宵野ゆめ – サイロンの挽歌(グイン・サーガ 132)


あっという間に読んでしまった131巻に引き続き、ゆっくり読みたいと願いつつも一気読みした132巻。こちらは宵野さんが書き手。栗本さんが残したテイストを踏襲しつつも131巻の五代さんともまた違うテイスト。ちょっとおどろおどろしいかな。

こちらはサイロンのお話。黒死病の蔓延をなんとか抑え、魔導師たちの怪異を収めたケイロニア王グイン。彼とケイロニアをまたさらなる怪異が襲う。それは信じられないぐらい大きなトルク(ねずみ)の大量発生だった。しかしその影には謎の魔導師のような男が。彼を駆り立てた原因は実はグイン自身にあった。ケイロニア皇帝家を悩ませる跡継ぎ問題。グインにひた隠しにされていた王妃の子供の問題。そして狂ってしまった王妃の処遇。問題が山積するケイロニア、そこに起こる事件にグインがどう立ち向かうのか。

131巻とほぼ同時期ぐらいの設定の話かなと思うけれど、まだ両者の関係はみえず、でもなんか関係してくるのだろうなーと楽しみながら読んだ。やっぱりグインが活躍する(しなくても出てくるだけでも)のはうれしい。やっぱヒーローだから。栗本さんのときは何巻も出てこないこともあったし(笑)。こちらも懐かしいケイロニアの皇帝家の人々や重臣たち、そしてグイン王の部下たちがでてきて、それだけで楽しい。

131も132もそうだったけれど、初めてこういう風に書くというのもあるからか、話をちょっと進めすぎてる(詰め込みすぎ?)感じもしないではない。けれど、待ってた人間にはそれもうれしいか。でもじわじわっと長続きしてほしいから、いいペースがでてくるといいなぁ。というか132巻、ラストあんなことになったけれど、いいの、いいの?!

ハヤカワ文庫 2013

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