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池井戸潤 – シャイロックの子供たち

shairokkku

東京の下町のある銀行支店のなかで起こるいろいろな事件。それはそのまま支店内部の人間模様、そしてその銀行そのものの組織の闇に繋がっている。 10編の短編で構成されてて、主人公が変わっていくのだが、どれも同じ支店内の人間。バラバラの人間模様かと思えば、それらが最後にまとまっていくのが面白い。

ある日起こった現金喪失事件。その犯人と目されたのは若い女性行員だった。しかし 時を同じくして別の男性行員が失踪。若手ナンバーワンと自他共に認める行員のおかしな成績、社内恋愛のもつれ、上層部の軋轢、、、、表からは見えない銀行の裏側の人間関係とそれを引き起こすゆがんだ体質、銀行そのもののおかしさが浮き彫りになる。

整然と冷静に、効率よく、数字がすべてできっちり動いているように見える銀行も、それらはすべて結局人間が動かしている。とするとそこには数字にはでない人間模様が。実際池井戸さんが描くような内実はどこにもあるようなものなのか、それとも突飛なものなのかわからないけれど、銀行という立場や組織が特殊であるのはなんとなくわかる。そして怖い。金と成績がすべて、というような世界には生きたくない。でもそうではなくて社会的意義に燃える人もいるのだろう。いろんな人がいて、そして彼らには家族がある。この物語では個人個人に焦点を当てながらかれらの家族とのことも描かれる。なぜ銀行で働くのか、どうしてそんなことになってしまったのか。

シャイロッックというのは、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」に登場する悪辣、非道、 強欲な金貸しで、そこから転じてそういう人物をシャイロックと呼ぶそう。

2006 文集文庫

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