トミー・コッテル・トリオ

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photo by yuki asane

先週のことになってしまいましたが、2月に続き再びスウェーデン・イエテボリ在住のベーシスト森泰人氏が主宰するスカンジナビア・コネクションの第41回目のツアー、トミー・コッテル・トリオのライブに参加しました。前回のアルベルトさんのバンドもでしたが、このトミーさんのバンドも演奏も楽曲も素晴らしかったです。

トミーさんのバンドはフリーフォームなところはあるものの、ほぼ彼が作曲した曲を演奏するのですが、未知のものですごく刺激的なのに、懐かしくて知ってるような感じがしました。例えて言うと父親のように猛々しく、母親のように大らか、そして弟のようにやんちゃで、妹のように純粋、というような。とにかく根本的に健康的でハッピーなサウンド、それでいて何かをなぞるのではなく、どこまでいっても創造的な演奏でした。

そんな中に入って演奏すると、聴いてるのと中に入って一緒に音を出すのはぜんぜん違う感触がして、いかに自分が自分であるかということが一番大事なのである、ということを強烈に認識させられました。

ぼくは英語はもちろんスウェーデン語なんて全然なのですが、拙い英語でいろいろドラマーのダービッドと話して(彼はとても話好きだった)いると、日本人が演奏するジャズとはなんぞや?みたいな話になり、いろいろ考えさせられました。古来からある日本の伝統音楽と融合するというものでもなく、借りてきたフォームの上で演奏している自分は、一体どこに自分のアイディンティティがあるのか(出せるのか)というのは、普段意識してないけれど、実は一番考えたり感じたりしなければならない命題だと思います。誰かと同じこと、モノマネではなく、自分であって、しかもそれがこの土地にいる人間だからこそ出せるもの。きっとそういうものがあるんだと信じてやっているのですが、今の時点ではこれこれこうですよ、というものは具体的に出せないです。が、彼に答えたように、この土地にいてこの言葉と食べ物、文化によって育まれている自分のバックグラウンドから出る音、というものがあるはずで、それが自分なんだ、と思ってやっています。アルベルトのときにも同じようなことを思いました。

本当に再びとてもよい経験ができました。いつか逆にスウェーデンに行けたらなとも思います。今回のツアーを聞いてくださったみなさん、協力してくれたみなさん、ありがとうございました。そして、トミーさん、森さん、ダービッドさん、ツアーお疲れ様でした、もう帰国したころですかね。またお会いできたらと思います。

Tommy Kotter(Pf)、森泰人(B)、David Sundby(Ds) ゲスト 武井
4/10 梅田 Mr.Kelly’s
4/11 芦屋 Left Alone

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