子供のころから親の都合で引っ越し・転校を繰り返し、地元といえるものを持てず、なにものでもない自分が嫌で、ふとしたことから韓国に留学にきて、そこで日本人であることを痛感する、主人公由希。恋人と呼べる人間もいるが、なにか漠然と物足りなさを感じる毎日。そこで作家志望という男性に出会い・・・
強烈ともいえる恋愛もの。韓国人たちのを描く描写も、この主人公の気持ちについても、実にストレートに描いているので、心が痛くなるところも。でもこういうものなのか?こういうものは自分にはない。
それと韓国、そして韓国人。となりの国であり、映画やTVドラマや旅行や友人やらで身近になっているような気がしていたのに、実はまったく何も知らないような気になってしまう。まったく違う人々なのかな?すこし怖いような気もするが、そうでなく、やはりまっすぐすぎるのが、自分にはしんどいのか?
第3回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作品。
宝島社文庫 2009