二宮敦人 – 世にも美しき数学者たちの日常

友人とSNSを介して話してた時に「こんなの読んでる」といって紹介してくれて、面白そうだなーと思って読んでみた本。もともと理系というのもあって数字とか宇宙とかは好きだけれど、専門ではないのでほんと「好き」って程度のものだけれど、それを突き詰める人たちってどんなのかなーっていうのは興味がそそられる。というのも大学時代、同じ研究室(工学部だった)に数学専門の方がいらっしゃって、その人だけなんか全然見えてるものが違う感じがずっとしてた。工学にもたまに出現する見たことない外国語の呪文のような数式をあーだこーだと議論したり面白いといったり、僕にはちんぷんかんぷんな事が別のものに見えてて、しかも楽しそうな感じがしたもの。

この本は、ひょんなことから数学に興味をもった(理解してみたいと思った)著者(と編集者)が数学者や数学マニアを訪ね歩いて、数学の魅力について教えを請おうとしたインタビュー集。しかしあまりにも地平が違いすぎて、チンプンカンプンだったり諦めモードになったり挫折しかけるけれど、インタビューした皆さんはやはり魅力的で、少しずつ彼らが見ていること、感じていること、数学の魅力そしてダメなところ、そういった話をなんとか理解できるように話してくれる(これインタビューを文章に纏めるの大変だったんじゃないかと思う)ので、著者とともに読者も、数学者という、一般的には偏屈で、変人で、何を考えてるか分からないし、話しても何言ってるか分からないようなイメージ(失礼)が少し変わっていく。

この本を読んでも数学が好きになったり、なんか理解できたりするわけじゃないけれど、なんとなく数学には数学の世界の興亡があって、そこにいる人たちの苦悩と喜びがあって、数字という冷徹な、厳格な、曖昧さのない怖いもの、と思ってしまいがちな世界の中でも悲喜こもごもがあってそこで人々が生きてて血が通ってるというのが伝わってくる。

ただの数字の羅列なのに、そのシンメトリックな感じが美しかったり、面白い並びの数字だなーとおもったり、やっぱり数字は見てて飽きない(Twitterでもいろいろフォローして楽しんでる)けど数学となると、ちょっとまだ怖いなあー。でも、一度は「ロマンティック数学ナイト」を覗いてみたいなー^^

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