乃南アサ – パラダイス・サーティー

彼女の作品はなんだかすっごいリアルで違和感なく読めるのがおもしろい。

30を目前にした2人の女性(一人はOL、ひとりはオナベ)が主人公。30前に二人とも大きな恋愛をするのだが、それがどうもうまくいかない・・・というような話なのだが、ま、それよりも、OLのほうの女性像がもうとっても「イーーーッ」となるタイプで、読みつつなんども「なんとかせー!」と突っ込んでしまって大変だった笑

30を越えてしまってからでは、なんだかあまりもう「もうすぐ30だぜ。どうするんだべ?」的焦りの感覚ってのは薄れてしまったけれど、誰しも少しはなんだか焦りを感じるものなのかな?よく考えたら29も30も実質上は25と26の差と同じなのにね。なんかへんな節目つくってしまうよねぇ、とくに日本人って。

結局話的にはあーあとなってしまうが、ほんのりうれしげな気持ちをもらえる本でした。

新潮社 2003

乃南アサ - パラダイス・サーティー(上)
乃南アサ – パラダイス・サーティー(上)

乃南アサ - パラダイス・サーティー(下)
乃南アサ – パラダイス・サーティー(下)

乃南アサ – ヴァンサンカンまでに

これが15年前に書かれた本だったとは読み終えて解説読むまでまったく気が付かなかった。それほどまでに話の中で描かれている世界の新鮮さというか普遍さ、いや、いまだからこそよりリアルに感じられるそのストーリーに、ただただ感心してしまう。

いい恋、いい結婚、いい男とは何?どこにあるもの?それを追い求めるというのは、それ自体がバカなことなのかもしれない。そこには「いい」「悪い」という尺度なんてものはないはず。それに気づかずに、単に「いい」というものを形から追い求めると・・・

なんて考えさせられる、作品でした。一気読み。

新潮社 2004

乃南アサ - ヴァンサンカンまでに
乃南アサ – ヴァンサンカンまでに