有川浩 – シアター!2


シアター!」の続編。人気はあるけれど万年貧乏の小劇団「シアターフラッグ」が背負った赤字は300万。春川司はそれを肩代わりするかわりに劇団を主宰する弟・巧に出した条件は”2年間で劇団の売り上げで返済すること。できなければ解散”だった。

そんな条件を出され、そこに声優でもある羽田が加わったことから劇団が分裂し、再出発をし、司の鉄血のおかげで公演では黒字を出せるようになった劇団だったが、2年での完済にはまだ遅いペース。しかし少しずつ劇団はいい方向に向いていた。が、そこにまたいろいろ問題が噴出。メンバーのまとまりも危うくなる中、シアターフラッグの今後はどうなるのか?

今回は有川さんもあとがきで書いているように、個々のメンバーがクローズアップされているような感じになっている。前作では春川兄弟が中心となってすすむストーリーだったけれど、今回はメンバーの顔がもっとはっきり見えて楽しい。個人的には不思議ちゃん的な(天然な?)茅原が好きだなー。ああいう飄々としたのは(ちょっとちがうけど)憧れるなあ。そして有川さんといえば的な恋愛要素(でもべとべとでない)も入って来て、ますますこの劇団の行く末が楽しみに。次巻でどう完結するんだろ。というかするんかな?

各章の話と劇団が演じた芝居をうまくオーバーラップさせていて、うまいなーと思う。台本(という設定の文章)が差し込まれていてニクい。

メディアワークス文庫 2011

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