
2021年11月から始まったNHKの朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」、2022年4月9日の放送をもって終了しました。少し関わらせてもらったのもありますが、こんなに朝ドラにハマったのは初めてでした。最終回の主題曲流れていた時に走馬灯のようにそれまでの印象的なシーンが次々と映されるのを見てて、本当にヒロインたちを100年間見守ってきたような気持ちになりました。
3人のヒロインが物語をつないでいくというスタイルもですが、ストーリーもとても面白く、またヒロインたち(上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さん)をはじめ画面を彩る俳優陣の素晴らしさもあって毎日目が離せなかったです。さらに途中からは藤本有紀さんの脚本と演出の緻密さにも引き込まれていきました。ドラマを通して藤本さんが伝えたかっただろうことが色々あったのではないかと思っていますが、その中でも虚無蔵のセリフがとても印象に残っています。
「日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備えよ」
「そなたが鍛錬し培い、身につけたものはそなたのもの。一生の宝となるもの。されどその宝は分かち与えるほどに輝きが増すものと心得よ」
これらの言葉はいろんな事柄に当てはまる言葉だと思います。仕事でも生活でも僕らのようの音楽家でも。何かを会得する努力は困難も伴いますが、それを伝え繋いでいくことはそれ以上に難しいと思います。普段から努力を怠らず、そして会得したものは次の世代に受け継いでいく、それはほんの小さなことでもよくて、繋いでいくことが大事だと。
今回のこのドラマについては放送のずいぶん前から、トランペット指導(と出演)を担当することになったMITCHから「これはジャズ界にとってすごく大きく、二度と来ないチャンスかもしれない」と熱く諭されていたので、なんとかしてこのドラマをたくさんの方に見てもらえるようにしたいなと思いました。なのでドラマ中に取り上げられるジャズや音楽、画面に登場したミュージシャンのことをSNSに投稿し始めたのですが、途中からストーリーそのものや画面に散りばめられる様々な遊びのようなことにも興味が湧いていろいろ書いてしまうことになりました。見れば見るほどに脚本の素晴らしさと緻密さにただただ感心するばかりでした。
幸運なことにも撮影にも二度参加させてもらい、とても貴重な経験をさせてもらいました。制作陣の徹底した仕事ぶり、そして俳優さんたちの素晴らしい演技とそれに打ち込む真摯な態度、すべてが刺激的で、自分をより成長させるための糧をたくさん与えてもらえました。この経験を今後に活かせていけたらと思っています。ありがとうございました!そしてこんなチャンスを作ってくれたMITCHに感謝です。長丁場本当にお疲れ様でした。
というわけで、半年にわたるドラマで演奏が出てきたシーンをまとめてみました。ジャズがクローズアップされたるい編はやっぱり多かったですね。回想シーンは省いてます。実際のミュージシャンがミュージシャン役で登場することにより、よりドラマがリアルになったんじゃないかと思います。出演したミュージシャンがドラマで使われた主題曲や挿入曲などの録音にも参加しています。どのシーンが誰の音だったか見るのも面白いかもしれませんね。
第32話(2021.12.14)
@ディッパーマウスブルース
MITCH トランペット
(Silent Night 独奏)
第46話(2022.1.6)
サマーフェスティバル@ナイト&デイ
鰻谷スウィンガーズ:
横尾昌二郎 トランペット
関真哉 サックス
Tbcozy トロンボーン
富永寛之 ギター
荘司幸恵 ピアノ
工藤精 ベース
清水勇博 ドラムス
演奏曲「Bitter Melon Man」
トミー北沢とブルーカメレオンズ:
早乙女太一 トランペット
石川周之介 サックス(from BHB)
中島徹 ピアノ
工藤精 ベース
永田充康 ドラムス
演奏曲「Hey! Red Hot」
大月錠一郎クインテット:
オダギリジョー トランペット
杉本匡教 サックス
岩田智貴 ピアノ
光岡尚紀 ベース
坪田英徳 ドラムス
演奏曲「On The Sunny Side Of The Street」
第110話(2022.4.6)
クリスマスジャズフェスティバル@岡山偕行社
(バンド名不明):
金子隆博 ピアノ
織田浩司 アルトサックス
石川周之介 テナーサックス
河合伸哉 トロンボーン
佐々木史郎 トランペット
小林太 トランペット
以上 from BIG HORNS BEE
荒玉哲郎 ベース
永田充康 ドラムス
演奏曲(曲名不詳)
[おまけ]
第45話(2022.1.5)
サマーフェスティバルのポスター
出演者のトリ(一番下)の「古谷充とザ・フレッシュメン」は大阪の実在のバンド。残念なことに古谷充さんは2020年に他界されてしまいましたが、いまも活動するバンドです。
「特別出演 メリー武田」という写真はぼくでした。
街でジョーに偶然出会ったるいが連れられて入ったレコードショップ(NANIWA RECORD)の棚にあった、サングラスに赤シャツの人物が目立つジャケット「MOON RIVER / JACK TAMURA」ですが、これはピアニストの杉山悟史です。
これらの写真はドラマ最初の演奏シーンとなった、算太がダンスの先生をすることになった大阪のダンスホールのシーンの撮影のときに、別でスチール撮影をした中から使われました。このレコードショップに並ぶジャズのレコードのジャケットはほぼその時に撮影したモデルさんの写真から作られています。