見原洋子@京都RAG 2011.10.7

リハ中のヒトコマ(by peppei)

もう3年目になるそうなのだけれど、見原洋子の春と秋のワンマンライブ@RAG。今日も無事楽しく終えられました。来てくださったみなさま、本当にありがとう。めちゃくちゃ楽しかったです。毎回思うけれど見原さんのライブは「ああ音楽やっててよかったなー、この人の音楽を一緒に奏でられるなんて」としみじみ感じます。

ちょっとまえに日記で書いたように、昨年は曲を見原さんに提供するっていうテーマがあって2曲書いたのですが(「愛の波紋」と「星空」<これたけタケでもやってますが、最初は見原さんに書いた曲だったのです)、今回は見原さんから詞をもらって曲をつけるというテーマだったわけなのです。まぁなんとか苦労して曲を書いて、先日リハでやってみてなんとかいけそうかなぁ(ちょっとほんと大曲になりすぎちゃった)と思っていたけれど、今日のリハまでにまだいろいろ大丈夫かなあとか考えてアレンジ少し変えたりしました。

で、今日はそれ以外にもぺっぺい氏の新曲が2曲ありで、ステージの構成も前半はおなじみの曲をしっとりと聴かせて、後半は出し物(今日は男性陣が歌った!)と新曲祭!というわけで、さてどんなライブになるかなーとおもってステージに立ったのですが(いや、座ってましたが(^^ゞ)、すんごくいい空間が生まれたのでした。

丁寧にひとことひとこと歌う見原さんの歌と、その歌詞。奇をてらったものはなにもなく、心にすとんと落ちてきます。演奏してるとあんまり聞こえないことが多いのだけれど、彼女の歌は聴きたくて聞いてしまうのです。だからいつもこのライブのときはお客さんのほう向かずにたいてい彼女のほう見てたりするわけなのです。そしてどういう音がこの瞬間に、彼女の歌に必要か、ということばっかり考えています。いい歌を歌ってもらいたいから。それがうまくいったなと思えたとき、演奏者冥利(?)に尽きるのです。

新曲は3曲ともすこぶるよかったです。とくにぺっぺいさんの曲の「見守ってほしい」はすんごいいい曲でした。聞いてるほうが泣いちゃいそうなぐらい。あ、今日も見原さんはリハから涙に見舞われていましたが(^^ゞ。ぼくの書いた曲は「心の色鉛筆」というタイトルになりました。もうちょっとすっきりまとまったらさらにいい感じになるんじゃないかなーと想像しています。

ああ、とにかくもっとたくさんのひとにこの見原さんのライブを聞いてもらいたいです。

次回は11/15、大阪 京町堀のCHOVE CHUVAです。ぜひ!

今日の楽器たち♪

PS
今日は結局テナー、ソプラノ、フルート(木)、クラリネット、笛という楽器たちを持って歩いていったわけですが、めちゃくちゃ重くて(譜面や衣装もあるし)一体どんなけあるんやろう?と帰宅してから計ったら20kgありました。そりゃ肩いたいわな(笑)

かじったりんご

今日(正確にいうと昨日)2011/10/6、Steve Jobs氏の訃報があった。若いときにAppleを立ち上げてMacintoshという夢のようなコンピュータを生み出した、偉大な人物。いろんな夢を具現化してくれた人がまたひとりいなくなった。同じ時代に同じ空気を吸って生きていた尊敬すべき人がいなくなるのは非常に寂しいことだ。

ぼくは子供の頃にいとこの兄の影響でコンピュータ(そのころはマイコンと呼ばれていた。彼が持っていたのはNECのPC-6001だった)というものに興味をもち、中学のころ難波の千日前デパートの跡地に新しい百貨店プランタンができて、そこにパソコン売り場ができたとき、すごくうれしくて、毎週のように電車にのってそこにいき、パソコンとういものを触って遊んでいた(まぁほとんど見ていただけだけれど)。”最新のテクノロジー”とか”なんでもできる機械”みたいなイメージがあって、未来的なものが好きだった僕はすっかり虜になっていた。(そのころまだ日本橋の電気街なんて知らなかったのよね)

でもいったんそこでパソコン熱は冷めるのだが(興味がSaxに移ったから)、大学の4回生ぐらいになって研究室に出入りするようになったとき、そこにPC-8801シリーズと(3.5インチのフロッピーディスクドライブあるやつだった!)見慣れない白い小さな画面のコンピュータがあり、その小さな筐体にとても興味をもった。それがAppleのクラシック(SE/30)だった。NECのパソコンに比べて、そのコンパクトでなにやら中身の詰まったような感じのするコンピュータがすごく魅力的に感じたし、マウスというデバイスに革命を感じたのかもしれない。

その後Windows3.1というまことに笑えるOS(というかアプリケーションかな)が出た後、Windows95というOSとPC/AT互換機の低価格化により世の中はWindows一色になってしまったけれど、ぼくのMAC熱はぜんぜん冷めなくて、社会人になってお金をためて初めて買ったコンピュータがPowerMacだった。あのオフホワイトの筐体、普通のパソコンと見比べて、なんだかしっとり湿度がありそうだったり、豆腐のようにみっちり中身が詰まってるように思えて、すごく愛らしかった。あんまり活躍させられなかったけれど、あるだけで満足してしまうような魔法の機械だった。

それ以来世間がなんといおうと(いろいろ便利だからWindowsマシンも使ってるけど)MAC大好きで、集めて喜ぶほどではないけれど、Apple製品はいつも気にしていたし、PowerMacG3やらG4、G5、PowerBook、iPodなどを持ち(ここ止まり、どーもIntelMacにはまだ手が出ない)いまでも愛用している。

ソフトとハードをセットにして作る。商業的にはいい手かどうかはわからないけれど、全体から細部にわたるまでのコンセプトやこだわり、いつも世間の2歩ぐらい先をいく先進性と驚き、そして何よりMac=COOLというイメージ。これらの魅力にハマってきっとこれから先も手元になにかApple製品は置いておきたい。そう思えるようなものを生み出しつづけたApple、そしてそこにいたJobs、彼に感謝をしてやまない。

人々に”未来”という夢を見えるように描いてくれたのが手塚治虫だとしたら、”未来”という形を触らせてくれたのはJobsだったと思う。

R.I.P. Steve Jobs、ありがとう。

PS
おまけ。Jobs氏のスタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版
http://t.co/YdLSFSw2

有川浩 – 海の底

そして有川さんの自衛隊3部作の2作目(でも読むのはこれが3つ目)。塩の巨大物体がおちてきて人類が大変になる話(塩の街)、未知の生命体が空にいた話(空の中)、ときたからにはこの「海の底」は海底に謎の火山が・・・(たぶん底というからには潜水艦がらみだろうと、決して洋上艦ではないだろうと)とかそんな展開かーと思っていたけれど、ああ、こんな怪物たちがわさわさと、という展開は想像だにしてなかった!悔しい。これがいちばん単純で、昔はそれこそB級映画としてパターン化したものだったのに、本でこれを描くかーという驚き(笑)

ある平和な、横須賀の自衛隊基地が開放されて見学できる日に、突然海から巨大なザリガニのような生物が大量に上陸してきて、人間たちを貪り食う・・・。突如起こった惨劇になすすべもなく逃げまとう人間たち。ちょうど停泊中だった潜水艦きりしおの問題児2人がその辺にいた子供たちを逃がすが逃げ切れずに結局潜水艦に立てこもることになる・・・。

B級映画そのまんまな巨大化した○○がどーのこーの、国を挙げて対応するが難しく・・・という、映画ならヒーローが出てくるかウル●ラ警備隊がでてくるか、みたいな展開になるところを、まことにまっとうな(つまりリアルな)対応をしていくあたりや(警察なのか自衛隊なのか、とかの葛藤や駆け引きなどや)、実際あるメカがでてくるあたり、一体どうやってこれだけの資料を集めたのかと感心するぐらいリアル。面白い。そして本当に起こったら怖いなと思う。そして同時並行して描かれる15少年漂流記のような閉ざされた空間での話。

よりリアルでより複雑、でもちょっと子供向け(こんかいラブコメ度はちょっと低し)なすごくうまいトーンで書かれていて見事だと思う。最後まで面白いし。怪物たちの殲滅もほんとリアルにその通りになるだろう展開だし。何も言うことなく面白い。

で、この話を読んでようやく「クジラの彼」に繋がった。なんか妙にうれしい。

そして文庫版には「海の底・前夜祭」というタイトルの短編も収録されている。本編の中でちょっと触れられる潜水艦を狙ったテロを試してみる話。これもリアルに面白いなぁ。

角川文庫 2009

(旧)2011.10月の日記

2011/10/31
武井・工藤DUO@横浜中華街491HOUSE

2011/10/30
今日はいきなりオフ。結構ぐーぐー寝させてもらう。
今日はみんな休みなので、近所の方々と勝手に庭先でバーベキューのようなことをするということで、
昼間からわいわい準備。
K藤くんの息子とか近所の子とかが遊びに来て一緒になってプラレールで盛り上がる。
これ世代を超えたヒットよねぇ。なんで男の子は電車好きなのだろ。

夕方までわいわい。雨が降ったりもしたけれど、さんざん外で遊んだ。
でもいま関東圏は外こわいんだけどなぁ。みなさん仕方ないという感じだった。
久しぶりに野球とかもやったけれど、
最近の子供はサッカーは詳しくても野球ぜんぜんしらない。ルールまったく知らないことに愕然とした。

2011/10/29
MITCH@福生Moon Tom

体調が思わしくないのと、いい加減忙しすぎてくたびれていたので、
ちょっといくのが面倒だなー、この時期に入れて失敗したなーとか思っていたが、
いざ新幹線にのって(今回はちょっと楽して贅沢、いや、体は楽じゃないけど、のぞみ)
車窓の風景眺めていると(いい天気だった)旅気分、いい気分転換になるようで切り替わってきた。

新横浜から在来線でえっちらおっちら、久しぶりで懐かしい福生駅で降りる。
そっから歩いて数分、ちょっと迷ったけれど無事お店に到着。
お世話になるK藤くん(おとついぶりー)、MITCH、そしてはじめましてのO井くん。
MITCHのペースでだらだらっと音あわせして、ちょっと福生の町を徘徊。
いい感じの安中華屋でたらふく食べる。

ライブは知り合いやら近所の人やらお店の常連さんやらたくさん。
はじめてなのに、いつものようにいい感じにもっていくMITCHさすが。
コード楽器がない分寂しいが、ぐっとタイトになっていい感じ。
最後までいい盛り上がりだった。

終わってからうだっとして、K藤くんにつれられて東村山へ。
4月にきたときは節電だのなんだので暗かったが、
もう普通に電気ついてる。まだ伝記問題はなにも解決してないのになぁ。

家について猫たちの歓迎をうける。かわいいなぁ。

2011/10/28
今日も朝から学校公演。すごい一週間に4回もあるなんて!

E.D.F.@桃谷M’sHall

2011/10/27
武井3@西宮北口CornerPocket

2011/10/26
今日も学校公演。さすがに3日続くとくたびれてくるなぁ。

武井4@谷町5グラバー邸

2011/10/25
今日も朝から学校公演@奈良生駒

2011/10/24
朝から学校公演@平野区

箕作武井小前@萱島おとや

2011/10/23
松田一志ワンマン@東心斎橋SOMA

2011/10/22
ルンバ

マグノリア

2011/10/21
ワインパーティーでの演奏

2011/10/20
朝一番に集合して岐阜へ。学校公演

2011/10/19
MITCH@梅田ニューサントリー5

2011/10/18
木畑・横尾バンド@梅田Mr.Kelly’s

2011/10/17
夕方に明日のためのリハ。
どんな曲やるのかなーと思っていってみたけれど、
きばやんの曲がすばらしい!
もっとややこしいジャズチューンを想像していたけれど、
以外にブラジリアンというかワールドミュージックのような感じだった。
これ好きだなあ。
あと横尾くんの曲もストレートアヘッドでいいなぁ。
たまたま思いつきで書いた曲は、なんかいまいち。
もうちょいまとめないとだめかなぁ。

その後昨日突然訃報を聞いた奥村さんのお通夜へ。
奥村さんとは実はほとんどしゃべったりしたことないのだけれど、
若いときにDonShopには散々お世話になったし、
あそこがあったからこそ、いま付き合ってるたくさんのミュージシャンと知り合えたし、
あそこでの経験があって、今がある、そう言えるお店だった。

すごく盛大なお通夜で、参列者がたくさん。
ミュージシャンもたくさんいた。
また一人お世話になった人、そしてお世話になった店が逝く。
今年はいったい何なんだ?

いったん帰宅して、再度夜中にリハーサル。
来月あるMITCHのブラバンの練習。
今回はいわゆるブラスバンドの曲よりもトラディショナルな曲を多めにするよう。
僕は楽でいいなー、ブラバンの曲ぜんぜん覚えられてないからなぁ。。。

2011/10/16
三宮で仕事。めちゃめちゃ天気よくて景色もばっちりでよかった。
バブリーだった。ぼくらのギャラよりワインのほうが高いなんて、
なんか惨めな気分になるなぁ。。。とほほ。

2011/10/15
前々から計画していた、出身校泉陽高校の軽音楽部のOB会

2011/10/14
しげのゆうこ@梅田Jazz On Top

2011/10/13
たけタケともみ@関目ブラウニー

ゆるっと集まってうだうだ。
ブラウニー久しぶり。宮岡さん元気そうでよかった。

2011/10/12
オフ。ちょっと家用事。といいつつほとんど何もしなかった。
「たけタケ」の発送だけはちゃんとしたぞ。

2011/10/11
松山からの帰り道。
6月にきたときのように今治の10円寿司で昼ごはんをたべよう!と
天気もいいので意気揚々と半島を回っていくが、休み・・・・。
すっかり寿司の口になってしまったので、新居浜あたりでやっと発見して寿司食べる。

その後はお決まりのコースで、琴平あたりに出て、久しぶりに長田うどん。やっぱりうまい。
そのまま西村ジョイ寄って、山を越えて徳島道で帰る。

一日中四国も、本州へ戻っても霞かかりっぱなしだった。
明石大橋から大阪見えなかったもんなぁ。なんやろこれ。

2011/10/10
朝S水さんに迎えに来てもらって、いざ四国へ出発。
すごく天気もよくてドライブ日和。

Weblogでもレポートを >> 「たけタケ+satoko@松山SugarVillage 2011」

2011/10/9
夜、サマソニの打ち上げ。
東京組がぜんぜんこれなかったのだけれど、
スタッフとイラストレータさんたち、カメラマンたちなんかが集まってわいわい。
逸Pちゃんのお店初めてきた。子供も生まれたそうで、なんかめでたい。
ご飯も酒もしゃべるのも楽しく、うっかり終電逃してしまい、
ついでだと新しいQuiet Stormにいく。Kelly’sの隣やん!

2011/10/8
オフ。家にずっといるとなんかよろしくないなーと思ったので、
ちょっとなんばに出かける。目的があるわけではなかったが、
なんかうろちょろして街からエネルギーもらいたいな、と。

結構あちこち変わっててびっくりした。

2011/10/7
見原洋子@京都RAG

Weblogでもレポートを >> 「見原洋子@京都RAG 2011.10.7」

2011/10/6
武井~馬田DUO@萱島おとや

このDUOも3度目くらい。ようやくゆったり、というか楽にできるようになってきたし、
勝手にやってもいい感じになってきた。U田くん頑張ってるしー。
2回目のステージでうろ覚えな曲ばっかりやってみるが、やっぱりちゃんと憶えてない。
でもやらないと憶えないので、こういう機会をつかってみるのだ。

2011/10/5
オフ。とってもしんどかったので一日家からでなかった。

2011/10/4
武井~千北DUO@北浜RUMBA

ちょっとご無沙汰してたRUMBA。といっても半月ぶりぐらい。
今日は下期があけて2日目だからか、すごくお客さんいない。
昨日はえらい忙しかったらしいけれど・・・やっぱりぼく人気ないのか?疫病神か?

しかしおそくになってストリートできなくなったーとミュージシャン仲間やってくる。
なのでいきなり賑やかになった。なんかとてもうれしかった。

2011/10/3
久しぶりに松原のさる会社へ。ここももうほっておいてもぜんぜん大丈夫なのだけれど、
たまにPCがトラブルので。今回はおかしくなって交換されたPCのメンテ。
そしておかしくなりつつあるPCの調査。これHDDがまもなくあかんくなるだろうなぁ。
会社全体のサーバももうすぐ満杯。増量するか、増設するか・・・。
なんて作業ゆっくりやってたら、すっかり時間が。慌てて高石へ。

生島~武井DUO@高石Re楽xs

10年前ほどに高石のどこかでライブやった記憶があったのだが、
お店に到着すると、まさにそのお店だった!なんたる偶然。
マスターも憶えていて下さってちょっと昔話に花が咲いたり。

I島くんとはセッションして以来始めてなので、どんな感じかな。
彼のオリジナルを取り混ぜながらスタンダードなども。
DUOは簡単だったり難しかったりするのだけれど、
ストレスなく楽しんで演奏できた。やっぱり師弟だけあってS水さんにちょっと似てる(^。^)。

またぼちぼち高石にこれたらいいなぁ。わりと近いし。

今日読みおえた本:有川浩「海の底」

2011/10/2
午前からちょっと仕事。外はだいぶ涼しいというか、寒い瞬間もあるぐらいになってきたなぁ。
でも金木犀がいい香り。

たけタケ@芦原橋cafe Make

ノンビリ集合して、リハなんか特にせずに遊んだりしてライブ。
まぁもう慣れているというか出来上がってるというのもあるけれど、
できるだけ構えずに音楽をやりたい、というのが本音かも。

何も決めずにお互いナチュラルにステージにあがって、
うだうだしゃべりながら演奏。
いつもおんなじだけれど、そのうち変化してくる。
同じことでも違うようになったり、違うことが一緒になったり。

今日は(も?)結構しゃべったなぁ。
お客さんがゆるりと聞いてくれるので、なんかしゃべっちゃうのよね。

今日読みおえた本:有川浩「空の中」

2011/10/1
スースーハー@三宮BigApple

1年ぶり(というか1年に一度しかしないのよね)のスースーハー。
というかこのところクミさんともだいぶご無沙汰。
一緒に演奏するの、昨年のスースーハー以来かな?

異例の15時入り(めちゃはやい!)でゆったり集合して、
準備に時間が結構かかって、リハも一通りやって、はぁ、と息をついたら18時。
そっからごはん食べに行って(しいたけ最高!)お店に戻ってみると、もう満員間近(>_<)。 そこからもたくさんやってきて、またBigAppleきゅうきゅう詰め状態でついにライブスタート!

1回目のセットは大人な感じ。
静かなDUOからはじまってちょっとずつ人数増えていって
(といいつつ場所ないからみんなもうステージにいるけど(笑))、
やがてバンドでの演奏。
沁みる感じの曲がおおいな。ゆっくり歌詞が聴ける。
今回はフルート吹く曲おおくて、なんだか楽しい。

そして2回目は怒涛のステージ。
もう最初から爆音で。こっちもお客さんもテンション上がりまくりーの。
今回の目玉、クミちゃんギターを持つの巻で、
店内のボルテージも最高潮、そのまま終盤まで怒涛のステージ。
盛り上がりまくったなぁー。すごい。
アンコールもどどーんとやって、大団円。

終わってみたらそんないろいろやった覚えはないのに、もうくたくた。
エネルギーがわーっと出て行った感じ。すごいな、このバンド。

2011.10月のスケジュール

■■■ リーダーライブ ■■■

10/26(Wed) 武井努4
大阪 谷町五丁目 グラバー邸 06-6768-5963
20:00~ 2,500
[メ]武井努(Sax)、杉山悟史(Pf)、工藤精(B)、小前賢吾(Ds)

10/27(Thu) 武井努3
西宮北口 Corner Pocket 0798-64-5402
19:30~ 2,500(学生1,000)
[メ]武井努(Sax)、工藤精(B)、小前賢吾(Ds)

■■■ その他のライブ ■■■

10/1(Sat) スースーハー
神戸 三宮 Big Apple 078-251-7049
19:30~ 前2,000 / 当2,300-
[メ]ナガオクミ(Vo)、島田篤(Pf)、清野拓巳(Gt)、岡部わたる(Ds)、福井ビン(b)、武井努(Sax, Fl)、瀬戸一成(Tp)

10/2(Sun) たけタケ
大阪 芦原橋 studio & cafe MAKE 06-6562-3294
19:30~ 2500(1ドリンク付き)
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)

10/3(Mon) 生島~武井DUO
高石 Re楽xs 072-266-8839
19:30~ 1,000
[メ]生島大輔(p)、武井努(Sax)

10/4(Tue) 武井~千北DUO
大阪 北浜 RUMBA 06-6222-6700
20:00~ カンパ制
[メ]武井努(Sax)、千北祐輔(B)

10/6(Thu) 武井~馬田DUO
寝屋川 萱島 OTO屋 080-6126-1529
20:00~ 2,000
[メ]武井努(Sax)、馬田諭(Gt)

10/7(Fri) 見原洋子
京都 Live Spot RAG 075-241-0446
18:00 Open 19:30 Start
前 ゴールド会員1,840円、会員2,000円、一般2,000円 / 当2,300円
[メ]見原洋子(Vo)、山田裕(G)、川辺ぺっぺい(B)、武井努(Sax,Fl)、とくじろう(Per)

10/10(Mon) たけタケ
■Sugar Village 2011
愛媛 松山 千舟町 Bar Tommy’s 089-935-6220
19:00~
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)

10/13(Thu) たけタケともみ
大阪 関目 BROWNIE 06-6786-3333
20:00~ 2,000
[メ]清水武志(Pf)、武井努(Sax)、東ともみ(B)

10/14(Fri) しげのゆうこ(Vo)
■ New CD 「Shiny Stockings」CD発売記念ライブ
大阪 梅田 Jazz On Top 06-6341-0147
19:45~ 前3,500 / 当4,000
[メ]しげのゆうこ(Vo)、木畑晴哉(Pf)、武井 努(Sax)、萬恭隆(B)、竹田達彦(Ds)

10/18(Tue) 木畑晴哉5
大阪 北新地 Mr. Kelly’s 06-6342-5821
19:30~ 3,200 (※学生証提示の方2,000)
[メ]木畑晴哉(Pf)、横尾昌二郎(Tp)、武井努(Sax)、宮上啓仁(B)、中野圭人(Ds)

10/19(Wed) MITCH(Tp,Vo)5
大阪 梅田 ニューサントリー5 06-6312-8912
Live Time 19:50~20:30/21:00~21:40/22:10~22:50 1,800
[メ]MITCH(Tp,Vo)、永田充康(Ds,Vo)、武井努(Sax)、杉山悟史(Pf)、宮上啓仁(B)

10/22(Sat) 福呂3
大阪 北浜 RUMBA 06-6222-6700
午後~ カンパ制
[メ]福呂和也(B)、森本太郎(Ds)、武井努(Sax)

10/22(Sat) MITCH(Tp,Vo)5
■ MAGNORIA周年イベント
大阪 北浜 MAGNORIA 06-4980-1508
詳細未定
[メ]MITCH(Tp,Vo)、永田充康(Ds,Vo)、武井努(Sax)、ほか

10/23(Sun) 松田一志(Vo)
■松田一志ワンマンショー Vol.2!New シングルCD発売記念ライブ
大阪 東心斎橋 SOMA 06-6212-2253
18:30~ 前3,000 / 当3,500
[メ]松田一志(Vo)、安達隆之(Gt)、寺田正彦(Key)、hiona(cho)、西田まこと(Gt)、武井努(Sax)、堂地誠人(Sax)、神吉信一(Ds)、城野淳(Gt)、土本浩司(Ba)、The Nasty Doo(Aya(vo) Kana(vo) Myah(vo))

10/24(Mon) 武井~箕作DUO
寝屋川 萱島 OTO屋 080-6126-1529
20:00~ 2,000
[メ]武井努(Sax)、箕作元総(Gt) ゲスト:小前賢吾(Ds)
※例によって例の持ち寄りパーティーです。セッションも!

10/25(Tue) 荒崎英一郎BigBand
神戸 三宮 Big Apple 078-251-7049
19:30~ 前2,000 / 当2,300-
[メ]荒崎英一郎(Ts)、武井努(Ts)、浅井良将(As)、落合智子(Bs)、ジェームズ・バレット(Tp)、横尾昌二郎(Tp)、幸明男(Tb)、太田健介(Tb)、金丸精志(Pf)、中嶋明彦(B)、岡野正典(Ds)

10/28(Fri) E.D.F.
大阪 桃谷 M’s Hall 06-6771-2541
20:00~ 1,800
[メ]清水武志(p)、西川サトシ(b)、武井努(Sax)、田中洋一(Tp)、光田臣(Ds)

10/29(Sat) MITCH(Tp,Vo)
東京 福生 Moon Tam 042-553-6525
20:00~ 2,000
[メ]MITCH(Tp,Vo)、武井努(Sax)、工藤精(B)、大井澄東(ds)

10/31(Mon) 武井~工藤DUO
横浜 中華街 491 HOUSE 045-662-2104
20:00~ チップ制
[メ]武井努(Sax)、工藤精(B)

詞に曲をつける

この2週間ぐらいずっと詞に曲をつけるという作業をしていました(といっても空いている時間だけですけれど)。僕にとっては曲を作るということ自体も難しいのに、詞につけるというのは、想像していた以上はるかに難しい作業でした。でも、こういうこともやってみたかったので、すごくいい経験になりました。というのも来月ある見原洋子さんのライブでまた新曲をやろう、という話が出たとき、昨年は僕が書いた曲に詞をつけてもらったので、今度はその逆やってみたい!と言ったのがきっかけというか運のつきというか、だったのです。

もらった詞はほんと見原さんらしい、暖かで愛に包まれた言葉の数々が並ぶ詞でした。なのでそれを何度も読んで、どんな雰囲気がいいかとか、どこが盛り上がりどころかとか、展開するところは?テンポは?キーは?(でもこれは見原さんに左右されるけど)などなどいろいろ考えたり想像したりするのですが、一向に何も浮かばない・・・。ほんとトホホな日が続きました。でも、作業することをやめて、ほかの事をしているときに、その詞のある言葉や部分にメロディーやハーモニーが付いたり、そういうものがちらほら出来たり、そこから枝葉が伸びたりして、なんとなくぼやっとした感じまではたどり着いたのですが、またそこから部分部分を繋いでいくのが難しく、ほんと何度あきらめかけたかわかりません。

それと言葉の数と、音符の数/メロディー、そして小節数の関係というのがすごく難しいのだなと思いました。ある部分でいいメロディーを思いついてもその先の言葉の数でそのメロディーがうまくまとまらなかったり、各文節にメロディーができても気持ちいい小節数の中にうまく配置できなかったり。詰め込めば歌いにくいし、散らすと間延びしてしまうし、テンポにも関わってくるし、本当にバランスをとるのが難しいです。また平歌の部分やサビや大サビやら構成によって部分部分に変化をつけないと平坦な曲になってしまうので、メロディーやハーモニーに工夫が必要だけれど、いやらしくならないようにしたいし。と、難航につぐ難航でした。

以前一度、渋谷毅さんに「思いついた曲やメロディーが詞とうまくマッチしない(音符もしくは言葉の数が合わないようなとき)どうするのですか?」とお聞きしたことがあり、そのとき渋谷さんは「詞を手直ししてくれるようどんどん頼んだらいいんだよ」というようなことをおっしゃたと記憶しているのですが、今回、詞はいじらずにそのまま使おうと決心していたので、悩みまくったけれどそのまま頑張ってみました。

一度いろいろ苦労して6割ぐらいまでできたのですが、そこで行き詰ってしまい、最初のアイデアが悪かったのかなー、イメージが出来てないのかなーと考え、もう一度素直に一からやりなおした(一番最初に持ったイメージに戻した)らいい感じで進んで、ようやく今日いったん形になりました。無論いまから修正あるでしょうけれど(ちょっと無理なところがあるといえばあるので・・・(^^ゞ)。さて見原さんからどんな反応がくるのか楽しみです。

うまくいけば、10月7日 京都RAGでのライブでめでたくご披露!となるのですが、さてさて、どうなりますことやら。。。。

Rev.0完成!まだヒミツだから画像は小さめ(^^ゞ

森村献スーパーラテンセッション

17~18日の2日間はラテン界のトップ、熱帯ジャズ楽団でもおなじみの森村献(Pf)、美座良彦(Per)とのセッションライブでした。両日ともすごく盛り上がって楽しかったです。久しぶりにがっつりラテン三昧でしたが、血が騒ぐというのはああいうことをいうのだなーと感じました。普段からそんなラテンをやっているわけではないのですが、なぜかラテンものを聞くと気持ちがワサワサするのはラテン大阪出身だからでしょうか?(笑)

森村さんとはちょっと会ったことはあったけれどちゃんと演奏するのは初めて。美座さんとはクロコダイルとかではよく顔をあわせてた(というよりずいぶん昔に横浜で対バンもしたなぁ)のだけれどやはりがっつりやるのは初めて。ということで楽しみ半分恐る恐る半分という感じで17日は京都木屋町のスパニッシュ・ハーレム・クラブに向かいました。あいさつして準備して(えらく時間かかった)軽くリハ。全曲やらねばならないので結構しんどかったけれどこの時点で「ああ、楽しいなぁ」。ライブ前に腹ごしらえということで久しぶりに「有喜屋」さんへいって蕎麦を堪能(昔は有喜蕎麦頼むだけで結構気合いったのに(笑)、御膳を頼んだり、エエ身分やなぁ)しました。

有喜屋さんの御膳!ウマ!

まあまあお客さんが入った時点でライブスタート。ここスパニッシュ・ハーレム・クラブは普段からダンスクラブとして踊る人たくさんいるのですが、最初はみなさん演奏をじっと聞く感じ。その感じを受けてののんびりした森村さんのMCとそれに相反するかのような暑い(暑苦しい?)演奏で徐々にフロアも盛り上がり踊る人じゃんじゃん出てきて、2回目なんてスローでもなんでも踊る踊る。こうなってくるとバンドも盛り上がる。いやー、森村さんいいなぁ、ラテンの人間の感じ、匂い立つ感じ。そして美座さんと安藤さんが絶妙なコンビネーション見せて。夜遅くまでずいぶん盛り上がりました。

みなさん踊る踊る

あけて18日はおしゃれなCHOVE CHOVAで。今日は日曜ということもあってだいぶ早い時間のライブ設定(17時から)。なのでお客さん勘違いしてるひとも多かったためか、17時時点では寂しい感じ。でもしばらくしたらどんどんやってきていい感じ。昨日の暑さをそのまま引き継いだ感じで演奏が展開。今日も一段と冴える森村さんのピアノ、いいなぁ。自由で、そして人間味あって。そしてより一層親密度を増した美座・安藤コンビが盛り上げる盛り上げる。そして今日はゲストボーカルにRaviちゃんも参加してくれて盛り上がりが一段と増し、さらにTb帝王・中路さんまでやってきて、もうほとんど2フロント状態に。そりゃ盛り上がるわ、演奏時間長くなるわ(笑)で大騒ぎ。最初はお客さんもみなさん座ってたけれど、最後にはみんな踊る踊る。こうじゃなくちゃ。ああ、楽し。

美座・安藤コンビ中路さんを鼓舞!
すっかり2フロント (photo by Ravi)

というわけで2日間どっぷりラテンに浸かってすごく楽しかったし、また勉強になったし、こういう音楽のよさを再認識しました。またやりたいなぁ。やりたいなぁ。

お疲れ様でした!!

森村献 http://www.kenmorimura.com/
美座良彦 http://members3.jcom.home.ne.jp/mizalito/
山田祥央 http://www.japonismo.net/
安藤弘 http://homepage3.nifty.com/tanaten/anditocom.htm
スパニッシュ・ハーレム・クラブ http://www.kyotosalsa.com/
CHOVE CHUVA? http://www.chovechuva.com/

東海3DAYS

いつも何かと面倒を見てもらっている名古屋の兄貴分(と思ってる)小濱安浩氏に誘ってもらって、3日間、岐阜~三重~愛知と楽しい日々を過ごしてきました。

10日は岐阜の恵那にある妙法寺というお寺でチャリティーライブ。もう14回目になるそうです。お寺で演奏というのはごくたまにあるのですが、ここまで大掛かりなのは初めてでした。本堂をぶちぬきにして、ご本尊を横に見ながらっていうのはすごく面白いシチュエーションでした。

夕闇に本堂のシルエット

まずは小濱さん、そして久しぶりの藤山ET英一郎(Ds)、先日も一緒だった奥村和彦(Pf)、そして徳田智史(B)との2Sax Quintet、それにマユミロウ(Vo)を迎えてのステージ。その後住職の大窪玄栄氏のお経と僕と小濱さんとのセッション(個人的にはこれが非常におもしろかった。もっと長い時間やりたかったなあ)、そして最後に目玉の大窪氏率いるSax Big Band。これ最高!

Saxだけのアンサンブルっていうのはまぁあるけれど、ビッグバンドとなるとほぼないんじゃないでしょうか?アレンジを少し変えなければならないところもあるだろうけれど(小濱さんご苦労さまです)、ほぼそのまま、知っている曲とか(普段はもちろんSaxパートでしか演奏したことない)を、ソプラノでリードトランペット役。これ、めちゃ気分いい!!なるほどリードってこんな気分でやってるのかー、ということを存分に味わいました(味を占めたともいう)。逆に間違えたらすべてダメにしてしまう、というのも。すごく楽しかったです。

終わってからは横の広間で延々と宴会。だいぶ飲みすぎ&しゃべりすぎてしまったようです(反省)

Sax Big Bandを指揮する(カメラ持ってる?)小濱さん

明けて、11日はゆっくり過ごさせてもらって、四日市へ移動。あまりかんかん照りでなくて移動楽でした(車暑い)。今日から2日間は武井・小濱・奥村・藤山に加えてベースに島田剛氏。彼ともかなり久しぶりでした。初めてのFull House。わりと最近移転したというお店はジャズのお店としてはすごくおしゃれでカフェぽくていい感じ。オーナーのミニ(車ね)も!日曜日の四日市はすごく静かだったので、さて一体どうなるのかなーと思いましたが、みなさんの人気(ぼくはない(:_;))のおかげでたくさんご来場いただき、やっぱそうなってしまうだろうなーと思ってた通り、小濱さんと2人で吹き倒してしまい(すいません)、23時をまわってしまうぐらいの長時間の熱い演奏になりました。やっぱ楽しいのですよねぇ。この日はそのまま名古屋まで戻って、藤山さんちでのんびりさせてもらいました。

最終日12日は一体何年ぶりかな?という名古屋のSTAR☆EYES。お店もオーナーも変わってなくてすごくうれしかったです。月曜日だったけれどこれまたたくさんの方にご来場いただきました。昨日の反省から今日はちょっとうまい配分で、、、とか思っていたのですが、蓋を開けてみるとやっぱりやりすぎてしまいました(毎回これ書いているような気がします(^^ゞ)。小濱さんと僕は趣味が似ているのか、どうしても相手と違うようにしようとすると長くなってしまうのですね、悪い癖です。。。トホホ。

でもこの5人でやる演奏はすごく刺激的で、またいろいろ見えたものや、反省すること、やりたいことなんかが出てきて、勉強になりました。いつまで経ってもまだまだまだまだ坂道の途中ですね。それでいいと思うのです。

うさぎさん、見てますかー?

折りしも12日は中秋の名月。ライトを消しても道が見えるぐらい明るい月の光。そんなお月様に見守られながら無事帰ってきました。いやー、楽しかった。怒涛の3日間でした。お会いした皆さん、ありがとうございました。また会いましょうねー!今月末にも名古屋にいきますよん。

小濱安浩(Sax) http://kohamajazz.com/
奥村和彦(Pf) http://blog.livedoor.jp/kazoopiano/
藤山’E.T.’英一郎(Ds) http://www.e-tohyama.net/
島田剛(B) http://www.goshimada.net/
徳田智史(B) http://satoshitokuda.web.fc2.com/
マユミロウ(Vo) http://mayumi-lowe.com/

浅田次郎 – 椿山課長の7日間

浅田さんってこんなに面白いのかー!と思えた作品。主人公椿山は仕事中に倒れてそのまま死んでしまったのだが、あまりにも現世に残した悔いや心配事があるので、天国にいく手前にある罪を悔い改めるお役所のようなところ(SAC=スピリッツ・アライバル・センター)にて申し立てをして現世に初七日までの7日間だけ戻ってくるというお話。ああ、なんて面白い設定!

少し長編でその厚みとともに読み応えもある作品。その設定もさることながら、死んでから蘇るまでの流れが現代社会(とくにお役所関連)の風刺のようで(免許の更新センターを思い出す人はたくさんいるはずだ)、すこしとぼけた書き方をしているのも愉快。またキーとなる3人の死者たちと彼らが思いを残す生きている人たち、それらがそれぞれ少しずつ重なり合ってやがて見事な大団円へと向かう筋立ても見事。最近伊坂さんのどちらかといえばクールでスマート、スピードのある展開とオチへのもっていきかたばかりに目を奪われていたが、いやいやこの作品のようなゆるやかだけれど確実に安心して進んでいく、言っちゃえばアナログ的な展開、そしてまさに大団円!というような話のもっていきかた、これもやはりとてもいいなぁと思ってしまう。飛行機と船の違い、のような感じかな。

もちろんおもしろいお話でそれだけで十分だけれど、ここに描かれる人情、死んだ人間とその人を喪った人間、両者が感じるお互いへの思い、もう会えないと分かったからこそ明らかになる感情、そんな普通は主観的にしか見られない/感じられないことごと(人と死に別れるというのはごく個人的な出来事とおもう)を、こういう風に描いてもらえば、ああ、自分もあの時はああいう感情もったよな、とか、逆の場合こんな風に思われるのかな、とかとか客観的に振り返ることができる。

もしかして、ちょっと語弊というか誤解が生じるかもしれないけれど、少し前に近しい方を亡くされたりした人が読むとすこし気が安らぐかもしれない。亡くなった人もこんな風に生きている(いや、生きているわけじゃないけれど)と思えたら寂しくないかも。

余談だけれど、この主人公たちが生き返ったときに違う人間として生き返り、本来の自分とのギャップに苦しむってくだりが非常に面白いのだけれど、特に椿山氏のように女性として生まれ変わって、初めて女性の心理や体のことが腑に落ちるシーン、面白いなぁ。よくこんなこと想像したなーと脱帽(笑)。

朝日文庫 2005

伊坂幸太郎 – フィッシュストーリー


4つの物語からなる短編集。解説によるとこの本に集められてる物語たちは結構期間を置きながら書かれたものだそう。「動物園のエンジン」(2001/3)、「サクリファイス」(2004/8)、「フィッシュストーリー」(2005/10)、「ポテチ」はどうやら2006年末ごろだそう。かといって4つの物語に技量の違いやらなにかの違いを感じるわけではないけれど、ばらばらのものを集めながらも何かどこかしら共通したものを感じてしまう。

タイトルが面白すぎる、くだらない駄洒落(?)と妙な殺人事件から意外なオチへとすすすと進む「動物園のエンジン」、おなじみ?の空き巣のプロ黒澤が登場し探偵さながら事件を解決する「サクリファイス」、表題であり、ひとつのものごとが人と時空を越えて世界を救う(!)「フィッシュストーリー」、ほろりとさせられる「ポテチ」。どれもいいお話。今まで読んだ伊坂さんの作品としては、短編ばかり(しかも作品群としてではなく、単に短編集だ)なので、大きな仕掛けやテーマやら技巧が目立つわけではないぶん、短くまとめられた中にしっかりしたテーマがあって退屈なく読める。

やはり面白いのは「フィッシュストーリー」かな。実際こういうことってないわけじゃーないかなーと思ったりする。ある作家の作品の引用が印象的な売れなかったロックバンドが残したある曲。その曲が人を通して伝わりその作家の言葉が時空を越え、やがて世界を救うことになる。そんなうまい話ないと普通思うけれど、実は見えないだけでこんなことあるんじゃないかな。大きな物事でも元をたどるとすごく小さな出発点だった、みたいに。

今回も「サクリファイス」と「ポテチ」で活躍する黒澤さんがいい感じ。すごく知的で必要十分な技術はもっているけれど控えめで、でも必要な力はちゃんと発揮する、という大人の男。きっと見た目もかっこいいんかなーと想像して楽しい。でも僕が好きなのは、その隣でちょこまかしてる空き巣としてはダメな今村。彼はたぶん天才。だからあんまり俗世間のことには関心がない。ないことはないけれど、自分の興味が勝つことがあればそれまでの一般的な損得勘定はどこかへいってしまう。ピタゴラスの定理を発見してみたり、ニュートンの法則を発見したり(これは別の本)、おとぼけキャラなのに実は世界の真理を示すことを言ったりする。あこがれるなあこういう人。

短編ながらどれも内容が濃くて、読み返し読み返ししてたら結構時間かかってしまった。とっかかりにはいい本かも。

新潮文庫 2009