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いしいしんじ

いしいしんじ – ポーの話

なんのかんのでいろいろ読んできているいしいさん。この物語はだいぶ時間がかかってしまった。うなぎ女と呼ばれる川にすむ黒い女たちの間に生まれたポー。彼は手足の指の間に水かきがあって人とはちょっと違うのかも。大事に育てられたポーは恐ろしいほどに純粋無垢。裕福な人々が住む街と貧乏な人が住む街の間を流れる川に住み、泥の中を自由に泳ぎながら、川に架かるたくさんの橋を眺めたり、陸の音を聞いたり、泥の底に沈むものを拾い上げたり、そんな日々を送っていた。たまには陸にも上がって、何人かの変わった人物にも出会い、無垢な彼はいろんな人生の物事を知っていく。悪とは?本当に大事なものとは?

そんな中大雨が降って街は水浸しになり、それを機会に母なるうなぎ女たちから離れてポーは下流へと旅立つ。そしてまた流れた先で、狩をする老人と犬と少年に出会い、鳩レースに勤しむ参拝埋め立ての夫婦に出会い、人生について、いろいろ教えられる。そしてやがて彼は海へと出る。

細々としたポーにまつわるエビソードもいしいさんらしくて、怖かったり、何気に恐ろしかったり。するものもあるけれど、いしいさんの手にかかると何もかもかも少し可愛らしく感じるから不思議。ポーの半生(なんだろうか?)がうなぎの一生になぞられて描かれるのも面白く、そういう過程を経て、たいせつなものとは何かを教えてくれるように思う。あからさまじゃなくて、少し遠慮がち、というか、静かに。

ひとつひとつはちいさくても、それらは実はおおきな流れのなかのひとつであって、その大きさを感じた時に、ぞわわと迫ってくる表現しにくい感覚が素敵。この物語を読んでいても、まだお会いしたこともないのに、いしいさんが目の前で、もしかしたら寝そべりながら、いや、きちんと正座をして、話してくれているような気がしてしまう。ああ、感想うまく書けないや。

2005 新潮文庫

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いしいしんじ – 三崎日和

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まったくもっていしいさんにはまっている。なんだろうねえ、この読んでてほのぼのというか、可愛い動物を見ているかのような感覚。そして美味しそうなごはんと、気持ち豊かな生活。いしいさんが順調にやっていけてるというのもあるのかもしれないけれど、やっぱり人柄なんだろうなあ。

いしいしんじのごはん日記」につづいて2003年のWEB連載していた日記をまとめたもの。神奈川の西のほうの昔すごく栄えたらしい三崎に引っ越してからのいしいさんの毎日の生活。お魚がおいしそうだし、東京行ったり松本行ったり、たまには実家(大阪)帰ったり。いろいろ生活の様子が丸見えで面白いし、ご近所さんとの付き合いも、仕事も含めていろいろ楽しそうでいいなーと思う。羨ましいというより、いいなーって感じw ただの日記なのに読んでて飽きないのよね。この本のおかげで、いしいさんの他の作品が、まるでいしいさんが目の前で物語をその場で作りながら話してくれるような気分で読めるようになった。

まだつづきあるようなので、読もうっと。

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いしいしんじ – トリツカレ男

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最近いしいさんにトリツカレております。まあそれの主は日記のほうだけれど。いままでポツポツと読んできたけど、いしいさんの描く物語はほんと唐突なまでに夢っぽくていい。説明もなく、感覚ですっとそのいしいさんの世界へ入っていけるからいい。男性作家でこの感じする人ってなかなかいないのじゃないかなあ。歳が近いというのも嬉しいし。日記を読んでいると、それはいしいさん本人がしゃべっているそのままの感じがするけど、その感じのまま本を読むと、これまたいしいさんが話してくれる面白い話を聴かされているような気持ちがして、心地いい。そして話が面白いのよねえ。

ある街にすむ、なにかに取り憑かれるとそのことばかりになってしまうジュゼッペ。彼のあだ名は「トリツカレ男」。いままでにもサングラスやら三段跳びやらオペラ、息を止める、昆虫採集、潮干狩り、ハツカネズミの飼育、などなどいろんなものに取り憑かれてきた。街の人たちが次は何に取り憑かれるんだろう?と思っていたときに、ジュゼッペが取り憑かれたのは異国から来た風船売りの女の子だった。

面白いお話をつくるのが上手なお父さんに、おとぎ話を読んでもらっている感じ。ただただ不思議な感じがするけれど(現実じゃあないよねえという感じ)、どこかみんなに共通する、こうだったらいいなーとか、こうなって欲しいなあー、というような夢が詰まっていて、それが少しずつ溶けて目の前に広がっていく感じ。そしてこの物語の場合は、こういう話だとなかなかなさそうな伏線がすごくうまく結実していくのが素晴らしい。短い物語なのに、すごく長く誰かと人生を共にした感じがする。そして無理なく心があったかくなる感じがする。

ほんといい物語。あまりにも素敵なので、読み終わってから、すぐにもう一度読んでしまった。

新潮文庫 2006

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いしいしんじ – いしいしんじのごはん日記

gohannikki

このところ本はまあまあのペースで読んでいるけど、このレビューを書くのを怠っていて、パソコンの横に本が山積みになっている。書いておかないと忘れていくのでレビューにならない(というか自分のための備忘録という意味合いが大きいけど)ので早く書かなきゃと思うのだけれど、日々のバタバタにかまけてほったらかしにしているのはほんとよくないよなあ。

友人に勧められて手に取ったこの本。いしいさんの本は何冊か読んでいるけど、物語じゃなくて、こういうのは初めて。編集部かなにかに勧められてwebに連載し始めたのが最初だそう。2001年の9月くらいから2002年終わりまでのほぼ毎日のちょっとした日記と食べたものが記されているだけなのだけど、なんかこの毎日の短い文章からいしいさんのキャラクターが透けて見えて来てとても楽しく、読んでて飽きない。ただの日記なのに。

もともとご飯とかに無頓着だったのに、あるとき外食にいったらカードが使えなくて現金がたくさんなくて、それで何かを買って帰って自炊したのが自炊生活の始まりだそう。始まり方もとぼけているけど、最初は苦手だったのが楽しくなって、浅草から神奈川の三崎という港町に引っ越したのをきっかけに、近所の魚屋さんからいろいろ買うようになったり教えてもらったりして自炊がより楽しくなり、毎日地元でとれたものを美味しく料理して食べるというのがとても幸せなこと、というのが文章からビンビン伝わって来る。美味しそうでいいなー、というより、いしいさんが生活を楽しんでいるのが伝わって来て楽しい。近所のこどもたちもかわいいし。

本半ばぐらいにある写真のコーナーもなんか楽しいし、巻末のその近所の魚屋さんとの対談も面白い。なんか田舎で暮らしたくなる本。

新潮文庫 2006

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いしいしんじ – うなぎのダンス

unagidance

いしいさんはいくつか読んだことがあったけれど、こんなのは初めて。対談集なのだけれど、いやいやこれがw

20組のゲストの方と対談しているのだけど、きんさんぎんさん(懐かしい!)から始まり、赤塚不二夫さん、柳美里さん、トランプマン(懐かし!)、、、といろんな人とつながりあるんだなーとか面白く読んで(対談もなんかまともな感じではなく、ただの雑談みたいな感じなのをそのまま文章に起こしてる気がする!)いたのだけれど、進んでいくと、勝新太郎、、、あれ?亡くなってたんじゃ?、、、とか、謎のロッカーだの、やたらセラピストだの怪しげというか面白い方がでてきたり、挙げ句の果てには凸版印刷機まで。対談というより脳内インタビューになったりしてて、いしいさんだいぶやばいなーって感じ。

でもなんかおかしいのだけれど、この対談を通してすけ見えるいしいさんのキャラがなんか楽しくて、ついついなんでもオッケーと思ってしまったり、かわいいなとおもってしまったり。全くもって謎の方です。

河出文庫 2008

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