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有川浩 – 図書館内乱


図書館戦争シリーズ2作目。1作目とは違い、5つのお話が(といっても時系列だが)並んでいる感じ。新たに出て来たキャラクターが実はこの後の展開を握っていたりする伏線になるのも楽しい(読みながらなんとなくわかるけど)。

図書特殊部隊配属になったことをひた隠しにしていた主人公・郁の職場見学にやってくる郁の両親とのドタバタを描いた”両親攪乱作戦”、後天的な難聴になった年下の幼なじみが事件に巻き込まれる”恋の障害”、郁の同期の美人・柴原に近づく謎の男”美女の微笑み”、やはり郁の同期の優等生手塚の兄・慧との確執”兄と弟”、そして郁が図書隠蔽事件に巻き込まれる”図書館の明日はどっちだ”の5編。一応違うエピソードにはなっているが、時系列なのでちょっとずつ関係性があるし、とくに手塚の兄・慧と彼が率いる「未来企画」と名乗る研究チームが暗い影を図書館に落とす。

良化委員会と図書館の争いのことはもちろんだけれど、その辺りの権力の綱引きにより隊員たちが大なり小なり事件にまきこまれ被害にあう。単にお話としても面白いのだが、そこに著者が光をあてるのが、普段はまったく見えないけれど実は大きく社会に働く権力の実態のようなもの、だ。ここではあくまでもフィクションとしての検閲と表現の自由の対立の構図だけれど、リアルな社会にはこれに似た構造のものが実はたくさん存在している/しているのではないか?という問いかけをされているような気がする。単に話がおもしろいからそんなこと考えずに読み進めばいいのだけれど、どうもそういうことに問題提起してるように思えるのは、思い過ぎか?

ま、そんなことはおいておいて、ちょっとずつ成長する郁を見ているのが楽しくて仕方ない。まわりのキャラクターたちもどんどん自己主張をはじめてきたし、やっぱりそれぞれの恋がどうなっていくのかが楽しみ。ラブコメだもんねー(笑)

今回も文庫本にはおまけつき「ロマンシング・エイジ」。そして児玉さんとの対談もすごくいい、男女関係のおはなしと社会のありようについて。

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