北森鴻 – 親不孝通りディテクティブ

初めてよむ北森さん。読みやすいと薦めてもらった作品。

博多にすむ、天神の屋台の主、テッキと、表立っては結婚相談所の調査員の仕事をしているキュータ。この学生時代の友人2人組がひょんなことから持ち込まれた事件をつぎつぎと、華麗とはいえないけれどなんとかドタバタと解決していく。

6つのショートストーリー。章毎にテッキとキュータの一人称がかわっていくので、最初読み慣れないと、おや?とおもったりもしたけれど、2人とも主人公だから、こういう書き方っておもしろいな。キャラもちゃんと違ってるし。でも2人の見てるところ、ストーリ上でのそのときの立ち位置、時間の経過、なんかが交互にずれながらなので、おもしろいとおもってさっさと読んでいると、なんかわからなかったりするので、じっくり細部まで読みながら想像しながら読む方がいいのかも。

2人の描写もさることながら、博多のあの街の感じとか息吹とかが身近に感じられて、また行きたくなる。それと、北森氏も好きだからなのだろう、(話の設定ではテッキの屋台はカクテルバーである)いろんな美味そうな酒の数々(作り方書いてる)がでてくるのも素敵。

もっと大きな事件というか題材で長編にしてもらいたいなぁ。短編だとどうしても物足りなさ、というか話の展開が急すぎる(見せられてない部分が結構ある)ので、ストーリーとか謎解きとかがすっと落ちてこないことがあるなぁ。

講談社文庫 2006

コメントを残す