます、乙一。

これは長編。目の不自由な女性のおうちにある男がひっそり潜む、という内容なのだけれど、想像すると結構怖い状況だったりもするし、男の置かれてる状況、その女性の置かれてる状況、その他もろもろ、めちゃくちゃな偶然が折り重ならないとそんなこと起こりえないのに、それがさも普通のように描かれてる(しかもおかしく感じない)のが凄いとおもう。

あと、それらの物事がやがて思わぬどんでん返しから変わり行く様がおもしろい。しかも、なんか切なくなってしまう。ミステリなのか、恋愛(ちょっと違うけど)ものなのか、何にもいい意味でカテゴライズできない、そんな物語。

なんの説明もなしに、視点をもつ主人公がかわっていくのもおもしろい。

しかし、すごく特異な物語なのに、それに作為さや無理な感じ、そんなんがまったく感じられない。すごいわ。

幻冬舎 2002

乙一 - 暗いところで待ち合わせ
乙一 – 暗いところで待ち合わせ

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