Home > Archives > 2013-01

2013-01

柴田トヨさん

日曜日に訃報をきく。101歳だったそう。

先日実家に帰ったときに柴田さんの詩集「くじけないで」がおいてあり、母に「どうしたの?」と聞くと、知人からもらった(借りた、だったか)そうで、何気なくめくってみたページに綴られていた暖かなことばたちに「これはぜひともじっくり読んでみたい」とその帰り道に本屋さんによったのがほんの2週間ほど前。まだその「くじけないで」も読み終わらないうちに知らされた他界の知らせに「ああ」としずかに納得し、彼女がその生涯の最後までわたしたちに生きる勇気を与えてくれたことに感謝しました。

柴田さんを知ったのはそう前でもないのだけれど、たしか新聞か何かだったかと思う。その「くじけないで」という詩集を出されたときの記事かなにかだったと思うのだけれど、「98歳になってね、へー」というぐらいしか思っていなかったのだけれど、そのときすぐにその詩集を手にしなかったのがほんとに悔やまれる。シンプルな言葉で綴られる詩たちはどれも素直に心に響く。やさしく、時には厳しく叱咤するように、寄り添うように・・・生きていくことを、人生のすばらしさを教えてくれる。人生の達人、といったらいいのか、柴田から流れでてくることばの数々は重々しいことであっても苦しくなく澄んでいて、懐かしい匂いや音、景色、いろんなことが目に心に浮かんでくる。あまりにもやさしく、うれしく、さみしくなるので一日に1編くらいしか読めない。

こんな方に一度くらい会って話してみたかったとは思うけれど、それはもう無理になってしまった。けれど彼女の残したことばがあるかぎり、いつでも出会えると思えたら、それでいいよね。

柴田さん、本当におつかれさまでした。安らかに。そしてこれからも(ちょっと)お世話になります。

 

最後にひとつ、とても気に入っている詩を転記します。

 

「風呂場にて」

風呂場に
初日が射し込み
窓辺の水滴が
まぶしく光る朝
六十二歳の倅に
朽ち木のような体を
洗ってもらう

ヘルパーさんより
上手くはないけれど
私は うっとり
目をつぶる

年の始めのためしとて−−−
背後で 口遊む(くちずさむ)歌が聞こえる
それは昔 私が
お前にうたってあげた歌

柴田トヨ「くじけないで」より

 

2013.2月のスケジュール

<table width="100%" border="0">
<tbody>
<tr>
<td>&lt; <a href="http://tsutomutakei.jp/schedule/2013-1">2013.1</a></td>
<td id="" lang="" dir="" scope="" align="right" valign=""><a href="http://tsutomutakei.jp/schedule2013-3">2013.3</a> &gt;</td>
</tr>
</tbody>
</table>
2/1(Fri) Words Of Forest
神戸 三宮 <a href="http://www.bekkoame.ne.jp/i/big-apple/">Big Apple</a> 078-251-7049
19:30~ 前2,000/当2,300
[メ]森本太郎(Ds)、清野拓巳(Gt)、三原脩(B)、武井努(Sax)
guest: 今西祐介(tb)

2/6(Wed) Satoko + たけタケ+恵
大阪 西九条 <a href="http://mercyorgamon.web.fc2.com/">マーシーオーガモン</a>
[メ] Satoko(Vo)、清水武志(Pf)、武井努(Sax)、大塚恵(B)

2/9(Sat) 武井~畑Duo
大阪 梅田 <a href="http://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27055842/">パイルドライバー</a> 06-6341-6110
20:00~ 2,500(1ドリンク付き)
[メ]武井努(Sax)、畑ひろし(Gt)
<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/487103_472759999455443_2146533205_n.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/487103_472759999455443_2146533205_n-211×300.jpg" alt="" title="487103_472759999455443_2146533205_n" width="211" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-4167" /></a>

2/10(Sun) E.D.F.
■<a href="http://tkjs.jp/">徳島ジャズストリート</a> vol.50
前\2,500 / 当\3,000 18:00〜
全13会場を自由に行き来できるイベントです。
E.D.F. は19:00- <a href="http://bar-p-paradise.com/home.htm">P-パラダイス</a>、20:00- <a href="http://swing.ikidane.com/">SWING</a> に出演します。
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)、田中洋一(Tp)、光田臣(Ds)、福呂和也(b)
<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/312406_405280066226901_728578715_n.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/312406_405280066226901_728578715_n-211×300.jpg" alt="" title="312406_405280066226901_728578715_n" width="211" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-4168" /></a>

2/13(Wed) E.D.F.
大阪 芦原橋 <a href="http://www5f.biglobe.ne.jp/%7Emake/">studio &amp; cafe MAKE</a> 06-6562-3294
19:30~ 2,500 (1drink付)
[メ] 清水武志(Pf)、西川サトシ(B)、光田じん(Ds)、田中洋一(Tp)、武井努(Sax)

2/14(Thu) Trio <For St.Valentine's sweet>
大阪 梅田 <a href="http://azul-umeda.com/">Azul</a> 06-6373-0220
予約\1,000 / 当\1,500
[メ]荒玉哲郎(B)、武井努(Sax)、牧知恵子(Pf)

2/16(Sat) Joe-Guy's Band 2DAYS
◆BLACK BULLET vs Joe-Guy's BAND feat.山岸竜之介
神戸 三宮 <a href="http://www.chicken-george.co.jp/" target="_blank">Chicken George</a> 078-332-0146
OPEN 18:30 / Start 19:30
前売&予約 \3,500- / 当日\4,000-
[BLACK BULLET]
西野やすし(Gt&amp;Vo) (Do it !!、天西、鉄拳倶楽部)
江川ほーじん(Bs) (ex.爆風スランプ)
西村ヒロ(Vo&amp;Harp) (ex.シュガーブルーバンド)
岡地曙裕(Ds) (ex.BO GUMBOS、吾妻光良&スィンギンバッパーズ)
[Joe-Guy's BAND feat.山岸竜之介]
Massie(Vo)/ 林達郎(Gt)/ 佐野隆士(Ds)/ 清水亮(Bs)/ 祖田修(Key)/ Kay(Rap &amp; Mc)/
武井努(Sax)/ 堂地誠人(Sax)/横尾昌二郎(Tp)/ 西野欣哉(Per)/ 高原ゆみこ(Cho)/ Yumi Godsey(Cho)/ 山岸竜之介(Gt &amp; Vo)

2/17(Sun) Joe-Guy's Band 2DAYS
◆韻シストBAND vs Joe-Guy's BAND feat.山岸竜之介
神戸 三宮 <a href="http://www.chicken-george.co.jp/" target="_blank">Chicken George</a> 078-332-0146
OPEN 18:30 / Start 19:30
前売&予約\3,000- / 当日\3,500-
[韻シストBAND]
SHYOU(Bs)/  TAROW-ONE(Ds)/ TAKU(Gt)
[Joe-Guy's BAND feat.山岸竜之介]
Massie(Vo)/ 林達郎(Gt)/ 佐野隆士(Ds)/ 清水亮(Bs)/ 祖田修(Key)/ Kay(Rap &amp; Mc)/
武井努(Sax)/ 堂地誠人(Sax)/横尾昌二郎(Tp)/ 西野欣哉(Per)/ 高原ゆみこ(Cho)/ Yumi Godsey(Cho)/ 山岸竜之介(Gt &amp; Vo)

2/18(Mon) 松田一志
西宮 <a href="http://kirei.biglobe.ne.jp/gourmet/gnavi/detail/kan0400/">焼肉工房CS</a> 0798-23-2965
Open 18:00 Start 19:30
前\3,000 / 当\3,500円(焼肉セット付)
[メ]松田一志(Vo)、武井努(Sax)、城野淳(Gt)、土本浩司(B)

2/19(Tue) 藤井さと子Orchestra KOBE
神戸 三宮 <a href="http://www.bekkoame.ne.jp/i/big-apple/">Big Apple</a> 078-251-7049
19:30~ 前\3,000 / 当\3,500
[メ]藤井郷子(Pf)、田村夏樹、瀬戸一成、James Barrett、有本 羅人(Tp)
三原智行、今西祐介(Tb)、岩田江、水谷康久(as)、荒崎英一郎、武井努(Ts)、登敬三(Bs)、吉野竜城(Tuba)、
清野拓巳(Gt)、船戸博史(B)、井崎能和(ds)

2/20(Wed) MITCH
大阪 梅田 <a href="http://www.newsuntory5.com/">ニューサントリー5</a> 06-6312-8912
Live Time 19:50~20:30/21:00~21:40/22:10~22:50 1,800
[メ]MITCH(Tp,Vo)、永田充康(Ds)、武井努(Sax)、時安吉宏(B)、杉山悟史(Pf)

2/21(Thu) Satoko(Vo)
武庫之荘 <a href="http://www.geocities.jp/m_cuatoro/Mcuatro.htm">Mクアトロ</a> 06-6433-3126
19:50~ 2,500
[メ]Satoko(Vo)、清水武志(Pf)、西川サトシ(B)、武井努(Sax)

2/23(Thu) 武井・馬田DUO
寝屋川 萱島 OTO屋 080-6126-1529
20:00~ 2,500
[メ]武井努(Sax)、馬田諭(Gt)

2/24(Sun) tenor sax ensamble
神戸 三宮 <a href="http://www.bekkoame.ne.jp/i/big-apple/">Big Apple</a> 078-251-7049
19:30~ 前\2,500 / 当\2,800
[メ]荒崎英一郎、服部利一、武井努、登敬三、秦ゆり、西村有香里、内藤大輔、辻田宜弘、古山晶子、大竹亜矢子(以上全員ts)
guest: 岩宮美和(vo)

011718

早いものです。もう18年、いやまだ18年か。

やや薄らいで来たような気もするけれど
まだ心の奥にひっそりとたたずんでいる記憶たち。

あの日あの時間、こんなにも暗かったのだろうかと思う。
地の底からわき上がるような、ざわめいた空気と騒音。
鳴り響くサイレン、立ち上る煙の筋。

 

すべてが変わってしまった。

そのときはその恐ろしさにおののいたけれど、
今はあの日があったから、今日があると思える。

ぼくたちの年号は、あの日が境になっている。
昭和でも、平成でもない、阪神大震災という年号が。

 

震災で亡くなった方、
いまでもつづく悲しみを背負う方、
苦労と喜びをともに分かち合った方、
すべての人に祈りを。

 

えべっさん

今年もえべっさんに行ってきました。ぼーっとしていたら宵宮の日(9日)になってて、3日間とも夜に仕事があったので、一番余裕のあった11日の残り福のお昼に。ちょっとは空いているかなーと思いましたが、やっぱりえべっさん、平日昼間でも人出は多かったです。まあ本宮の夜ほどではなかったですがー。

赤門

赤門

空いていたのもあって、今年はまぐろにも触ってきました。実ははじめて。しっとりしてるかと思ったら乾いてた。んで、お金がうまくくっつかない笑

まぐろ

まぐろ

お参りもいつものように本殿のほかにもある小さなお社にもいき、笹もらって、おみくじひいて、飾り付けてもらって、お神酒もらって。さすがに屋台は物色したりしませんでしたが、途中のポン菓子にまた惹かれ(最近なんか気に入ってる)、ベビーカステラも買ってしまい、なんかえらい荷物になってしまったのでした。

でもやっぱり神社っていいなぁ。というのと、こう、毎年同じときに同じところにいくのっていいなあ。普段はもう曜日もなんも関係ない動き方しているので、こういう節目節目があるというのは気が引き締まったり、落ち着いたりするものなんですよね。

やっぱりいいですよねぇ

やっぱりいいですよねぇ

2013.1月のスケジュール

<table width="100%" border="0">
<tbody>
<tr>
<td>&lt; <a href="http://tsutomutakei.jp/schedule/2012-12">2012.12</a></td>
<td id="" lang="" dir="" scope="" align="right" valign=""><a href="http://tsutomutakei.jp/schedule/2013-2">2013.2</a> &gt;</td>
</tr>
</tbody>
</table>
1/4(Fri) Satoko(Vo)
武庫之荘 <a href="http://www.geocities.jp/m_cuatoro/Mcuatro.htm">Mクアトロ</a> 06-6433-3126
19:50~ 2,500
[メ]Satoko(Vo)、清水武志(Pf)、西川サトシ(B)、武井努(Sax)

1/9(Wed) たけタケ
神戸 三宮 <a href="http://www.bekkoame.ne.jp/i/big-apple/">Big Apple</a> 078-251-7049
19:30~ 前2,300/当2,500
[メ] 清水武志(Pf)、武井努(Sax)

1/10(Thu) 見原洋子バンド分解の巻♪
京都 <a href="http://www.ragnet.co.jp/live_spot_top.html">Live Spot RAG</a> 075-241-0446
open/18:00 start/19:00
前\2,000 当\2,300 (別料金+1drink & 1Food )
[問] 宮部企画 TEL: 090-8759-9557 / E-mail: miyabec@nifty.com
[出演]見原洋子(Vo,G,P)/竹内仁美(Vo,P)/川辺ぺっぺい(Vo,G,B)/山田裕(G)/とくじろう(Vo,Per)/たけタケ:清水武志(P)&武井努(Sax)

※見原洋子のワンマンライブを、いつもサポートしてくれている超豪華メンバー。関西だけにとどまらず、全国で活躍中!!そんなメンバー達がそれぞれメインで演奏をすると言う、とてもレアでユニークな企画です♪

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/2013a.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/2013a-206×300.jpg" title="分解の巻♪" width="144" height="210" class="alignnone wp-image-4073" /></a>

1/11(Fri) Funk'A'dads Psychedelic Edition新年会LIVE! 大阪編
大阪 本町 <a href="http://www.mother-popcorn.com/">Mother Popcorn</a> 06-6535-0002
Open 18:30 Start 19:00
前\2,200 / 当\2,500 (drink代要別途)
[出]Funk'A'dads Psychedelic Edition
武藤祐生(Vln)、寺田正彦(Keyb)、安達隆之(Gt)、大土井裕二(B)、林"Linn"邦樹(Ds)
Old Free Bird
土本浩司(B)、後藤俊明(Gt)、半田彬倫(keyb)、梅本浩亘(Ds)
松田一志(Vo)、堂地誠人(Sax)、武井努(Sax) and more…

1/12(Sat) Make Jazz Sextet
大阪 芦原橋 <a href="http://www5f.biglobe.ne.jp/%7Emake/">studio &amp; cafe MAKE</a> 06-6562-3294
19:30~ 1,500
[メ] 塩之谷浩司(Tp)、古御門幹人(Tb)、藤川幸恵(Pf)、手島(B)、(Ds)、武井努(Sax)

1/14(Mon) PANDEMIK
■ 新春だ!CD発売だ!ほな踊ろか!A bailarrrrr!
東京 池袋 <a href="http://relaciones.jp/">Relaciones </a>03-6912-7239
Open 18:00
無料ミニダンスレッスン by KEN:18:30〜
1stステージ:19:00〜/2ndステージ:20:30〜
★ミュージックチャージ(以下コースからお選びください):
飲み放題コース:予約4,000/当日4,500円(入店後2時間制)
キャッシュオンデリバリーコース:予約3,000円/当日3,500円(1ドリンク付)
[メ]川辺ぺっぺい(b)とくじろう(per,coro)藤田俊亮(vo)Nana Cantarina(vo)
牧知恵子(pf)衣笠智英(ds,tim)ふさはらただひろ(tp,coro)
前田大輔(tb, fl,coro)武井努(sax,fl,coro)
<a href="http://pandemik9.jimdo.com/" rel="nofollow nofollow" target="_blank">http://pandemik9.jimdo.com/</a>

1/15 大我(Ds)4
大阪 大日 HADOWS 06-6903-1778 (イオン大日店4F)
Start 18:30- \2,100
[メ] 大我(Ds)、武井努(Sax)、杉山悟史(Pf)、木村和之(B)

1/16(Wed) MITCH
大阪 梅田 <a href="http://www.newsuntory5.com/">ニューサントリー5</a> 06-6312-8912
Live Time 19:50~20:30/21:00~21:40/22:10~22:50 1,800
[メ]MITCH(Tp,Vo)、永田充康(Ds)、武井努(Sax)、時安吉宏(B)、杉山悟史(Pf)

1/18(Fri) たけタケともみ
大阪 谷町五丁目 <a href="http://glover-jazz.com/">グラバー邸</a> 06-6768-5963
20:00~ 2,000
[メ]清水武志(Pf)、武井努(Sax)、東ともみ(B)

1/19(Sat) Satoko(Vo)+たけタケ+恵
大阪 天満 <a href="http://www.cocosound.jp/jazz_ya/">じゃず家</a> 06-6377-1130
20:00~ 2,500(1drink,1food付)
[メ]Satoko(Vo)、清水武志(Pf)、武井努(Sax)、大塚恵(B)

1/22(Tue) 清水勇博3
岡本 <a href="http://bornfree-kobe.com/">Born Free</a> 078-441-7890
19:30~ 2,500
[メ]清水勇博(Ds)、萬恭隆(B)、武井努(Sax)

1/25(Fri) E.D.F.
大阪 桃谷 <a href="http://www.ms-hall.com/">M’s Hall</a> 06-6771-2541
20:00~ 1,800
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)、田中洋一(Tp)、光田臣(Ds)、西川サトシ(B)

1/27(Sun) TFSOUL with THE BAND” New Year Live 2013 !!!
大阪 本町 <a href="http://www.mother-popcorn.com/">Mother Popcorn</a> 06-6535-0002
Open 18:00 Start 19:00
前\3,000 / 当\3,500 (drink代要別途)
[メ] 福原タカヨシ(Vo, Gt)、ダイオウ(Gt)、濱田卓也(Key)、三浦晃嗣(Dr)、土本浩司(B) おまけ 武井努(Sax)

有川浩 – 図書館革命

図書館戦争シリーズ最終作、4冊目。結局やっぱり一気読み。おもしろいんだもん。恋のゆくえもさることながら、図書館のゆくすえ、おいては現社会への問題提起(と、勝手に思ってるのだが)がどうなるのか。

今回はいままでのようにエピソードが並んでいるのはなく、一つのおおきなお話。でも前作からつながってる。いきなり国内において原発テロが起こる、というシーンから。これにはびっくり。2011年の東日本の大震災も記憶に新しい(というかまだ続いているよね)けれど、あのとき少なくない数の人々が日本の弱点に気づいたはず。それを理解した上でかこの”原発テロ”の出だしにはびっくりする。しかも若狭だし。

このテロが起こったことにより(テロの真実については謎のまま、犯人がすべて死亡してしまう)、日本という国が国際テロのターゲットになりえる国になった、という解釈になるだろう。そしてこのテロの手口そのままを描いたかのような(犯人たちが参考にしたのではないかと疑われるほどの)著作を持つ(無論フィクションである)小説家が世間の注目を集めることになった。それは「テロなどを未然に防ぐため、このような危険な事件の参考になりうる著書を書いた作者の執筆は制限されるべきであるか否か」という点であった。

3作目では言葉に対する検閲に対して問題提起した有川さんだけれど、今度はそれを含めて表現の自由はいかなる場合も守られるべきかどうか、という、作家さんたち自体がもつ大きな問題に焦点をあてているように思う。”国”や”社会”といった公共の利益のためにはたとえ一部とはいえ”表現の自由”は制限されてもよいのかどうか。とても難しい問題だと思う。日本においては憲法において保証されている権利であるが、ひとつ間違えば、いまから数年後には変わっているかもしれないような世の中の流れだ。対象や目的は違えども、いまのこの日本を覆う不穏な空気の一端を指し示しているかのよう。もちろん人によって意見はばらばらになるだろう。

ここで有川さんが繰り返しキャラクターたちの口にのぼらせるのが、この国の国民たちは自分たちが直接関係ない(対岸の火事)出来事にはあまりにも無関心すぎる、ということ。いざ自分に影響がでるときまで過ちに気づかない。もしくは知ろうともよく考えようともしない。それがとても危険なことである、と。上記のようなことがもし現実に起こった場合、多くの人々は「制限もやむなし」と考えるかもしれない。それはそうだ、本に感心がないひともたくさんいるだろうし、ましてや多く存在する作家のうちの一人の著作が制限されたところで、大半の人には関係ないものであるから。でもこれはとても危険なこと。ひとつの例が作られれば、その上に同じような例が積み重ねられていくというのは歴史をみれば明らかなこと。「一部制限する」というのは「ほぼ全部制限する」のと同意なのだ。

物語はその作家をいかに守るか(図書の自由をまもることはすなわち作家の執筆活動の自由をも守ることである)というストーリーで、どんどん手詰まりになっていく中、郁の何気ない一言で物語がおおきく展開していく。今回は隊員たちの動きがドキュメントのように手に汗を握る感じですごくリアルで面白い。そして堂上と郁の行く末も。

一気に4冊とも読んじゃったけど、こりゃ別冊も読まないと気が済まないなあ。

今回のおまけは手塚と柴崎の物語「プリティ・ドランカー」。児玉さんとの対談も最終回。

有川浩 – 図書館危機

図書館戦争シリーズ3作目。ほんと面白い(というか有川さんが好き)なので一気読みしてしまう。普通シリーズものでもちょっと間を置いて頭冷やしてから読んだ方が新鮮味あってよかったりするのだけれど、このシリーズ、止まらない。。。w

今回も5つのエピソード。図書館で多発する痴漢事件を取り締まる「王子様、卒業」。郁と同期たちの昇任試験の苦労話「昇任試験、来たる」、人気俳優のインタビュー記事から発覚する自主規制/検閲の問題「ねじれたコトバ」、郁の地元茨城で開催された美術展の最優秀作をめぐる攻防「里帰り、勃発」、そしてその茨城の攻防当日の模様、そしてその攻防のもともとの原因となった地方の図書隊管理の問題責任について「図書館は誰がために」。かわいらしいエピソードから、このお話のキャラクターたちがもっとはっきりいきいきするお話。そしていわゆる「日野の悪夢」にも近い茨城での攻防・・・。有川さんの想像力の翼はとどまるところを知らないのか、すごいな。前作で登場した郁の同僚・手塚光の兄・慧と彼率いる「未来企画」が図書館界に結構影響をおよぼす存在になってくるし、どういうラストを迎えるのか、楽しみでならない。

ま、話の面白さはさておき、この巻のメインは前作の巻末で手塚兄の手紙のおかげ(?)で郁が憧れていた”王子様”が正に上司である堂上であることが発覚して、とくに郁の行動や思いがぎくしゃくしたりするところかな。おもしろいもん。女子っぽくて。女性じゃなく、女子(笑)。

でもこの巻でいちばんひっかかるというか、ああ、と思ったのは、3話目の言葉をめぐる問題について。僕もそうだけれど本をはじめとしてたくさんのメディアに囲まれて日々暮らしていると、その膨大さも原因のひとつかもしれないけれど、知らないうちに言葉/表現を制約(選別?)されていることには気づかない。いまの社会では一応自主規制という形で各メディアが指針を決めて使う言葉を選んでいるのだけれど、この本の世界のように(でも、そんな遠い世界の話には思えない)違法とわかりながらも検閲が存在するような世の中では、一般市民が普通に使っている言葉でさえ、誰かの横やり(その大半が悪意のない親切心からによるものである、というあたりがまた恐ろしい)によって禁止される言葉となってしまう。

この3話目では”床屋”という言葉が問題になっている(実際に床屋は放送禁止用語にリストアップされているみたい。というか●●屋という表現自体が差別的表現だという理由により – その理由も”特定の日に金銭の授受が行なわれる商慣習を持つ商いでなかったことから、軽蔑を込めて用いられる”だからだそう。そんなに月清算とかできる職業が偉いのか?)。エピソードの主人公である人気俳優が愛情を込めて使った”床屋”という言葉が検閲に引っかかるため、それを”理容店”や”理髪店”等の言葉に直さなければならない、という問題だった。本人は祖父が生業とし、自分を育ててくれた”床屋”という職業(しかも祖父は自分自身をそう呼ぶ)に愛情と尊敬を抱いているのに、つまらない、誰のためだかわからない検閲/規制によって使えず、傷つく。一体言葉を正しく用いているのは誰なのか?

どんな言葉でも使い方、使うタイミング/シーンによって適切/不適切はあるだろう。たとえ昔からあった慣習だからといってそれは時とともに変化していくし、大多数の人に当てはまったとしてもそれは全員ではない。使う側、使われる側がお互い理解し合ってやりとりされる言葉に関して、どうして彼らと関係ない第三者が「よくない慣習だから」「差別用語として使われるから」という大義名分でさばくことができようか?

社会的に中立(公正というほうが適当か)であらなければならないメディアにおいては(といいつつ中立・公正なメディアなんて今はないように見える)、不特定多数の人を相手にするため、放送禁止用語のようなものを規定するのはやむを得ない部分もあるのは分かる。教育の現場でも同じかも知れない。でも、そうやって大きな影響力をもつものたちが強制的に言葉を伏せる(狩る、とも言われてる)ことにより、その言葉自体の存在がなかったことにされる、ということ自体が危険であるような気がしてならない。それは言葉だけではなく、社会一般通念的なことでも同じかも。簡単に言えば「危ないものには蓋をしてしまう」。例えば、溺れる危険があるから池を立ち入り禁止にする、だから近づいてはいけない。それはその通りなのだが、そうしてしまうとなぜ池が危険なのか、どうしたら溺れてしまうのか、溺れるということはどう危険なことなのか、という知っておくべきことさえも知りえないことになってしまう。なんでもかんでも禁止してしまえば波風は立たなくていいのかもしれないが、どうして波風が立つのか?危ないことはどこにあるのか?どう危ないのか?ということまで蓋をしてしまうことは、非常に危険なことだと思うのだが。

話がそれたけれど、その放送禁止用語にもなっている”床屋”という言葉を、では著作の上で使うというのはどうなのだろうか?上記的解釈であるとNGのはずだが、表現の自由という面から、そして著者が意図して使う場合においてはどうなのだろうか?そんな問いかけを有川さんにされているような気がする。お話の上でも、今の社会においてもNGの言葉をお話の上とはいえこの社会に”字という媒体”で見せてくるこの見せ方。有川さんすごいなぁと思う。あとがきの対談でもそんな話(見えない規制)になったりしているけれど、勇気をもって(そして出版元の理解)こう突き進んでいく有川さんに尊敬の念を抱かずにはいられない。

相変わらずおまけの児玉清氏との対談は深い。おまけは「ドッグ・ラン」

角川文庫 2011

Home > Archives > 2013-01

Search

Return to page top

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。