高橋克彦 – 写楽殺人事件

sharaku

いまだもって謎が多いといわれる写楽。ある浮世絵研究の組織にいる主人公・津田。ある古書市で入手した図覧に不思議な絵をみつける。それは写楽が近松昌栄と名を変えて描いたとされる作品だった。

そこから津田は調査を始める。青森や秋田、彼の痕跡をつぶさにさがす。そうしてある結論にたどりついた。それは大きな歴史の中で様々な権力に翻弄された人物の姿だった。それを研究室に持ち帰ると、教授が発表することに。渋る津田だったが、でもそのほうがより世間に認めらるということで引き下がったのだったが、、、相次いで教授もその他の写楽研究の第一人者といわれる人物が謎の死を遂げる。。。

あまり浮世絵のことはしらないけれど、これを読むといろいろ興味が湧いてくる。昔のものや芸に興味をもつタイミングなのかもしれない。ミステリー作品としてすごくよくできているなともおもうけど、それより歴史を紐解いていくあたりがとても面白かった。江戸時代ごろの世間の様子。そこに生きていいた人たちの楽しみであった浮世絵たちがどういうふうに生み出され、楽しまれていたのか。その陰で絵師たちがどう生きていたのか。そんな部分にとても魅力を感じた。

第29回江戸川乱歩賞受賞作品

講談社文庫 1984

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