万城目学 – プリンセス・トヨトミ

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随分前に読んだので備忘録的に。万城目さんははじめて。万城目っていう字を見るとどうしても20世紀少年を思い出しちゃうけど、それは置いておいて。

この物語に関してはDVDで映画をみたのが先だったけれど、何もかもすっかり忘れてて(まあ、物語の骨子ぐらいは覚えてたけれど)新鮮な感覚で読むことができた。また舞台になっているのがお城のまわり、とくに空掘商店街なんかがでてくるのでえらく親近感が沸いてしまう。そんなに空掘商店街にいったことがあるわけではないけれど、大阪の街というのはうまく描写してもらえたらすごくイメージできるので。物語としても面白いけれど(まずはアイデアが面白いなとおもった。もしかしたらこれってイエス・キリストの子孫の話<ダヴィンチ・コードがこのパターンよね。でも戦国武将のそれ自身や子孫が落ち延びて〜系の話ってまあまああるか)、大阪の文化や風俗、街や人の気質なんかをうまく描いてるところがいいなと思う。

大阪の大人の男だけが知っている秘密 ー それは秀吉直系の子孫がいて、それを守っている組織がある。それこそが大阪国という国である。そして大阪の大人の男たちは一人一人役目をもち、非常時に備えているのだ ー それにふとしたことから近づいてしまった会計検査院の調査官たち。国の予算の中に計上される謎のお金は明治維新のときに日本政府と大阪国が交わした密約によるものだった?!謎が明らかになるとき、大阪城が真っ赤に染まり、全大阪が停止する。。。。

まっすぐに切り込んでいこうとする検査院の男と、秘密を大阪国をまもろうとする男たち、その駆け引き、人間のぶつかりあいがとても胸を熱くする。本当にこんなことがあったら、、、もしかした本当のことなのか?とまでおもってしまったりするのは大阪の人間だからかw 実際大阪城が真っ赤になったり、大阪じゅうの男が大阪城に集まったりしたら、壮観だろうなあ。想像をはるかに超えちゃうけど。この”すごいやろなあ”と思う感じを失いたくないので、映画はきっと見ない。

それと、ときどきでてくるからか、お好み焼き食べたくなるのよねえ。

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