舞台終えて

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(photo by 劇団レトルト内閣)

夏頃に誘われて一も二もなくやりたい!といって参加させてもらった、劇団レトルト内閣の第24回本公演「まことに神の造りしをんな -智恵子抄-」、先週末に無事全公演を終えました。お芝居に参加するのは吉本の100年物語以来なのでもう3年ぶりくらいだったのですが、また役者さんたちのすごさとお芝居の世界の魅力にどっぷりはまった数日間でした。実に濃い時間を過ごさせてもらいました。

今回のお話は高村光太郎が妻であり芸術家の智恵子への愛を綴った詩集「智恵子抄」をもとにしたお芝居で、詩集を深く読み解いて見えてくる光太郎と智恵子の人となりや生活を描きながら、一方、今を生きる人間たちが「智恵子抄」を音楽に乗せるというシチュエーションから(これ伏線あり)二つの世界がオーバーラップしていくというダイナミックなお芝居で、二人の女性の生きていく姿がクローズアップされていきます。すごく深い世界の話のように後ろから見ていて思っていました。

まだお客さん側からがどんな風だったのか見たり聞いたりできていないのでなんともなのですが、来てくださったお客さんからは「お芝居ももちろんだけれど、生演奏がとてもよかった」とたくさん声をいただいていて、実感はないもののとても嬉しく思っています。劇団レトルト内閣が原点回帰したという音楽劇にぼくら楽団がうまくマッチするように稽古でも場当たりでも本番の最中でもいろいろ細かく調整しながらやっていったので、どんな結果だったのか楽しみです。

普段のコンサートでもこんなに綿密に隅から隅まで吟味し抜いてやることってほとんどないので、劇団や俳優さんたちとのこういう作品作りはとても大変です。が、その分とても刺激的でした。特に今回は楽団はずーっと出ずっぱりで(なのでボーッとしたりできない)、ほとんどのシーンで歌伴をしたり、効果的な音楽を入れたりなどなど活躍の場が多く(フリーに演奏するシーンがたくさんあったのだけれど、同じシーンを何度やっても違う演奏になるので、それが果たしてマッチするのかどうか難しい)、緊張感があったので、一回一回の芝居にかなり(普段の演奏とは違う部分でも)エネルギーを消耗しました。でもそれがそのまま芝居の良し悪しに関わるし、密接に参加しているという実感となったので、やっぱり参加させてもらえてよかったなーと思っています。

素晴らしい俳優さんたちと知り合えたし、また一ついい経験ができたし、できたらまたこのお芝居に参加したいし、本当にいいい時間を過ごさせてもらいました。お越しいただいたみなさま、出演した俳優のみなさま、お芝居を作り上げたスタッフの皆さん、そして楽団のみなさん、お疲れ様&ありがとうございました!

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