バリ島珍道中

最近昔の映画とかをほんと破格で売っているなぁ。なんてったて「バリ島」だし、ビング・クロスビーにハンフリー・ボガートが出てるんじゃぁ、きっとミュージカル風でオモロイに違いない。でも制作が1952年(だったか)なのがちょっと気になるが・・・・

快調にいかにもミュージカル風にはじまったので期待してみていたが、どんどん雲行きが怪しくなり・・・・、気づくとこれはおしゃれなミュージカル映画というよりB級ギャグ映画なのか?!というノリに。

だって、なんとか美術はバリ風なとこもあるのだけれど、音楽はインド風だし、変身するわ、天に登るわ、大イカでてくるわ(まるで昔の東映特撮のよーな)、人面サルは出てくるわ(これ動物保護団体に訴えられるぎりぎりやし(^^;)、火山は爆発するわー、でもう珍道中というかどたばたしまくりで大笑い。

あー、おもろかった!っておもろかったんかい!<自分

石田衣良 – 娼年

最初、高級売春クラブ(ただし女性向)が舞台のエロ小説かとおもった。でも実は全然違う。これは面白い。

筋はさておき、主人公はつまるところスカウトされて、高級娼夫となっていろんな女性と出会うのだけれど、まず感心したのはそのセックスの描写の巧さ、というか描き方で、完全にエロいのだけれど、いやらしくない。スポーツ新聞とかのああいう小説とは違うのね。ぎりぎりのところで品があるというか、とても現実的なリアルな描写なのに、グロかったり、エロすぎたりしない。あと、男性作家なのだけど、限りなく中性っぽい感じ、女性が書いたものとも多分違う。あくまで男の視点で描かれているからか。

主人公の目を通して、いろんな女性の欲望の形がでてくるのだけれど、それもまた「へー」と目からウロコなこともあったりして、なるほどーとおもったりして。奥深いというか、男って単純だなーとおもったりして。

なんだろ、知らないというか考えたことないことがたくさん描かれているので、すごく興味が湧いたというか、新しいチャンネルができたというか。うまく書けない。いうても大きなひとつの道だとおもって横をみたら、無数のたくさんの道があった、というような感じか?

書いててよくわかんなくなったけれど、とにかく面白くて一日で読んでしまった。でも電車で隣から覗かれたくはないな、恥ずかしいもん。

集英社 2004

石田衣良 - 娼年
石田衣良 – 娼年

吉村明美 – あなたがいれば

ようやく最終巻が出た。やっとこさ読めた。ま、結論はわかってたけれど、よかったよかった。うれしいなぁ。

この吉村さんのマンガ、好き。前に読んだ「薔薇のために」が一番好きだなぁ。なぜ好きかと自問自答すると、どうやら吉村さんの描く女の人が、妙に好きなよう。姿、というか、全体としての感じ(性格も含め、ね)。

あと、あんまり少女チックじゃないから、かな?

小学館 2005

沢木耕太郎 – 檀

作家・壇一雄氏の妻、ヨソ子夫人の視点から描いた壇一雄氏の生涯。沢木さんの作品らしく、夫人の一人称で徹底的に作者の感情を排した形で書かれている。ドキュメントでもなく、ルポタージュでもなく、小説でもなく。でも、読み手がヨソ子夫人本人またはすぐ横で話を聞いてる人になってしまえるぐらいの、自然でかつ深いその物語がぐんぐんせまってくる。一雄氏をしらなくても、名作といわれる「火宅の人」を読んでなくても、それに関係なく楽しめる作品。さすが沢木さん。

物語の内容はその「火宅の人」の裏側というか、実際の生活・人生としての一雄氏の姿を追っていくのだけれど、内容はおいておいて、一雄氏が他界する少し前からの描写(無論夫人が語った内容、口調で)が、ちょっと今のぼくには結構迫ってくるものがあって、読みながら、目を伏せそうだった。悲しいのじゃなくて、今までそんなことはまったく意識せずに生きてきたけれど、自分もそういう立場になる日もそう遠くないのかな?と最近実感するようなことが多いためなのだ。だからそういうシーン、実際にあったことこまかなことが生々しいというか、淡々としているけれど、スゴイ彩り・リアリティある、まるで映像が見えるかのような、そんなシーンは読んでつらかった。ちょっと震えそう。怖い。自分の畏れを外から突きつけられたようで、絶句してしまう。

ま、それはおいておいて(上のは物語上はほんの一部のことだから)、その生涯を追ったあとに、ヨリ子夫人がいろいろ振り返って思う、夫婦の形や愛、そういうものに思いを馳せる章は、時代や背景、作家という特別な人物、そういった要素を取り除いてみても、今の時代の人間にいろいろ諭し、考えさせてくれ内容だと思う。

さて、どう生きるか、か。
沢木耕太郎 - 檀

宮部みゆき – 魔術はささやく

これってだいぶ昔の本だったのねぇ。また古本で買ってきて読んだ。宮部みゆき読むのは初めてかな?

ミステリーだけれど、単純でなくて、この話は奇をてらわないように、うまくプロットされた別の物語、シーン、人物たちが、じんわりと結びついていって、どんどんタネが明かされていくのだけれど、いくつかの大きなテーマがあって、それがまた関連づいてるという、結構複雑な話なのに、あたまがこんがることもなく、すきっと読める、話も夢中になってしまえるぐらい面白い。

きっとすごい才能ある人なんやなーと勝手に想像。

人や社会にあるひずみや暗い部分をうまく拾い上げてるように思う。他の本も読んでみたいな。

新潮社 1993

宮部みゆき - 魔術はささやく
宮部みゆき – 魔術はささやく

ミニミニ大作戦

昔あった映画のリメイク版。といっても話はだいぶ違う(ちょっと途中から見たからはっきりわかってなかったりして・・・(^^;)以前のはミニが大活躍する話で、映像もそれが多かったのだが、今回はミニもあたらしいやつだし、3台だし、あんまり走り回るシーンはなかった、残念。

でも話的にはちょっとどんでん返しっぽいとこもあって、おもしろい。俳優さんもどっかで見たことあるよーな人ばかりで好感がもてた(目だって有名なひとがいないということだ)。輸送車を捕まえるシーンはわくわくする。

東京ゴッドファーザーズ

公開時に観にいきたかったのにいけなかって、やっと見た作品。こう、最近あるアニメ作品の中でも、やたらとSFでなく、かといってぼけぼけ家庭的なものでもなく、なんかちょっと夢ありそうな感じだなーと思ってたので。

イヤミのないストーリーと人物関係の展開がとってもいい具合。普通にありそうで、でもちょっとなさそうなファンタジーちっくなところもいい。何より主人公となる3人(+1)のホームレスが生き生きしててうれしくなってしまう。

とくに目立ったアクションや映像美があるわけでもなく(というと失礼か。結構リアル映画にも迫るカメラアクションがいい)、キャラが派手とかいうわけでもないのに、個々はっきりと性格付けされてて、話はおもしろいし、大げさでないドラマで、いい。

ちょびっと幸せわけてもらった感があって、見てほわんとした。

2003 日本
2003/11/08 公開

刑事 スタスキー & ハッチ

70年代後半にアメリカでテレビシリーズとしてやってた刑事ドラマの焼きなおし映画。なんか見たやつが出てるなーと思ったら、ベン・スティラーだった。相変わらずヘンでオモロイ。

話はなんということはないのだが、時代が70年代なので、そこはかとなくその時代の空気が出てるのが楽しい、BGMとかディスコのシーンとか車とかとか。

サブとして出てくるバリー(だったか?黒人のタレコミ屋)がイカしすぎ。かっこいい。格好もいい。めちゃソウル!うーん、惚れた。あんな格好してみたい。

ニュースの天才

邦題があかんとおもうなぁ。ちょっと内容を誤解しそう。

主人公の追い詰められていくときの姿がスターウォーズ エピソードIIIのアナキンに似てる。ちょっといや。いーーーっとなるわー。

これが、実話だというのだから、世の中わからんよなぁ。

自転車泥棒

第二次大戦敗戦下でのイタリアの町に住む、男と子供が主役で、男がやっとありついたポスター貼りの仕事をするためにとても大事な自転車を盗まれるところから話が始まり、はっきりしないその泥棒を追って町をうろうろする、ある一日を描いた映画。

名画、と呼ばれているのだが、それは何処を指していってるのだろう?

その切実さを、どっちかといえば寡黙な主人公が見事に演じきってるとこか?イタリア人の気質をなんの飾りもなく撮りきってるところか?はたまたその救いようのない話がゆえか。。。。

うーん。

誰か見た人いないー?どんな評価なんだろ?
とにかく久しぶりに「いーーーっ!」となった。「奇人達の晩餐」以来か。あー、いーーーっ!とするー!みんなそう思うのかなぁ。