「エピメテウスの眼鏡」

20180128-1

先週末に3日間上演された劇団レトルト内閣第27回本公演「エピメテウスの眼鏡」、無事6公演とも盛況に終えられました。おかげさまでどの回も満員で本当に嬉しかったです。いらしてくださったみなさん、ありがとうございました。どんな感想持たれたのか聞いてみたいです。

昨年春先の同劇団の「オフィス座の怪人」以来の楽団としての参加でした。楽団は前回と同じく、原口裕司(Ds)、菱沼カンタ(Gt)、井上歩(B)、僕の4人だったので、稽古前の曲のデモレコーディングやら曲作りぐらいからスムーズでした。そしてこの4人の楽屋は笑いが絶えません、なんかウマがあうというのでしょうかw

ぼくたちの稽古への参加は12月からで、本格的に参加しだしたのは今月からでした。曲はわかっていても(でもこれも演出でどんどん変わっていく)、お芝居との絡みであるとか、台本上に指定されている曲以外の演奏のシーン(不穏な、とかいろいろシーンによってつけてほしい音のリクエストが台本で指示されている)などは本番直前ぐらいになってからの稽古での練習だったので、実際通し稽古をするまでは実際必要な音はどんな感じなのかというのはなかなか決まらなかったです。

本番2日前に今回の舞台となった梅田のHEP HALLに入って準備して、場当たりをさんざんやって役者さんたちの演技に合わせているうちにバンドもどうしたらいいのか、どんな音が必要なのか、雰囲気はどんなものかなどがわかってくるので、シーンごとにバンドの中でも演出上でも意見を出しあって変えていったり、お互いの息もわかってきたりして、お芝居の形がむくむくと出来上がっていくのは非常に楽しい作業でした。長時間の稽古はなかなか神経も体力もすり減りますが、いい芝居にするためにはなんのそのです。

そして迎えた初日。今回ぼくは個人的には一番緊張はしなかったように思います。というのもあまり僕がきっかけ作りをするようなところが少なかったというのもありますが、楽団の結束力が素晴らしかったからじゃないかと思います。そして何より役者さんが素晴らしかったです。初回からものすごいクオリティで芝居を作り上げていっていました。本番になって芝居に音楽がうまくマッチするというか寄り添うようにできるようになった感じがしました。会を重ねるごとに、ああ、このシーンはこういう音がいいなと気づいたり、この役者さんの心情はこういう音にしよう、とか、勝手に心のなかでテーマを決めたり。結局千秋楽ではかなり理想に近い感じになったんじゃないかと思います。もし複数公演ご覧になった方がいらっしゃったら、印象が変わったかどうかも聞いてみたいところです。

しかし本当に役者さんてものすごいなあと思います。何もないところに身一つで話を浮かび上がらせtられるのですし。同じセリフでも言い方一つ、身のこなしひとつでその役柄のキャラクターを表したりできるし、毎日違う演技になったりするし、表情、目の輝き、仕草ひとつとっても、毎回同じことをパーフェクトにやるのではなくて、その日その時のその人を演じられるというのはほんとすごいことだなと思います。全部その役柄に見えますし。本番中はじっとお芝居をみることはできないのでこっそり盗み見たりしてたのですが、それだけでもものすごいなあと思っていました。この公演の映像ができるなら、早く見てみたいものです。

というわけで、なんでも始まってしまえば終わるわけで、いまはロスとまでは言わないけれど、少し腑抜けのような状態になって、舞台の断片をかみしめたりしています。緊張感も、長時間の稽古も、演出に悩むことも、うまくいかない時間もいろいろあったけれど、最後に思うのは、楽しかった、また舞台に参加したい、です。

最後にたくさんの観劇いただいたみなさん、今回ご一緒できた素晴らしい役者のみなさん、頼りになるスタッフや劇場のみなさん、すべてのもとになっている劇団レトルト内閣と脚本・演出の三名さん、本当にありがとうございました&お疲れ様でした!またお会いできたら、と思います。

劇団レトルト内閣 第27回本公演 / Ho-Me-I-Ku音楽劇
「エピメテウスの眼鏡」
於  梅田 HEP HALL

【脚本/演出/音楽】 三名刺繍
【出演】 福田恵 / 川内信弥 / たはらもえ
向田倫子(ババロワーズ)  / 若木志帆 / 川添公二(テノヒラサイズ)
亀山貴也 / 鈴木洋平 / 佐藤都輝子(劇団とっても便利)
奥田さぶりな美樹てぃー(IsLand☆12) / 古橋定子 / 佐藤みか(crashrush) / 宮本リュウジ
飯嶋松之助(KING&HEAVY) / 森口稜 / 今西由夏 / 酒井未波 / 伊藤卯咲
【楽団】 武井努(sax)、菱沼カンタ(gt)、井上歩(b)、原口裕司(ds)

20180128-3

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