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花村萬月 – ワルツ

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ずいぶん前に読んだので備忘録的に。

戦後すぐ、占領下の東京が舞台。特攻隊に選ばれた方死に損なった男・城山。朝鮮人である自分を隠し自分が何者であるか悩み強くなりたいと願う男・林。そして疎開先から単身流れてきた天涯孤独の美女・百合子。彼らがその怒涛の時代に出会い、惹かれあい、憎しみあい、また交わっていく。三人の人生がからまる様子を踊るワルツにたとえて。

現在の個人主義がすっかり台頭してしまった世では、戦前戦後のような、たとえそれが間違っていたとしても貫く義であったり礼であったり、そんなものはよしともされないし、思い出しもされない。でも人と人との間には憎しみであっても愛情であっても義理であってもたしかに熱いものがあふれていて、そうして人間は生きてきた。どこかに死に場所を求めるにしろ、この世で成り上がっていくにしろ、何かと戦うにしろ。

物語の三人が運命に翻弄されながらも一生懸命に生きていく姿、それがうまくいったりいかなかったり、いろいろあっても、そういう姿と意思に心打たれる。熱くなる。正しいとか正しくないとかじゃなくて、どう生きていくかを悩んで一生懸命に生きる姿に。ほとんど任侠物語みたいなところあるけれど、芯の部分は人間の物語。

戦後のどさくさあたりの雰囲気が、生々しく感じられるのもいいなあと思う作品だった。

角川文庫 2008

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