東へ、北へ。

今月はアンサンブル・シッポリィのレコ発ツアーもあって、週末毎に関西を離れてあちこちいく機会にめぐまれました。その中で先々週は本当に久しぶりに東京へ、そして先週末はこれまた久しぶりに札幌に参りました。どちらの滞在もとても楽しく有意義な日々でした。本当に楽しくいろいろいい演奏できたのでその気持ちを少し書き残して。

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東京は2/16-18と3日間。初日は初めましての神楽坂u-ma kagurazakaで敬愛するサックスの津上研太さんと。そして研太さんに紹介してもらってギターの加藤一平さん、ベースの伊地知大輔さんと。研太さんはほんといつ一緒に並んで吹いても、そうなのか!とか、それでいいんだ!とかいろいろ気づきを与えてくれます。なんというのでしょうか、あの精神性。音楽の広さやなんたるかというものを音で伝えてくれている気がします。同じサックスだから尚更そう思うのかもしれません。若手二人もとても音楽的で素晴らしかったです。加藤さんはほんと面白すぎです。まさにキレッキレというのは彼のような演奏をいうのでしょうね。

そして2日目はシッポリィで本拠地のようになっている下北沢のアポロへ。ここはなんか落ち着くというか、あのアングラ感に安心感を感じるのです、不思議。東京最初ということもあってたくさんの方に聞いてもらえて嬉しかったです。ツアーを重ねてきてバンドもよりバンドらしく、演奏も音楽もすごく面白く発展してきてます。

3日目は二本立てで。昨日のアングラ感から一変して、お昼の太陽がサンサンと降り注ぐ堀切菖蒲園のカフェ・aire amenoでシッポリィ。気持ちよく響く空間で、しかもお昼となると演奏も自然に変化するのが面白かったです。打楽器で白石さんがシットインしてのセッションも楽しかったし、何よりここでもたくさんの、しかも初めましてのお客さんに聞いていただけて嬉しかったです。

そして東京でのラストは、西早稲田のバー・諏訪金属(スワキン)

戻りますが、2日目はお昼間時間があったので、国立近代美術館で開催中の熊谷守一展にいってきました。また帰る当日も時間があったので、国立新美術館で開催始まったばかりの至高の印象派展にいってきました。どちらも素晴らしかったです。東京って美術館やそれに類する施設が多いのがほんと羨ましいです。これらについてはまた別途。

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札幌は2/24-25と2日間。ちょうど2年ぶりの来札。先週ぐらいまでだいぶ雪が降ってたようですが、新千歳におりるころ外を見てみるとそんなに雪が多くない印象。実際札幌市内も、もちろんすごく丁寧に雪かきされているせいもあるとおもいますが、雪が少ない印象でした。何日か降ってなくて、しかも少し暖かかったようです。しかし、これが関西人にとっては悲劇(?)。踏み固めらたり、すこし溶け出した雪が寒さで凍って、雪がかかれていない道はことごとくアイスバーンというか、アイスリンクのようになってて、コケないようにするのに必死でした^^;

で、1日目は老舗くぅにてピアニスト南山雅樹さんとのセッション。ベースの柳真也さんとは初めまして。今回えらい面白キャラだったドラマー舘山さんとのカルテット。ほとんどぼくの曲ばっかり演奏したけれど、すごくいい演奏になったし、たくさんの方に聞いていただけてとても嬉しかったです。なんていうかライブ自体の時間的世界が出来上がったという感じでした。やっぱり南山さんがいろんな色彩つけてくれるのですよね。猫好きがおおく、ライブ終わってからもお客さんも交えてしばし猫談義で盛り上がったり、スケートネタで盛り上がったり、楽しい夜でした。そして店をハケてから南山さんとSlow Boatに移動して、すごく久しぶりにボーカル玉川健一郎さんに再開。嬉しかったなあ。お店には演奏おえたミュージシャンもいたし、そのあともつぎつぎといろんな人がきて、深夜セッションも。昔のドンショップ思い出しました。こういう場所があっていろんな人が交流したり切磋琢磨できるんですよね。いま関西にはあまりないのでとても羨ましかったです。

そして2日目はBUDDY BUDDYでジャズ鍋。ぼくは3回目の参加になるこのイベント。いつも賑やかで美味しくて楽しいです。やっぱりバディいいお店ですね。雰囲気ももちろんだけど、そこにいる人、集う人がとてもいい。美味しい鍋を食べたり、演奏を聞いてもらったり。最後にはすごくまったりした雰囲気になって、まるで誰かの家のリビングでくつろいでいるようでした。こういう風になるのもこの店ならではかなと思います。終わってから僕らも鍋とお酒をたっぷりいただいて、幸せな夜でした。

ほんと札幌ではいろんな人に再会できて、それが一番嬉しかったです。

札幌でも2日目の昼間に道立近代美術館で開催中だった、棟方志功展にいきました。去年大阪でもいきましたが、ちがうものもいろいろ出展されていたり、すごく珍しいこともあって、行けてよかったです。ほんと旅先で好きな人の作品に触れられるというのは、貴重で嬉しいことです。これもまた別途。

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というわけで、あちこち移動も一旦落ち着きました。重ね重ね、あちこちで出会えた皆さんに感謝です。そして協力してくださったみなさんに感謝です。一緒に音を紡げたメンバーにも感謝です。この一連のたくさんの演奏で、ますます音楽が好きになりました。ほんといろいろ、いろんな音楽があっていいんだと思います。この気持ちがあれば明日も生きていけます。

またあちこち行きますので、みなさんまたお会いしましょう!

(写真は高木さん、白根さん、寺下さん、まゆみさんから拝借しました)

熊谷守一展

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先日東京滞在中に、熊谷守一「生きるよろこび」展に行ってきました。最近出先で時間があればなるべく美術館などに足を運びたいと思っています。もちろん常設しているものもですが、特別展や巡回している美術展などあれば見て触れてみたいです。よっぽどでないと同じ絵を二度見ることはできないですしね。

熊谷さんは紹介されるまでは全然しらなかったですが、中期以降に見られる赤い線で縁取られたタイプの絵は見たことがあるような気がしました。写真でよく紹介される長い白ひげの仙人風の飄々としたおじいちゃんというイメージですが、初期の作品から見ていくと、ものすごく深い思慮と科学的な洞察をもとに絵を描いているんだなと感じました。

晩年の絵はとても好み。単純化するということは本質を捉えるということだ。暗い色を使わなくとも並べた色の対比で陰影は描ける。なるほど見ていると一瞬え?!という色使いも自然に見えてくる。猫もよかったけど、蟻とかカエルもよかったな。

そんな中衝撃だったのは、割と初期の作品である「陽の死んだ日」愛娘のひとりが幼くして亡くなった日に彼女が遺せるものとして描きだして、その描いている自分が嫌になって途中でやめた、と言われる絵で、30分ほどで描いたそう。

構図や意図やその他じっくり考えて筆を積み、時間かけて描かれる西洋画を、ああも衝動的に描いている、その野生的な荒々しさに魅せられてしまった。音楽にすごく近いものを感じた。

そしてショップでダメだダメだと思いつついろいろ買ってしまう。ピンバッチなんて格好の獲物じゃん。どの服につけよかな。で、荷物多くてしんどいのに図録も買ってしまった。帰り大丈夫かな^^; 

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伊坂幸太郎 – ジャイロスコープ

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伊坂さんの短編集。デビュー15年を記念した文庫のオリジナルの短編集。あちこちに書いた短編を(でもそれらもなんだか関係ありそうな感じもしたり)あつめ、書き下ろしを一編。オムニバス映画を見ているようで、話ごとに状況やテイストが違っていて、面白く読めた。

とある知らない街で相談屋と名乗る男に声をかけられる「浜田青年ホントスカ」、謎の巨大生物が存在して街が破壊されたらしい「ギア」、どこか文学的な不思議な世界が描かれる「二月下旬から三月上旬」、後悔ばかりしてしまう男がバスジャックに出会う「if」、一年に一度その日のために全てを準備し注ぎ込むあの方達の会社があったら、、、「一人では無理がある」、丁寧にやれることをできるだけするがモットー「彗星さんたち」、そしてこれらの短編をつなげる受け皿として書き下ろされた「後ろの声がうるさい」。どれも素敵だな。

「一人では無理がある」は伊坂さんぽいなーと思う素敵なお話。「彗星さんたち」も好きだな。文章もだけれど描かれている新幹線の掃除する方々が素敵だなと。たまにでてくる、登場人物が読んだ本から引用する格言のようなもの(今回はパウエル長官の本ということだった)がいちいち「いいな」とか思えるところも(余談だけど、こういういの描かれると、その本読みたくなるのよねえ)。そして書き下ろし「後ろの声がうるさい」は短くてもほろりとするロマンチックな話だった。やっぱり伊坂さんいいな。

そして伊坂さん作品をいろいろ読んでて今更気づいたけど、本のタイトルって邦題(というのか?)と英語のタイトルついてるのね。ちなみにこのジャイロスコープは「a present」、なるほどなーという感じ。他のも見てみよう。英語の方が本のイメージわかりよいかも。だからどうだって話だけど^^;

新潮文庫 2015

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石田衣良 – カンタ

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久しぶりに石田さん。あるとき小学生の耀司が団地に越してくる。そのとなりの部屋にいたのは、すこし変わった同い年の少年・カンタだった。耀司は容姿もよく、頭の回転もいい秀才。そしてカンタはいまでいうところの発達障害、興味あることはいつまででも続けられ、数字にはものすごく強い。そしてその二人を見守る美少女・姫菜。水商売の母をもつ耀司はやがてカンタの家に入り浸るようになり、兄弟のように育つ。しかしカンタの母はある日倒れ、やがてなくなってしまう。そのときカンタの母から耀司は「カンタを助けてやってくれ」と頼まれ、カンタは「いざというときは耀司を守りなさい」と約束させられる。

そのまま兄弟のように育つ二人。小中は同じだったが、高校になって別々になるが、カンタは耀司のところにもどってくる。ある事件から耀司は自分たちが自立して自由になるにはたくさんのお金が必要なのだと思いつく。やがて二人してバイトをして金をため、それを元に投資を始めすこしずつ金を殖やしていく。しかし耀司はそれでは満足しなかった。何か起業するのだ、その強い思いがある日まだだれも見つけていなかった金脈 – 新しい事業を思いつく。それはケータイのゲームサイトだった。。。。

ケータイのゲーム会社が大成功し、若くして時代の寵児になった二人だったが、時代の変わり目においてまだ誰も経験したことのないものを生み出したものは、古い世代から敵視されてしまう。世代交代を恐れる旧世代は、いままでの常識にとらわれない若者たちを蹴落とそうと、廃城しようと狙う。すこし様子は違うけれど、この辺りの物語の動きをみてて頭に浮かんだのはホリエモンこと堀江貴文氏だった。ほんと彼をモデルにしたんじゃないかなーと思うほど。でも本はだいぶ後に書かれてる。とおもってたら、解説はその堀江氏だった。おもしろいw

2人+1人の幼いときからつづく友情の物語、そして成長の物語として読んでもいいし、いわゆる成り上がり話としてもおもしろい。ほんといいなあと思うのは二人の友情が固く、ずっとつづいていくところ。それはカンタの母が亡くなるときに二人にしたお願いと約束だったこと。原点が団地っていうのも自分の昔に重なって懐かしい思いするところもあるのかな。

スーッと読める物語だった。石田さんにしてはあまり陰ないし、済ましてもなく、いい印象。

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至上の印象派展

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月曜は休館じゃなかった国立新美術館「至上の印象派展」鑑賞。ビュールレさんの印象派を中心としたコレクション64点。比較的空いてた。ルノアールの可愛いイレーヌは大人気だったけど、ゴッホの肖像画や種まく人、ドガ、モネを間近で心ゆくまで鑑賞できて嬉しい。

緻密に最高の技術で描かれるものも好きだけど、やはり大胆に描かれたものが好きかな。ビュールレさんいうようにコレクションをある時代やジャンルの集合で観ることにより、絵画や時代の変遷が感じられる。写実から印象へ、現実の分解を見ていくとヴラマンクが赤で描いた木も普通に見えてくる。

ドガ好きだな。あのヒョロヒョロとした線が。ゴッホが実は10年程しか画業の期間がないって初めて知った。ミレーに敬意を示したという二人の農婦、なんか愛を感じた。寂しい人だったんだろうなと勝手に思ったり。

セザンヌの最晩年の庭師ヴァリエ、太い筆遣いで確信に満ちてて、でも優しさあって、最後の力と優しさを最大限に出しているような。モネのウォータールー橋、睡蓮、どれもいいな。そしていい意味で異彩を放つピカソがいいアクセント。いい展覧会これて嬉しい。またより絵が好きになった。

そして荷物多いのわかってるのにまら図録買ってしまった^^; でも今回の一点一点細かい解説記載されてるのと、ヨーロッパや絵画の歴史に触れてるのでじっくり読みたくて。

セザンヌの最晩年の庭師ヴァリエ、太い筆遣いで確信に満ちてて、でも優しさあって、最後の力と優しさを最大限に出しているような。モネのウォータールー橋、睡蓮、どれもいいな。そしていい意味で異彩を放つピカソがいいアクセント。いい展覧会これて嬉しい。またより絵が好きになった。

そして荷物多いのわかってるのにまた図録買ってしまった^^; 今回の図録は一点一点細かい解説記載してるのと、その絵やヨーロッパの歴史に触れてて、それをじっくり読みたくて。背景を知らないとなぜその絵がそう評価されたり、どこが新しかったのかとか分かんないし。あまりにも知らなさすぎることを改めて思い知った。でもこれは音楽も同じ。

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モネの睡蓮だけ撮影可だった♪

紅介さんと再び

withBenisuke

すこし時間があいてしまいましたが、先日のベーシスト坂井紅介さんとの2days、いらしてくださった皆さん、本当にありがとうございました!

昨年初めてご一緒して素晴らしく深く音楽的だったなという強い印象を持ちましたが、今回はそれに加えもっと自由に楽しめたなと思えました。さすがにいろいろ緊張することもあったのですが、それを忘れさせてくれる紅介さんのお人柄と演奏に、今回もいろいろ鼓舞させてもらいました。簡単にいうと、本当に自由でした。

もちろん演奏の技術云々ということはとても大事ですが、それ以上にこういう少ない人数で演奏するときの、コミュニケーションのしかた、アイデアの提示、そしてクスリとさせられるウィット、楽器という枠を越えた”音を出す”という行為に対する貪欲さ、などなど、一緒に演奏しながら、これこれこういう風にやったら面白いよ、と、またたくさん教えて頂けたなと思います。

そして初日は山内詩子さんに入ってもらって、彼女も一緒に紅介さんの上で自由に遊ばせてもらい、創徳庵のあの空間に消え入る音を楽しみましたし、二日目の牧知恵子さんとは前回よりもっとざっくばらんに、貪欲に、演奏を楽しめたとおもいます。ほんと二日とも素晴らしい夜でした。

再びこういう機会が与えられて、その貴重な時間を一緒に楽しんでくださった皆さん、お店のみなさん、牧さん、詩子さん、そして紅介さん、ありがとうございました。またこの素敵な機会が訪れるのを楽しみにしております!

(photo by k.kishida)

池井戸潤 – 銀行仕置人

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池井戸さんの銀行話の本もいくつか読んできたけれど、なかなか飽きさせないのはさすがだなあ。メガバンクという巨大で、一人の人間では動かしがたい大きな組織。渋っていたのに稟議を通してしまったばっかりにその結果焦げ付いた融資の責任を取らされた主人公・黒部。彼は「座敷牢」というところに追い込まれるが、そこで出会った人物に、このメガバンク内の不正を暴くという影の仕事が舞い込む。。。

表側から見ているとちっともわからない(あんまり用事ないし)銀行。株式もそうだけれど、お金のやりとり、とくに融資というのは、本来その会社なり組織に対して応援するものであったはずなのに、今やそれはたんなる投資、金が金を産むという形でしか成り立たないものになってしまっているように見える。そこに義もへったくれもない。そして、そんな巨額の金を動かす影に銀行と他との人間的な癒着があり、、、本当にこの池井戸さん描くような事件があるのかどうかわからないけれど。明るみにでないのも、こういう大きな組織ならではかもしれない。

銀行員といえ、金を扱っている以上、組織は揺るがなくとも、個人としては弱いもの。大きな陰謀に一銀行員がどう立ち向かっていくのか、、、ちょっとハリウッド映画のネタになりそうなお話。

双葉社文庫 2008

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田中啓文 – 落語少年サダキチ

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いつだったか田中さんが「落語少年の本だすで」と言っておられて、どんな本だろうと楽しみにしていたこの本。一応子供向けってことになっているけれど、落語(とそこに含まれる文化的なもの)の魅力を存分に伝えているという点では、大人が入門書(?)として読んでもいいんじゃないかと思う。実際これ読んだら落語を聞きたくなりました。とくにこの物語にキーとなっている「平林」というネタ、聴いたことないので。もちろん寄席で生で聞きたいです。

物語は小学生の主人公・忠志がひょんなことで出会って、一隻落語を聴かせてもらい、大笑いすることから落語に興味をもって、、、という話だけれど、やもすれば古臭い昔話でよくわからん、と言われがちなところを、この「平林」というどの時代で聞いても楽しめる仕掛けのある落語を題材にして、誰もが経験した小学校時代のあの懐かしい感じや、鍋奉行シリーズでもいつも感心する見事な時代考証(というかどこで調べてるんだろう)を伴って、落語の世界をうまくいまの話のように感じて面白く読めるようにつくってあって見事。桂九雀さんの面白い解説もあって、この本で確実にとくに子供の落語の裾野を広げたんじゃないかな。ほんと素晴らしいと思う。そう長くないお話なので(これも児童書ということを鑑みてだろう)すっと読めて楽しいです。落語に興味ある人ぜひ。

朝倉世界一さんの絵もロマンチック(という書き方おかしいかもだけど)でいいし(女の子の絵が好きなのです)、写植さん(っているの?)がいろいろ工夫しただろう字が飛んでる感じも楽しい。

そして主人公がどんどん田中さんに重なっていってしまう。田中さんこんな子供でこんな子供時代だったんじゃないかなあとか想像したり。田中さんはぼくの身の回りでは「サダキチ」と呼ばれてますからねw

福音館書店 2016

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リフェイス考

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昨日長年使ってたマウスピース(リンクのラバータイプ)とずっとほったらかしにしていたマウスピース(ずっと昔にギターの内橋さんに交換してもらったリンクメタル)をリフェイスにだしていたのが、完成して戻ってきました。

両者とも一度試しにやってもらったのですがそのときは、もうすこし感じをかえてもらいたいとおもったのでリトライすることにしたのですが、今回はばっちりでした。嬉しい。いい仕事してもらいました。

メタルのほうはまだ合うリードがないので完全に試せてませんが、ラバーのほうは、吹き心地よく、エネルギーの伝導がよく(手に伝わる楽器の振動が気持ちいい)、何より音色が好みで、以前に比べてすごく変化したのですが、いい意味でフレッシュになりました。いい音色と吹きやすさの絶妙のバランスです。リフェイサーはSERICさんです。
SERIC マウスピースリフェイス工房〜 削屋本舗 〜
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昨今楽器の重量化にともないマウスピースもより鳴る(音のパワーの出やすい)タイプのものが主流になってきつつあるように思いますが、ぼくは古いタイプの楽器を好んで吹く人間なので、マウスピースについてはまずは音色、そして吹き心地や吹きやすさを求め、そこまでパワーは求めない(そのへんは人間が調整するとこ)し、パワーというか鳴りやすさを求めると音色をすこし損なう方向にいくと思っているので、普段から古いリンクタイプのものを好んで使っています。

新しく作られるマウスピースで好みに合うものがあればバッチリなのですが、なかなか出会わないため、気に入ってるものを長く使うことになり、それらはすこしずつ磨耗していきます。毎日吹いていると気づかないですが、実はすこしずつ吹奏感は変化していってます。もちろん馴染んで良い変化も生むときもありますが、年月が経つと部分的に削れたり、テーブルが歪んだりして、それが吹きにくさの原因になっていくようです。

そこで買い替えもしくはリフェイスの出番となるわけですが、リフェイスはたぶん単純に考えるとメーカーが理想とする形に戻してやればいいじゃん、ということになりますが、奏者の好みがあるのでそう簡単にはいかず、相談しながら(理想的には対面してやれるといい)ゴールを目指す必要があります。

しかし吹き心地や音色など主観的なことはなかなか言葉で伝えにくい(奏者・リフェイサーとも共通の感覚や言葉で捉えにくい)です。なのでリフェイスを少しずつやりながら、吹いてはリトライを繰り返し、奏者とリフェイサーの間で好みや感覚や言葉で説明するときの加減なんかを理解しあう必要があります。またトライするうちにリフェイサーがより奏者に好ましいと思える傾向を発見したりできるようなのです。そして今回はそれがバッチリいきました。

今回感じたのはリフェイスをうまくいかせるためには、自分の理想をなんとかしてリフェイサーに伝える努力を惜しまないことが大事、ということです。当たり前なのですけどね。単に”モノの修繕を頼む”という感覚じゃなく、”お医者さんに病気を治してもらう”という感覚で臨んだほうがいいんじゃないかと思います。なんとか治してもらいたくて、痛みを理解してもらいたくて言葉を重ねるじゃないですか。

リフェイスは無限にできるわけじゃない(削っていくわけですから)ので、大事なマウスピースを削るのはすごく勇気のいる判断ですが、丁寧にリフェイスしてもらえるなら(そこには依頼側の努力も多少必要ですが)、磨耗してお蔵入りしてしまうようなマウスピースや、最近なんか吹きにくくなったなーと思うときには相談してみるのがいいと思います。

ただリフェイスはもちろん最終的にはリフェイサーの主観的な部分が大きいので、リフェイスを依頼するときには、そのリフェイサーさんの好みを知る必要もあると思います。

以上愚考でした。

2018.2月のスケジュール

<table style="border-style: none;" width="100%">
<tbody>
<tr>
<td>&lt;&nbsp;<a href="http://tsutomutakei.jp/schedule/2018-1/">2018.1</a></td>
<td id="" dir="" lang="" scope="" align="right" valign=""><a href="http://tsutomutakei.jp/schedule/2018-3/">2018.3</a> &gt;</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/201802.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/201802.jpg" alt="201802" width="570" height="851" class="aligncenter wp-image-9023"></a>

※先の予定は随時変更されることがあります。
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2/2(Fri) Ensamble Shippolly
■ 1st Album 「Very Shippolly」レコ発ツアー
名古屋 今池 <a href="http://valentinedrive.com/" target="_blank">Valentine Drive</a> 052-733-3365
open 18:30 / start 19:30 \3,000
[メ] 西島芳(piano/voice)、武井努(cl,ss,ts,fl)、中山雄貴(tb)、有本羅人(tp,bcl)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802-212×300.jpg" alt="shippolly-rectour201802" width="212" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-9013"></a>
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/3(Sat) Ensamble Shippolly
■ 1st Album 「Very Shippolly」レコ発ツアー
愛知 吉良 <a href="http://www.jazz-intelsat.com/" target="_blank">Jazz Club intelsat</a> 0563-35-0972
open 19:00 / start 20:00
予\3,000 / 当\3,500
[メ] 西島芳(piano/voice)、武井努(cl,ss,ts,fl)、中山雄貴(tb)、有本羅人(tp,bcl)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802-212×300.jpg" alt="shippolly-rectour201802" width="212" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-9013"></a>
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/4(Sun) Ensamble Shippolly
■ 1st Album 「Very Shippolly」レコ発ツアー
岐阜 <a href="http://ghost-v.com" target="_blank">Gorst V.</a> 080-4545-4823
open 14:30 / start 15:00
前\2,500 / 当\3,000
[メ] 西島芳(piano/voice)、武井努(cl,ss,ts,fl)、中山雄貴(tb)、有本羅人(tp,bcl)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802-212×300.jpg" alt="shippolly-rectour201802" width="212" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-9013"></a>
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/5(Mon) Ensamble Shippolly
■ 1st Album 「Very Shippolly」レコ発ツアー
大阪 大正 <a href="http://www.tbone.jp/" target="_blank">studio T-BONE</a> 080-4028-1928(有本)
open 19:30 / start 20:00
予\2,500 / 当\3,000 +ドリンクオーダー
フード : アンクル・アントの農園で採れた有機野菜のおばんざいあり
[メ] 西島芳(piano/voice)、武井努(cl,ss,ts,fl)、中山雄貴(tb)、有本羅人(tp,bcl)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802-212×300.jpg" alt="shippolly-rectour201802" width="212" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-9013"></a>
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/8(Thu) たけタケ
神戸 三宮 <a href="http://www.geocities.jp/kbigapple/" target="_blank">Big Apple</a> 078-251-7049
19:30- 前\2,300 / 当\2,500
[メ] 清水武志(Pf)、武井努(Sax)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/9(Fri) ジモティーズ
西宮 <a href="http://www.three-codes.com/" target="_blank">Three Codes</a> 0798-55-5184
19:30- \2,000
[メ] 武井努(Sax)、中川健(Gt)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/10(Sat) 中島教秀・武井DUO
兵庫 尼崎&nbsp;<a href="http://jammer-jazz.com/" target="_blank">JAMMER</a>&nbsp;06-7177-7501
20:00- カンパ制
[メ]中島教秀(B)、武井努(Sax)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/13(Tue) 坂井紅介・武井DUO
大阪 中崎町 <a href="http://soutokuann.com" target="_blank">創徳庵</a> 080-1476-1934
19:30- 前\3,500 / 当\4,000
[メ] 坂井紅介(B)、武井努(Sax) ゲスト:山内詩子(Vo)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/14(Wed) 坂井紅介・武井・牧
神戸 摂津本山 <a href="http://www.bornfree-kobe.com" target="_blank">Born Free</a> 078-441-7796
19:30- 前\3,500 / 当\4,000
[メ] 坂井紅介(B)、武井努(Sax)、牧知恵子(Pf)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/15(Thu) E.D.F.
大阪 梅田 <a href="http://azul-umeda.com" target="_blank">Azul Terrace</a> 06-6373-0220
19:30- \2,500
[メ]清水武志(Pf)、西川サトシ(B)、光田じん(Ds)、田中洋一(Tp)、武井努(Sax)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/16(Fri) 津上・武井
東京 神楽坂 <a href="https://www.u-makagurazaka.com" target="_blank">u-ma kagurazaka</a> 03-5946-8765
19:00- \2,500 + 1order
[メ] 津上研太(Sax)、武井努(Sax)、加藤一平(Gt)、伊地知大輔(B)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/17(Sat) Ensamble Shippolly
■ 1st Album 「Very Shippolly」レコ発ツアー
東京 下北沢 <a href="http://ameblo.jp/430416apollo/">アポロ</a> 090-2906-8082
Open 19:30 / Start 20:00
\2,500 + Drink Order
[メ] 西島芳(piano/voice)、武井努(cl,ss,ts,fl)、中山雄貴(tb)、有本羅人(tp,bcl)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802-212×300.jpg" alt="shippolly-rectour201802" width="212" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-9013"></a>
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/18(Sun) Ensamble Shippolly
■ 1st Album 「Very Shippolly」レコ発ツアー
東京 堀切菖蒲園 <a href="http://aire-ameno.wixsite.com/aire-ameno" target="_blank">aire ameno</a> 03-3697-3521
start 14:00 \3,000 + 1order
[メ] 西島芳(piano/voice)、武井努(cl,ss,ts,fl)、中山雄貴(tb)、有本羅人(tp,bcl)
※ライブ開演までのお時間、併設のカフェにてランチやお茶などお楽しみいただけます

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802-212×300.jpg" alt="shippolly-rectour201802" width="212" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-9013"></a>
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2/18(Sun) THE 3 E
東京 西早稲田 <a href="http://suwakin.com" target="_blank">諏訪金属</a> 03-3209-7169
20:00- チップ制
[メ] 武井努(Sax)、小前賢吾(Ds)、古谷悠(B)
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2/21(Wed) MITCH(Tp, Vo) ALL STARS
大阪 梅田 <a href="http://www.newsuntory5.jp/" target="_blank">ニューサントリー5</a> 06-6312-8912
19:30- \1,800
[メ] MITCH(Tp,Vo)、武井努(Sax)、永田充康(Ds)、杉山悟史(Pf)、光岡尚紀(B)
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2/22(Thu) 西村友香里・武井努
滋賀 草津 <a href="http://jazzbar-coltrane.com/" target="_blank">Jazz &amp; Bar Coltrane</a> 077-569-5854
20:00- 4,000 (w/1 drink)
[メ] 武井努(Ts)、西村有香里(Ts)、小野麻美(Pf)、有福珍(B)、西野滉平(Ds)
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2/23(Fri) E.D.F.
大阪 桃谷 <a href="http://www.ms-hall.com/" target="_blank">M’s Hall</a> 06-6771-2541
20:00- \1,800
[メ] 清水武志(Pf)、武井努(Sax)、田中洋一(Tp)、西川サトシ(B)、光田じん(Ds)
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2/24(Sat) 武井4
北海道 札幌 <a href="http://www.sapporo-coo.com/" target="_blank">くぅ</a> 011-218-1656 (南1条西20)
19:00 予\2,300円 / 当2,800 +飲物代\500
[メ] 武井努(Sax)、南山雅樹(Pf)、柳真也(b)、舘山健二(ds)
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2/25(Sun) JAZZ鍋Joint Vol 4 at BUDDYBUDDY
北海道 札幌 <a href="http://buddybuddyjp.com" target="_blank">BUDDY BUDDY</a> 011-271-8882 (北2条東1)
Open 17:00 / 鍋 Start 19:00 / Live Start 19:30
\3,500 (with 1Drink) *小学生以下無料
*自家製ポン酢と厳選野菜!!2種つみれの白湯生姜鍋
*たっぷり海鮮づくし!! 〆の絶品チーズパスタつき 海鮮シャンパン鍋 (予約制)Charge+\500
その他、当日限りの特製味噌だれおでんアリ!日本酒、焼酎アリ!鍋も無くなるまで食べ放題ですので、お早めに来てたっぷり鍋とジャズをお楽しみください!
[メ] 武井努(Sax)、南山雅樹(Pf)、北垣響(b)、舘山健二(ds)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/20180225.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/20180225-300×153.jpg" alt="20180225" width="300" height="153" class="alignnone size-medium wp-image-9014"></a>
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2/26(Mon) たけうまDUO
寝屋川 萱島 <a href="https://tabelog.com/osaka/A2707/A270702/27065263/" target="_blank">アナンカフェ</a> 072-823-5852
20:00- \2,000
[メ] 武井努(Sax)、馬田さとし(Gt)
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">
2/27(Tue) 牧川4
堺&nbsp;<a href="http://music.geocities.jp/hotstationmusic/houseofjazz.html" target="_blank">HOUSE OF JAZZ</a>&nbsp;0722-27-9886
20:00- \2,500
[メ] 牧川義之(Ds)、馬田さとし(Gt)、武井努(Sax)、時安吉宏(B)
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2/28(水) Ensamble Shippolly
■ 1st Album 「Very Shippolly」レコ発ツアー
神戸 三宮 <a href="http://www.100ban.jp/studio/hall.html" target="_blank">100BAN HALL</a> 078-331-1728 (平日10時~16時)
open 18:30 / start 19:30 \3,000 1drink付
[メ] 西島芳(piano/voice)、武井努(cl,ss,ts,fl)、中山雄貴(tb)、有本羅人(tp,bcl)

<a href="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802.jpg"><img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/shippolly-rectour201802-212×300.jpg" alt="shippolly-rectour201802" width="212" height="300" class="alignnone size-medium wp-image-9013"></a>
<img src="http://tsutomutakei.jp/wp-content/uploads/line.jpg" alt="line" width="550" height="1">