五代ゆう – 魔聖の迷宮(グイン・サーガ133)

栗本さん亡き後のグイン・サーガ本編3冊目。131巻、132巻もすごく読み応えありうれしかったが、この133巻は栗本さん最後の130巻のラストシーンを引き継ぐもので、いよいよ物語が再開して、繋がっていくという感じがする。ミロク教の聖地ヤガから脱出しようとしたフロリーとその息子イシュトが何者かに襲われ、拉致される、、、そんなシーンの続きはどうだったのか?

ここに外伝1巻(読んだのが遠い昔だ、でもよく覚えている)で登場した魔導師たちがそろって登場する。しかも彼らは魔導師としてではなくミロク教の手先として。昔ながらのミロク教とは何かが変わってしまっている「新しいミロク教」とは何なのか、その後ろで糸を引くのは誰なのか?パロの怪異、サイロンの怪異、それらはすべてつながっているのか?いろいろな謎を紐解く伏線が語られる。

やっぱりいつ読んでも(もはや作者が変わって、少しテイストが変わったとしても)グインワールドは頭の中に存在して、そこで人物たちが息づいている。五代さんの描く世界はすこしとんがった感じもする(栗本さんはもっとジメッとした感じがする)けれど、瞼の裏にはありありとヤガの情景、醜い魔導師や美しく不思議な女の姿が浮かんでくる。楽しいなぁ。

このまま物語がどんどん進んでいくことを、すごく期待。この時点で135巻までは出てるしね!

ハヤカワ文庫 2014

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乃南アサ – 水の中のふたつの月

乃南さんの作品は久しぶり。いつもじわっとくる人間の暗闇とかなどに足を引っ張られるような感覚がして、ちょっと怖いのだけれど、それでも魅力的で読んでしまう乃南さん。

小学校の時の仲良し三人組が獣数年ぶりに出会う。この少女たち小学生のときに救おうとしたいじめられていた男の子。彼女たちはそのために秘密を共有し合った。でも久しぶりの再会で、封印していたその時の記憶が少しずつ蘇る。そこにはある約束があった。

妙齢の女性3人と、そのうちの一人の彼氏。その彼が昔3人が好意を持った男の子に似ていたら?そしてそこに重なってくる昔のある「約束」。ともに秘密をもちあう3人、そして彼氏。そしてそこに重なるように、昔あった出来事が紐解かれてゆき、その「約束」が明らかになっていく。

女性のキャラ設定が少しおかしな感じするあたりから、少し変わった感じするなあと思いつつ読み進むと。じわじわじわーーーっと恐ろしい話だったり。女性(もしくは少女)の一人称が入れ替わり、過去と現在が交錯し、やがて過去が立体的に甦ってくる感じ。コンパクトにまとめることもできるんだろうけれど、それを細かな描写や心理描写などをいれながら構築していって、それによって不気味さ、というか不自然さというか、を醸し出すのがすごく上手いなあ、と感心。

女性の結束って、怖いなあ。

文集文庫 2003

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田中啓文 – こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙

こなもん屋うま子シリーズの2作目。うま子の大阪のおばちゃんキャラも面白いし、大阪のこなもん文化をいやというほど味わえるこのシリーズ、やっぱり面白い。そしてためになる(?)。前作では一話ずつ物語の主人公が違う設定だったけれど、今回は話ごとに違う主人公がでてくるのは同じだけれど、一冊通して大阪市長が出てくるという設定で、最近いろいろ物議をかもした大阪市政について、茶化しているけれど、核心を突いたつっこみもあってそれもまた楽しい。公共文化施設の閉鎖、学内での国歌斉唱などなど。

前作もそうだったけれど、やっぱり”こなもん”というのはいいなぁ。読んでるだけでよだれがでてくる。ホルモン焼うどん(これも最近までなかったんじゃないかなあ。美味しそうなホルモンの描写がたまらん)、ナポリタン(これってちょっとまえに名前がダメになるかもって物議醸したよなぁ、パスタじゃなくてスパゲッティー、ね!)、ホットケーキ(パンケーキもおいしいけど、やっぱ熱々のホットケーキよね。なぜ2段にするんだろw)、チヂミ(韓国料理にいくと必ず食べちゃう)、そして串カツ。関西近辺に住む人間なら字面みただけでこれらの絵がでてきて、口によだれがたまるよねぇ(お昼前にこういう文章書いてると尚更)。おいしいもの満載。

大阪市長の悩みを食べ物を通してバッサバッサと斬りまくる、うま子が今回も痛快。怖いおばちゃんだったり、のんきなおばちゃんだったり、多種多様に変化するうま子。今回は笑うセール○マンぽくもなったりして面白い。ほんま、街のどこかにかならずいる大阪のおばちゃんキャラの集大成のようで、面白くて、親近感がわく。でも家にこんなんおったら大変だけどw。

そして相変わらずダジャレの宝庫だけど、「関門海峡河豚儀式」にはわろた、笑ろたw

実業之日本社文庫 2014

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R.I.P. 伊藤健造 a.k.a. KENZO

KENZOと前のSwingで。なんかのセッションか。清水さんもいるね。
KENZOと前のSwingで。なにかのセッションか。清水さんもいるね。2002年。

9/2、スタジオで目下作業中のところに清水さんから電話、ほぼ同時に徳島Swingのママから連絡あって、KENZOが亡くなったと。

数年前に一度倒れた(それは原因別)ときに「医者の不摂生や」とさんざんいじられて、そこから回復して、体力や行動にはちょっと制限かかっちゃったけどピアノもまた弾けるようになって、去年はあんなに盛大なライブもしたし、数日前までFBでもなんやかんやと投稿してたのに。。。。。この突然の訃報。寂しさを感じる暇もない。

健造さんと(実は年上なのに、周りもケンゾー、ケンゾーと呼ぶものだから、ケンゾーと呼んでいたけど)出会ったのは、もう、ちゃんと覚えていない。昨日話してたら20年ぐらい前の今治のイベントじゃないかなあという話だったけど、きっとその頃からずっと毎年盆ごろにやってたツーリングのイベントで徳島通るときにセッション一緒にやったか(前のSwingかJazz Cabin88あたりか)だったんじゃないかと思うんだけれど、はっきりは覚えていない。

でも、その出会いから、毎年のように徳島ジャズストリートに呼んでもらって、たまには違うライブでも行ったりして、年に数度徳島で熱いライブを繰り広げてきた。いまでもKENZOが書いた譜面が手元にたくさんある。毎回いろんな曲やったなあと思い出す。ピアノがとても達者で、音楽も大好きで、なんか面白いキャラで、よく飲んでよく食べて、ほなけんほなけんって言うて。ぼくが徳島でもいろいろよくしてもらえてるのはこの人のお陰であるところが大きいなと思う。

本当に不思議。たぶん徳島でしか(訂正:日記見たら松山にも一緒にいってる)会ってないのに、とてもよく会ってた気がするし、KENZOといえばブランドじゃなくて伊藤健造だもん。あの愛くるしい(というと失礼か)顔と少しころっとした体型(痩せろとさんざん言われてたが)でニコニコしている、ピアノの前ではキリッとしてる、あの姿にもう会えないとおもうと、いま、寂しくなってきた。急に寂しくなってきた。そんなに多くの時間を共有したわけではないのに、でもたくさんの音は共有した、そんな仲間がいなくなるというのはとても寂しい。先輩諸氏の訃報とはまた違う感じがする。同じ時代を生きてきてた仲間がいなくなるという感じ。

安らか、というには、あまりにも自然すぎて、単に寝ているだけで、よーくみたら布団が上下してるんじゃないかおもうほどの姿だった。きっとそうしんどくなかったんだろうなと思うと、少し落ち着く。もっともっと歳食ってから「あのとき、あーやったよなあ」なんて言って笑いたかったのに、なんでだろう。運命?必然?よくわからない。いまはただ受け入れるのみ。

伊藤健造さん、楽しい、いい時間をたくさんともに過ごせてよかった。ありがとう。安らかに。

阿刀田高 – 夢判断

初めてかも、阿刀田さん。夢や少しヘンテコな状況を題材にした軽い短編14編集。どれも短くて楽しく読める。

赤い色の夢を見るとそれが現実に起こる夢を見る男「夢判断」、詐欺師の男と騙される女「蜜の匂い」、泊めてもらった宿に夜中鈴の音が怪しく響く「海が呼ぶ」、久しぶりに出会った昔の恋人が美術館に誘う「紅白梅の女」などなど、主人公はたいがい大人の男で、彼らが当時あったような場所でありそうなシチュエーションに出くわす、みたいな感じなのだけど、そんな大人の男の人が何かの合間に読むような感じかな。いまならもっと違う感じの作品になるのだろうけど、すこしじめっとした感じがするのは時代のものか。

すごく昭和を感じる作品だった。

新潮文庫 1983

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村上春樹 – レキシントンの幽霊

久しぶりの村上さん。実は村上さんの未読の本が溜まっていたりするのだが、長編にいまは手を出す気にならず、前からあった短編集を。表題となる「レキシントンの幽霊」からはじまり「緑色の獣」「沈黙」「氷男」「トニー滝谷」「七番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」の7編。どれも90年代の作品。不思議な感覚に捉われる作品ばかり。

どれも短編なのにそうとは思わせない物語の奥深さ(というか重さというべきか)があるように思えて、一つ読むごとに本を閉じて、息をふぅとつかないと現実世界に戻ってこれないような感じ。一から十まで説明しているわけなんかないのに、少し読むだけでその物語で描かれる人物や不思議な生き物(?)などの背景やその場の光景が見え、横で体験しているかのような錯覚にとらわれてしまうほど、文章の魔力が強い。こういうところが村上さんが好まれる理由なのか、それとも村上さんが好む文学がこういう世界を持っているからなのか。

どの話も面白い、というか、なにかおどろおどろしいものを感じさせる。この本の場合は、ぼくら普通に暮らしている人間ではどうしても太刀打ちできないようなものがきっとどこかにあって、それらがいつぼくらを脅かすかわからないというような切迫感、というような感じか。

とくに「沈黙」では物語上は、クラスにいる同級生を殴った、というだけの話なのだけれど、どうしようもない悪であるとか、天災であるとか、こちらになにも譲歩してくれないものが確かに世の中には存在して、普段は気づかないけれど、いつの日か目の前に現れて災いを撒き散らす、というようなことが、きっとないとは誰もいえない、ようなことを示唆しているように思えるのだけれど、これがまさに阪神大震災とか東北の震災とかそんなもののことを言っているように読めて仕方ない(でも、この物語が書かれたのは1991年)。まさにバブルの絶頂期。だったのにもかかわらずこういう文章が生まれ出てくるというのは、世の中の影にはきっといつも大きな落とし穴があると考えているからかもしれないし、単に気まぐれから書いたのかもしれないし、純粋に文学的に書いたのかもしれないけれど、この短編集を読むと、なにかを予想していたんじゃないかと思わずにはいられない。

楽しい、というよりは、なにか不穏なもの、でもそれ自体はまだ遠くにいるように感じられるので少し安心できる世界、のような読み物。へんな表現。。。

文集文庫 1999

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2015.9月のスケジュール

<table border="0" width="100%">
<tbody>
<tr>
<td>&lt; <a href="http://tsutomutakei.jp/schedule/2015-8/">2015.8</a></td>
<td id="" dir="" lang="" scope="" align="right" valign=""><a href="http://tsutomutakei.jp/schedule/2015-10/">2015.10</a> &gt;</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/th_DSC_5026.jpg"><img class="aligncenter wp-image-7595" src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/th_DSC_5026.jpg" alt="201509" width="570" height="852" /></a>

※先の予定は随時変更されることがあります。
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/4(Fri) 中島教秀・武井DUO
兵庫 尼崎 <a href="http://jammer-jazz.com" target="_blank">JAMMER</a> 06-7177-7501
20:00〜 カンパ制
[メ]中島教秀(B)、武井努(Sax)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/5(Sat) 岡本隆志(Tp)5
茨木 <a href="http://www.jks-group.info/store/#jkibaraki" target="_blank">JK茨木</a> 072-638-3914
21:00- チップ制
[メ]岡本隆志(Tp)、ロイヤン尾茂(Gt)、武村一輝(B)、鳥山高義(Ds)、武井努(Sax)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/7(Mon) 武井・馬田DUO
兵庫 西宮 <a href="http://www.three-codes.com/" target="_blank">Three Codes</a> 0798-55-5184
19:30~ \1,500 (つきだし\500)
[メ]武井努(Sax)、馬田諭(Gt)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/11(Fri) E.D.F.
大阪 梅田 <a href="http://azul-umeda.com" target="_blank">Azul</a> 06-6373-0220
19:00- \2,000
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)、田中洋一(Tp)、西川サトシ(B)、光田じん(Ds)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/12(Sat) 中島・武井DUO
豊中 <a href="http://www42.tok2.com/home/gastou/" target="_blank">我巣灯</a> 06-6848-3608
19:00- \2,000
[メ]中島教秀(B)、武井努(Sax)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/13(Sun) チーチョたんたんとれいん
■ <a href="http://www.jr-odekake.net/railroad/osakaloop_kaizou/detail.php?id=9" target="_blank">発車『O』(オー)ライブ『えんにち』</a>
[開催場所] JR環状線各所
大阪駅(大阪ステーションシティ5階 「時空(とき)の広場」)/ 京橋駅(北口コンコース)/ 森ノ宮駅(内回りホーム)/玉造駅(「ビエラ玉造」屋上)/天王寺駅(「天王寺ミオプラザ館」1階 北側エレベーターホール)/新今宮駅(西口コンコース)
[開催時間] 11:00-17:00
詳細は<a href="http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/08/page_7532.html" target="_blank">こちら</a>
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/13(Sun) 神大Jazz現役&amp;OBオープンジャムセッション
神戸 元町 <a href="http://soubei.net/" target="_blank">cafe 萬屋宗兵衛</a> 078-332-1963
Start 19:00 \500
[ゲスト]武井努(Sax)、清水武志(Pf)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/14(Mon) 武井・馬田DUO
寝屋川 萱島 OTO屋
20:00~\2,500
[メ] 武井努(Sax)、馬田諭(Gt)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/16(Wed) MITCH
大阪 梅田 <a href="http://www.newsuntory5.jp" target="_blank">ニューサントリー5</a> 06-6312-8912
19:30- \1,800
[メ]MITCH(Tp,Vo)、武井努(Sax)、時安吉宏(B)、永田充康(Ds) ほか
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/17(Thu) E.D.F.
神戸 摂津本山 <a href="https://born-freekobe.shopinfo.jp" target="_blank">Born Free</a> 078-441-7890(19:00~23:30)
19:30- \2,500
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)、田中洋一(Tp)、西川サトシ(B)、光田じん(Ds)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/22(Tue) The Sax Jazz Orchestra
三重 四日市 <a href="http://www.salaam.jp/" target="_blank">Salaam</a> 059-326-7568
18:00 Open / 19:00 Start
前2,500 / 当3,000
[出演] The Sax Jazz Orchestra、小濱安浩(Sax)、武井努(Sax)、岩持芳宏(Sax)、倉田大輔(Ds)、徳田智史(B)、平手裕紀(Pf)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/11250084_833604720070672_6109797746147453985_n.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-7647" src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/11250084_833604720070672_6109797746147453985_n-214×300.jpg" alt="20150922" width="214" height="300" /></a>
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/23(Wed) 松田一志(Vo)
大阪 千日前 <a href="http://tabelog.com/osaka/A2701/A270202/27079036/" target="_blank">串焼き 律</a> 06-6631-9494
19:00〜 前\3,000 / 当\3,500円 [1drink 付]
[メ] 松田一志(vo)、武井努(sax)、城野淳(G)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/24(Thu) 三原淑治5 + サンディ・ブレア
大阪 梅田 <a href="http://azul-umeda.com" target="_blank">Azul</a> 06-6373-0220
19:00- \2,000
[メ]三原淑治(Gt)、小野みどり(Org)、中野圭人(Dr)、西野欣也(Perc)、武井努(Sax) guest サンディ・ブレア(Vo)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/20150924.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-7529" src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/20150924-212×300.jpg" alt="20150924" width="212" height="300" /></a>
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/25(Fri) 武井・馬田DUO
大阪 西梅田 <a href="http://www.hiltonplaza.com/concert/" target="_blank">ヒルトンプラザウエスト</a> B1F エントランス
14:05 / 15:05 (30分ずつ) 無料
[メ]武井努(Sax)、馬田さとし(Gt)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/25(Fri) E.D.F.
大阪 桃谷 <a href="http://www.ms-hall.com" target="_blank">M’s Hall</a> 06-6771-2541
20:00~ 1,800
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)、田中洋一(Tp)、西川サトシ(B)、光田じん(Ds)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/26(Sat) たけタケ
東大阪 俊徳道 <a href="http://www.c-road.org/main.htm">Crossroad</a> 06-6736-8870
20:00~ \2,000
[メ]清水武志(p)、武井努(Sax)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/28(Mon) tenor sax emsamble
神戸 三宮 <a href="http://www.geocities.jp/kbigapple/" target="_blank">Big Apple</a> 078-251-7049
19:30~ 前\2,500 / 当\2,800
[メ]荒崎英一郎、登敬三、辻田宣弘、篠崎雅史、内藤大輔、古山晶子、當村邦明、落合智子、稲屋浩、武井努 ほか (以上全員ts)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />
9/30(Wed) Words Of Forest
神戸 三宮 <a href="http://www.geocities.jp/kbigapple/" target="_blank">Big Apple</a> 078-251-7049
19:30~ 前2,000 / 当2,300
[メ]森本太郎(Ds)、清野拓巳(Gt)、三原脩(B)、武井努(Sax)、今西祐介(tb)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1" />

NHK神戸 – ジャズライブKOBE

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先週末NHK神戸放送局の番組”ニュースKOBE発”内のコーナー「ジャズライブKOBE」に出演しました。

これはニュース番組内での生放送のコーナーで、”神戸は日本のジャズの発祥の地”ということもあってか、もう10年以上続いているそうです。当日はわりと早い時間にはいって、綿密にリハーサルし(生放送なのでコーナーの時間きっちりに収める必要がある)本番を迎えました。だいたいの作戦は練っていってたのですが、いざ演奏をやってみると、思っているより演奏時間がながく、それの調整に結構時間かけてしまってスタッフの皆さんに済まないことしたなーと思っています。でも、最終的にはほんとぴったりの時間にすることができました。

ギターの馬田くんとはもうだいぶ長く定期的にやってきているので演奏自体には問題はないだろうと思ってましたが、サイズに収めることと、途中すこしだけトークのコーナーがある(あらかじめ内容が決まっているけれど、これだけは不得意)のが結構心配だったのですが、アナウンサーさんがきっちりリードしてくれたので大丈夫だった(と思っている)です。でも映像みると顔かたまってますけどw

放送自体は10分ほどなのですが、演奏はミニライブ形式をとっています(その途中の10分、2曲が放送される)。なので放映前から演奏をしていたのですが、これまたニュースの都合によりちょっと時間の前後があるということで時計とにらめっこしながらでした。曲を短めにぽんぽんといつもの調子でやったのですが、ディレクターさんがやきもきしてんじゃないかってぐらいギリギリまで演奏してしまい、すぐ生放送というタイミングになりました。いつもは時間気にせずに演奏してますが、こういう場合ってほんと難しいですねぇ。曲が尻切れとんぼになるのも嫌ですし。

放送までの時間調整と、放送内での時間調整や生放送のプレッシャーがあったからか、放送の後にもう少しアンコールとしての演奏をやったのですが、全くもって気楽に(笑)やれました、いつもの感じで。いやはや、放送だろうがなんだろうがこのテンションでできるようにならねばならないのですけど、まだまだ道は遠く、です。

こうやって出演させてもらい、うまくできたのも、スタッフさんや来場してくださった音楽ファンのみなさん(結構常連さんもいらっしゃるとか)のおかげですし(ああいう場で拍手や声もらえるとすごくリラックスできます)、このコーナーをずっと続けてくれている放送局のみなさんのおかげだと思います。本当にありがとうございました。

8/30までですが、放送の様子がアーカイブでみることができます。お時間あればどうぞ。
http://www.nhk.or.jp/kobe/jazzLiveKobe/before.html

また、馬田くんとの今後の演奏は

8/28 萱島おとや
9/7 西宮Three Codes
9/14 萱島おとや
9/25 梅田ヒルトンウエスト地下1F広場(お昼の無料ライブ)

などです。ぜひいらしてください!

百田尚樹 – モンスター

久々に百田さんの作品。世間でいろいろ騒ぎを起こしていたりもするけれど、その真意や賛否についてはここではおいておいて、純粋に作品を楽しみたい。

田舎の町にうまれ、悲しくも持って生まれたあまりの醜さにバケモノ扱いされ、それでも強く生きていこうとする主人公・和子。ある日思い悩んだ末に起こした事件をきっかけに彼女は家族からも縁を切られ、町を追われる。その後もひっそりとまじめに暮らす彼女であったが、ある日目の整形をしたことをきっかけに自身の容貌を作り変えることに目覚める。

莫大な金額をかけ完璧な美人に生まれ変わった彼女(名前も未帆にした)はそれまでとは全く違った人生を歩めるようになる。やがて彼女の心によみがえってきたのは、若いときに起こした事件の原因となった男への情熱だった。そこで彼女は長い年月ぶりに生まれ故郷に帰り瀟洒なレストランを開いたのだった。。。。

結構分厚い作品だけれど、これもスピード感あってあっという間に読めた。整形して美人に生まれ変わった女が昔の関係者に復讐する、というパターンの話なら山ほどあるだろうけれど、これはだいぶテイストが違うような。それは最後まで読んでのお楽しみ。モンスターというタイトルはわりとそのまんまだけれど。

面白いなーと思ったのは人の顔に関すること。人の印象というのは最初に見たときに8割ほど決まってしまうという説もあるけれど、顔のパーツがどういう風に配置されているかで随分印象が違うそう。それらが(物語上では)整形の話に付随するように解説されてておもしろい。それに表情や化粧、髪型などなど。男性はあまり頓着しないけれど、女性が自分を魅力的にみせたり、印象的にしたりするには、持って生まれたものもあるけれど、化粧などをつかても随分変えられるよう。怖いような、いいような。

いまは昔のように絶世の美女(もしくは絶対的な美女)というのはなく、個性的な美人が多いらしい。均整のとれた顔よりも、少し偏った、でも魅力的なパーツがあるひとが好まれる傾向にあるとか。ぼくたちにとって随分違うようにみえる顔でも、実は計測すると数ミリも違わないらしい、目が大きいとか、口角とかとか。不思議なもの。

幻冬舎文庫 2012

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伊坂幸太郎 – PK

isakaPK

伊坂さんの作品は文庫で出ているものだけ読んでいってるので、ほぼ追いついていてなかなか新しい作品に出会えなくてやきもきしているのだが(どうもハードカバーは好きじゃない。装丁とかいいし、持っててもいいんだけど、本棚に並べると邪魔なので)、久しぶりに手に入ったので嬉々として読む。

「PK」「超人」「密使」の三編からなる作品。これらは一続きのものではないのだが、「PK」と「超人」は一部登場人物が重なっている。でも読んでみるとわかるけれど、あれ?同一人物なのか?違うのか?何かすこし違いを感じる。それは時間か、場面か、何かほんと微妙なもの。そしてそれらを結びつけるのが「密使」。これまたすごい(誰もそんなの思いついたことないヤツが鍵を握る)発想のSFぽい作品。なので、ばらばらの三編としても読めるけれど、実は三位一体となって出来上がっている一つの作品ともいえると思う。

一つの話のなかにも幾つかのパートがでてきて、それらが時間を軸として繋がっている。なので、注意して読まないとなんのこっちゃわからない(でも、普通に読んでいても面白いのが伊坂作品のすごいなとおもうところ)。結局、大森氏による解説を読むまで、うすらぼんやりとしかこれらの話の裏側はわからなかったけれど、それを読めば、ああ、なるほど、こういうことだったのか(自分で気づけよ、という話だが)と納得(でもそれすら正解かどうかわからない)。

ある点でドミノだおし的展開をする「フィッシュストーリー」に似ているけれど、伊坂さんが「割り切れない倒れ方をするドミノを作ろうと思った」といっていた(らしい)とおり、気持ちよく、スカッと話のピースがピタッとはまる感じはなく、なんとなくうやむやとした感じになる。でもそこが狙いだったんだろうと思う。

なにか要因があってそこから結果がうまれる。それらがたくさん集まって世界やら運命やら時間やら、僕らの手では負えないものが動いていく。一人一人では大きな力は発揮できなくても、小さな力、勇気、それを奮い起こすもの(ヒーロー)がいれば、やがて大きなものの行く先は変わっていく。気持ちが萎縮すればまた違う方向に流れていく。

セリフとして引用されるいくつかの言葉がキーになり僕らに力と夢を与えてくれる。チャップリンの言葉「ひとりひとりはいい人たちだけれど、集団になると頭のない怪物だ」、同じくチャップリンの言葉の変形「人生を楽しむには、勇気と想像力とちょっぴりのお金があればいい」、アドラーの言葉「臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する」。なんか泣けてくる。

これはもう一度話の構造を分かった上で読んで、楽しまなければ。

講談社文庫 2014

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