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2010-01

小沼純一 – あたらしい教科書8 音楽

偶然あるお店においてあってちょっと読んだら興味がわいたので入手してみた。小学校や中学校であるような音楽の授業以外では音楽を学んだことないけれど、このところ音楽についてもっと知りたいし、もちろんたくさん聴きたいという欲求もあるけれど、世の中にたくさんある音楽をしりたい、今まで出会ってない音楽に出会いたい、体系的に知っていくべきと思うようになってきたので、こういう本(ほんの入門でしかないだろうけど)はとてもうれしい。

20世紀のみに特化して、00~10年代、20~30年代・・・80~90年代と5章にわたり、その時代に大きな影響を与えたと思われる音楽家をピックアップしてその人について、またそれに関わる物事について解説している。ジャンルも問わずなので、いろいろ興味惹かれるがおおく、またここから新しい出会いが生まれそうでうれしい。帯に出ている人だけでも、プッチーニ、ドビュッシー、ピアフ、マイルス、ビートルズ、ケージ、武満、YMO、ビョーク、ほら魅力的でしょ?

時々挟まれるコラムもおもしろい。やっぱちゃんと時間の流れにそって知りたいし、その音も可能な限り聴きたい。こんなんがほんとに教科書だったら音楽の授業も楽しかったかも。でもそう思うのは歳くったからかな?

プチグラパブリッシング 2006

石田衣良 – Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7


IWGP7作目。今回も小気味いいテンポで読ませてもらった。相変わらず旬のネタをうまくつかって、でもそのネタではなく、登場人物たちの人間像を描いていておもしろい。

今回は表題にもなってる「Gボーイズ冬戦争」でのマコトとタカシの堅い友情というか信頼しあっている様子が、なんかある意味クサいけれども、そこがよかった。やっぱりマコトはかっこいいなーとおもうし、タカシやサルといったいい仲間をもっててうらやましいなーと思う。いいなぁ。

あと毎回おもうけれど、マコトがお店で聴く音楽、どれも魅力的なのよね。どんな音楽かしりたくなるし、そう思えるような挿入のされかたがまたたまんない。石田さん音楽のセンスもいいよなぁ。

文春文庫 2009

涙 – 乃南アサ

上下巻あり、結構長い小節。

昭和40年前後、東京オリンピックが開催された頃、主にそのころの東京、そして宮古島(当時はまだアメリカ占領下)が舞台。婚約相手の刑事が何かの事件に巻き込まれて突然失踪してしまい、その理由を求め、彼を探し歩く主人公萄子の姿を描いた長編。

何よりも昭和っぽいものが好きなので、話の合間に差し込まれる時代背景の描写、街の風景なんかがとてもうまく、物語の時代性、あの頃の日本の空気感を描けていて、物語に立体感が生まれていると思う。別にストーリーとしてはいつの時代でも良かったんだと思うのだけれど、あえてこの時代設定にしたのは、当時の人間が感じていた日本の広さ、琉球の遠さ、まだ日本人たちがもっと奥ゆかしかった、そんなものを描きたかったから、かな?

長編なので、謎が深まっていくあたりは楽しいのだけれど、それを意固地なまでに追求しようとする萄子の姿が、途中痛いたしく、さらには苦々しく、嫌気がさすようなところまでいってしまうのだが、時間とともに微妙に変化していく彼女の心理の、その微妙な変化の具合の描き方が見事だと思う。

諦観、浄化、うまく言葉で書けないようなラストの主人公たちの、体を食い破られるような気持ちがひしひし伝わってくる。悲しい物語だ。

新潮文庫 2003

栗本薫 – 見知らぬ明日(グインサーガ130)

130巻。この巻にて絶筆。未完。

なにもかもが悲しい。寂しい。

友人におもしろいよと勧められて読み始めたのがたしか中2のときだから、もう25,6年前。そのときはまだ15巻も出てなかったように記憶しているが、もともとこういうサーガもの、ヒロイックファンタジーもの、剣と魔法がでてくる中世的な世界観なんかが好きだったので、すぐに虜になって貪るように読み、新刊が出版されるたびに喜んで買ってきては読み、途中何度か読まなかった時期もあったけれど、再び読みつないで、新刊が長く出ないときにはまたいちから読み直したことも何度か。そして完結するといわれた100巻を越え、一体どこまでいくのかと思った矢先の著者の病状悪化。そして絶筆。

こんなに長い間読んでいると、もうこのグイン・サーガの世界が自分の中では現実のどこかに存在する世界であり、確かにこのキャラクターたちが息をして生活している、という実感さえあるものとなっている。だから、この先もう物語が語り継がれずにすこしずつ彼らが風化していってしまうのがとても寂しい。もっともっと新しい物語が読みたかったし、彼らの運命の行方を知りたかった。

ダンボール箱の中に収められている、ボロボロになったグイン・サーガたち。こんなに長い物語をまた読むのだろうか?と疑問に思い、何度か捨てようかともおもったけれど、やっぱり別れがたい。また最初から新鮮な気持ちで読みたいな、と。歳を経て(もちろん自分自身も、物語も、そして作者も昔は若かった!)読んでみると、またちがった感想を持つのかもしれない。

ほんとありがとうございました、栗本薫様。
あなたの物語が私の血と肉の一部分となり私が出来ているのです。

改めて安らかにお眠りください。

ハヤカワ文庫 2009

栗本薫 – 運命の子(グインサーガ129)

129巻。ヤガに乗り込んだヨナとスカールだったが、「新しきミロク」によって追い詰められる。無事ヤガから脱したかに思えたが、追っ手は執拗でヨナも再び捕まってしまう。一体この新興勢力は何者なのか?そしてフロリー親子の運命は?

物語は急展開していく。まるで著者の余命が少なくなっているのをわかっているかのように。ここにきて外伝一巻「七人の魔道師」との絡みが急にわいてきたり、なんのかんのと物語を少しでも収束する方向に導こうとしている意図が感じられるのにもさえ、栗本氏の焦りが感じられるなーと思うのは、考えすぎ?

なんせ、あと1巻しかない・・・・

ハヤカワ文庫 2009

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