久美沙織 – 星降る草原(グイン・サーガ 外伝23)

天狼プロダクション監修のもと本編のつづきが数人の作家さんによって引き継がれたグイン・サーガだけれど、栗本さんが22巻(ヒプノスの回廊)まで書いた外伝も書かれることになったみたい。久美さんが選んだ物語の場所は草原。風雲児として暴れ回ったグル族の血を引く王太子スカールにまつわる物語。本編では語られなかった彼の出生や成長みせつつ、草原やグル族、アルゴスなどの種々事情をかたってくれる。

草原、懐かしいなぁ。もちろん僕は馬になんて乗れないけれど、物語を通してたくさん駆け回らせてもらった。この物語でもたくさんの駒が走り回る。懐かしいケイロニアも出て来たりしてちょっとうれしかった。

新しく作られた物語だけれど、久美さんはうまく栗本グインにつながるように書いてくれている。グル族とアルゴス、ひいてはパロとの関係や、なぜスカールがグル族を率いることになったのか、スカール誕生当初に起こったグル族内での不和などなど、新しいことだけれど、もともと織り込まれていたようにすっと読めるのはさすが。4章がちょっとずつ時間とんでいるので、最初「?」となってしまいそうだったけれど、それも読み進めば大丈夫。ちょっと説明多いかなーと思うけれど、面白かった。

ハヤカワ文庫 2012

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