江國香織 – 流しのしたの骨

いつ読んでもどれを読んでも江國さんの本は時間がかかってしまう。行間に描かれてることが多いから、というより、行間がその行間に描かれているのと同じスピードの時間をもってるからなんじゃないか、と思う。つまり主人公とかがゆっくり考え事をしたら、こっちの読むペースもその考え事が終わるまで進まない、みたいな。

なんでもない、フツーだけれど、やっぱり変わった家族のお話。個性的な4人兄弟姉妹と両親の世界。友達とかとは会うからその人となりはわかるけれど、その家族の様子なんてことは、その家に入り込んでしまわないかぎり、わからない。だからこそ、お隣なのに別の国のひとたちのよう。たしかに言われてみればそのとおりかも。よそ様の家族の不思議な行動なんてわかんないもん。

それがじんわりと描かれてる。読んでるとわかんないけれど、ちょっと覗き見してるような、そんなへんてこりんな感覚になる。

こと子ちゃんみたいな人って、いそうでいなくて、いそう。

新潮社 1999

江國香織 - 流しのしたの骨
江國香織 – 流しのしたの骨

コメントを残す