The Beatles Get Back – The Rooftop Performance

ビートルズの映画が公開されてて今夜が近所の映画館の最終上映回だったので見に行ってきた。この映像自体は昔からあるもののはずだけれど、僕は全部を見るのは初めて。ビートルズの音楽はとても好きだが、関連することはあまり首突っ込んでこなかった。何に対してもそういうところ多いけれど。

何の前知識もなく見て、とても面白かった。アルバム「Let It Be」に収録されてるテイクもあって馴染んだ音だし。演奏こうやってやってるのかーって感心するところも。動く彼らを見てると、この頃バンドがどういう感じだったのかがなんとなく透けて見えてくるようでもある。もともとの4人の性格の感じも出てる気がするな。ポールはいい子、ジョンは茶目っ気と反抗心、ジョージは少し引っ込み思案で病んでて、リンゴはおおらかで自分が好き、ていうような(違うと思うけど)。

屋上でのライブが終わってからスタジオでプレイバック聴く姿や、さらにその後エンドロール内でのスタジオでの録音風景見てると、何か大きなものが終わりゆくときの感じだなあと思う。いろいろ紆余曲折してここまできたけれど、もう巻き戻せないところまで来たなとみんな感じてて、でも、もう少しの時間で何かやっておきたい、って思ってるような。すごく寂しい感じ。

にしても、ビートルズが4人で演奏した最後となったこのライブは1969年1月30日。僕が生まれる少し前。もう53年前だからこの映像に映ってる人の大半はこの世にいないんだろうな。僕がビートルズを知ったのはジョンが撃たれた後だった。全く僕の生きている時間とは重なってないバンド/音楽だけれど、ビートルズは僕の音楽の根本の大半を占めてると言い切れる。すごく好きだし影響受けてきたし。

だから、このライブの時間をリアルに体験できた人がとても羨ましい。この映像に映る人と交代できたらどんなに嬉しいか。隣の屋上にいた人なら最高だし、向かいのビルでうるさいなーって思ってる人でもいいし、遠くの屋根でもいいし、下の道路を通りかかった人でもいい。もうなんなら敵役みたいに描かれてる警官でもいい(あの人たちってこの映画になるの許可とってるんかな?)。映像と音からあの時間のあの空気感を想像力をフルには働かせて想像して見てた。

配信されてるレコーディングセッションの映像もみようかなあ、迷う。これまであまり音のこと以外興味なくきたけれど、今からなら知りたいと思うなあ。もっと若い時に今日の映像みてたらビートルズ少し嫌になってかもしれないな、悲しいから。この映像に映る4人ってまで20代なのよね。やっぱり何か大きなものを産むことができるのはこの頃なのかな。歳とってからいろいろこねくり回すことは上手くできるようになるけれど、盲信的に破壊的に創造できるのはもう無理なのかなあ。

ps
IMAXでの上映だったけれど、音や映像がいいのはさておき、IMAX自体の推しが強くてちょっとウザい。いい体験したら普通にIMAXってすごいなって思うのに、そんなにプッシュされたら逆に嫌になる人少なくないんじゃないかなあ。