田中啓文 – お奉行様の土俵入り(鍋奉行犯科帳5)

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鍋奉行シリーズの5冊目。たまたまいま読んだのだけれど、世間の話題は相撲に相撲。この作品のひとつめのお話は相撲のお話「餅屋問答」。江戸時代、相撲は大名の楽しみのひとつでもありお抱え力士がたくさんいたそう。タニマチが大名だったというわけね。それで権威を示すのに大名たちはこぞって強い力士を抱えたそう。ということは、古くは奉納されるものでもあった相撲に権力争いが持ち込まれるわけで、それに相撲部屋自体が翻弄されたりしたそう。ほんとよく時代考証してるなーとまたまた感心。一見ひ弱そうな関取とものすごく強い関取の一番は手に汗握る攻防で、いまの相撲見てるよりよっぽど面白い。

今作品は3編でこの「餅屋問答」、忠臣蔵の討った側/討たれた側の子孫がひょんなことで関わりになり大騒動を起こす「なんきん忠臣蔵」、そして前作にも登場した釣り名人の孫三平が鯉で儲けようとして騒動に巻き込まれる「鯉のゆくえ」。いずれも大坂の様子をよく知らせてくれて面白い。現在とは違うもっとほのぼのとしてでも勢いのある街の様子が伝わってきて、大坂ってええとこやなーと思ったり。いつかこれらの作品のいくつかを現在の場所で現代劇でやったらおもしろそうなのになーとか思う。ブラタモリとコラボしたりしたら面白そう、かな(?)^^;

お奉行さんの食いっぷりはほんと気持ちいいけれど、役者にやらせるとしたら誰だろうなー、とか配役想像するのもまた楽し。

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