NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」に出演させて頂きました。

少しぼやっとしてますが、古い映画風の回想シーンなので、こういう映像効果なのです。

昨日11/9放送分のNHKの朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に出演させて頂きました。上白石萌音さん演じる第一部の主人公・安子の兄・算太(濱田岳さん)の大阪のダンスホールでの回想シーンの中でした。ほんのちょっとでしたが、自分たちがこういうドラマに関わらせてもらって非常に誇らしいです。

今回のドラマは戦前から始まる母娘孫3代に亘る100年の物語で、その中心に実際にあったラジオの英語教育番組、そして「On The Sunny Side Of The Street」というジャズのスタンダード曲がこの3人の人生に大きく関わっていくお話だそうです。今回のダンスホールのシーンのようにジャズバンドがフィーチャーされるシーンも各所に散りばめられる予定ですし、ドラマの中でもジャズがたくさん流れます。今放送中の第一部でもサッチモことルイ・アームストロングの歌やトランペット、北村英治さんのクラリネットや渡辺貞夫さんのサックスの音が流れていて、ドラマを彩っています。

出演の機会をもらえたのはこのドラマのスタッフにトランペッターのMITCHが参加し、関西が舞台となるドラマにジャズ演奏のシーンがあるならぜひとも関西のミュージシャンを使って欲しいと掛け合ってくれたからだそうで、ほんと感謝してます。普段の撮影ならエキストラの役者さんが担当するところだと思うのですが、ミュージシャンを使うことにより、より音楽が本物に見え、ドラマに深みを与えられると思います。

この後もいろいろジャズがクローズアップされるシーンが用意されていて、そのところどころに関西のミュージシャンが登場する予定です。一瞬かもしれないし結構映るかもしれないですが、ドラマのお話とともに誰が登場したか探すのも面白いかもしれません。出演するシーン毎に時代が違うので同じミュージシャンはほぼ1度しか出てこない予定で、さて一体何人登場するのやら、です。

第一部は時代設定が戦前戦後ということでミュージシャン役も「髪が短く、痩せている男性」という縛りがありました。ドラマ自体の撮影が始まる随分前にMITCHから「これこれこういうドラマがあって演奏のシーンに出て欲しいねんけど、髪切ってもいい?でも撮影したとしても放映で流れなかったら悪いしー」という連絡をもらい2人で悩んで一旦なしになったのですが(今後放映される、最初に撮影したシーンはみなさんそういう方々になった)、今回のダンスホールのシーンではハットを被っていいということになり僕も参加させてもらえることになったのでした。背が高かったら違ったシーンだったかもしれないんですけれどね(謎)。

今回のダンスホールのシーンは大勢のエキストラやダンサーの女性、バンド、そして濱田岳さんとお相手の女性が登場して賑やかで、濱田岳さん演じる算太が憧れるチャップリンの映画の映像のような回想シーンでした。流れた映像では音楽のみでセリフはなかったですが、実際の撮影ではセリフもあり、演出もちょっとオーバー目(チャップリンの映画のように)で、現場の撮影はとても楽しかったです。演者もスタッフも監督さんもいいシーンにしようと撮影が進む毎に熱が入って行きましたし、何と言っても濱田岳さんのダンスが光っていました。

まる1日かけての撮影でしたが、バンドメンバーにはとくに演技指導はなく(この辺がミュージシャン使うと楽になるでしょうねえ、立ってるだけで音楽家ぽくみえるし、楽器は自前だし)、シーンの切り替わり(曲変わったでしょ)のときに小芝居が入ったりするだけでした。でも音楽と演技が違うとおかしくなるので、曲は暗譜、とくに動きのわかりやすいピアノ、ドラム、トランペットは完璧に覚えてました、素晴らしい!(僕少しあやふやなところも^^;)

ひとつ濱田岳さんとの絡みのシーンが用意されていて、それは訪ねて来た女性ダンサーを雇わせるため、バンドにローストチキン(だったと思う、撮影が進むにつれ大きくなっていったw)をプレゼントして自分が得意なダンスができる曲を演奏させるというお茶目なカットだったのですが、ピアノの杉山くんが抜擢されて見事な掛け合いをやりましたねえ。いやー、さすが、何もかも初めてなのに完璧でしたねー。僕に回ってこなくてよかった^^;(ピアノかラッパかサックスか、という話になってたそう)

このシーンに出演してたバンドメンバーは

永野雄己 トランペット
杉山悟史 ピアノ
荒玉哲郎 ベース
奈倉翔 バイオリン
森田渚音 ドラムス
武井努 サックス

でした。奈倉さんは最初のスローの曲のシーンはいるのですが、テンポの速い曲はストリングスなしだったので降板となってます。

このシーン、僕たちバンドもできるだけ当時の感じになるように楽器や雰囲気なども揃えて、髪型も七三わけにしたりしてるんですが(僕と永野くんはハット=実は髪長い)、個人的に一番面白かったのはベーシストの髪型です。実はリーゼントですw 荒玉さん普段はもじゃっとした感じの髪型なのですが、すごく時間かけてあの髪型に。いやーセットアップしてるとき笑いましたねーw

こういう風にジャズがみなさんの目に止まるようなテレビの番組で度々取り上げられるのはとても嬉しいことです。知らない方には近寄りがたい世界なのかもしれないですが、ジャズは素晴らしいですし、ジャズのライブハウスやレストラン、喫茶店は素敵な場所ですし、ミュージシャンはかっこいいのです。このドラマを通してドラマのお話自体もですが、ジャズに興味を持っていただけたらとても嬉しいです。

この後も「カムカムエヴリバディ」をぜひ応援してくださいね!