三浦しをん – きみはポラリス


三浦さんの本はひさしぶり、というかそんなに読んでない。少し変わった恋愛の短編集。変わった、というのは、いわゆる通常の(?)男女の恋愛の物語ではなくて、成就しないであろう関係の恋愛(片思い?)ばかりの物語。同性、ペットと飼い主、母と子、ロハスにハマるへんてこなカップルなどなど、普通は友情やらなんやらで結ばれるであろうふたりの片方がもう片方に淡く切ない恋の感情を抱いてしまう。。。。なさそうだけれど、あるのかも。こう書いている自分もわからないではない、と思えてしまうところが少し危ういが。

恋の形はいろいろあっていいけれど、それはあるとき突然やってきて「あ、これは恋だな」と思える時がある。そういう時間や空気のそっとした部分をうまく描いた作品ばかりで、しっとりというか、ひっそりというか、そんな感情をもって読める物語が11編。どれもいいな。特に好きなのは「森を歩く」かな。

新潮文庫 2011

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