中国・九州ツアー後記その3

(つづきです。前のはこちら

5日目:

薄曇り。今日は午前中から、やっぱり熊本にきたならいかなければならない場所(?)熊本城に。3年前だかにきたときもだいぶぐるっと歩いたのですが、また今回も。美しいお城って何度いっても「ほーっ」となるのです。今年は櫨方門(はぜほうもん、読めない。。)から入って外回りの櫓をぐるっと回って、本丸御殿の下をくぐって本丸へ。ちょっとずついろんな建造物が修復/再建されていっていて、熊本のひとたちのこの城に対する思いが伝わってくる。どこからみても美しい。やっぱり石垣がいいのかなぁ。

お上りさんよろしく小天守、大天守にものぼり(これはあまり面白くない、眺めはいいけど。ただ、お互いの天守同士を眺めるのは楽しい)、本丸御殿の豪華絢爛さに感心し(今年は庭があいてたなぁ)、建造当時の姿を遺すと言われてる宇土櫓を覗いて(やはりこれはいい建物。でも傷みが激しい)、ほかにも櫓いくつか見たり。ちょうど清政祭りをやっていて隣の加藤神社はタイコだ踊りだの大騒ぎになっていたので、寄ることはせずに、そのまま二の丸方面へ。クスノキ群を見に行こうとしたのだが、いつものように適当に歩いていたら検討違いのほうに行ってしまったようで、護国神社についてしまった。でもゆっくり歩いて3時間ほど、今回もすごく満喫できました。

熊本城天守
熊本城天守
宇土櫓
宇土櫓
本丸御殿の内部
本丸御殿の内部

さすがに歩きくたびれたので、遅い昼食をとって(桜の馬場 城彩苑でたべた。こんなん前あったかな)宿へ。ちょっと休んで着替えて今夜のお店、その3年前ぶりの「おくら」へ。実はおくらへは昨晩演奏終わったあとに楽器ほりこみにいったので、なんか帰ってきました的な感じでしたがw。

今夜も一昨夜と同じくピアノ細川さん、ドラム香月さん。さらにサックスの伊澤隆嗣さんが参加してのクインテット編成でした。スタンダードもやったり、細川さんの曲を二人ともソプラノで吹いたりととても楽しかったです。なんかここおくらはジャズのアクが強い感じします。それにすごく影響される(いい意味で)みたいで、とても熱い演奏でえらい遅い時間までやってしまいました。でも楽しかった。マスターも元気そうで何より。また必ず来たい店です。いらしてくださったみなさん&マスター、ありがとうございました!

で、お約束でお馬ちゃんとか食べさせてもらって、これまた満足。北海道の羊、九州の馬、なんで関西には普通にないんだろう。

at OKURA (photo by master)
at OKURA (photo by master)
お馬ちゃん♪
お馬ちゃん♪

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6日目:

いよいよ最終日。朝に宿を追い出されて、さてどうしましょうか?と教秀さんに聞くと、「なんかなぁ、山鹿のほうにへんな岩あるから、見に行こう!」と。また山ですか?w

今日もいい天気。3号線をひたすらのんびりはしって山鹿へ。そのへんな岩というのは「不動岩」という岩だそうで、5億年前のものだと。一度海底に堆積したものが隆起して地表へでて、やがて風雨にさらされて細かくなり、それがもう一度堆積して出てきた、らしい。君が代の「さざれ石の巌となりて」の歌詞そのまんま。車でそのあたりに近づいてくると、もうよく見えます、ずん!と屹立した大きな岩が。どこまでいけるのかな?とみかん畑を縫って登って行くとその岩(前不動)の足下まで。

「あー、これはこの奇岩をぐるっと見回すような散歩ルートがあるだけなんかもなあ」とか2人でのんびりいいながら山道に入ったのですが、見回るのではなくて、前不動は無理だけど、中不動の頂上にあがるルートがあり、さらにそこからぐるーっと回って後不動にも登るルートができてるってのを、歩きながら知ったのでした(調べとけよ!)。なんかね、山歩きって、何か区切りいいところまで行かないと引き返す気持ちになれないのですよね(笑)。なんで、中不動登ったときに、横にある後不動を見て「いけるんかな?いけるよね、きっとねぇ」なんて話したもんだから、どっか「はい、ここで行き止まりですよー」とか「後不動がここから見えますよー」的な感じのところに行けるかなと思って山道(一応九州の山を歩くルートにもなってるが荒れ放題)をいってたら後不動までいけたという。

でも、ここも同じ、というか、先日登った右田ヶ岳よりも相当怖い!いっそ飛び降りたほうが楽ちゃうか、とか思ってしまう場所でした。

不動岩。左が前不動(中不動は重なって見えない)、右が後不動
不動岩。左が前不動(中不動は重なって見えない)、右が後不動
後不動頂上(ぼくの横に見えるのが左から、前不動、中不動)
後不動頂上(ぼくの横に見えるのが左から、前不動、中不動)

すっかり山(というか岩)を満喫したあとは、麓にある温泉施設へ。やはり火山が多い土地柄からかたくさん温泉あるのですが、そのなかから偶然選んだのが「どんぐり村温泉」で、行ってみると、ここはパラダイスでした(笑)もちろんお湯もすごくやわらかな感じで、露天もあってすごく気持ちいい(お昼に入るお風呂ってなんて気持ちいいのでしょう)のですが、ここ何が面白いかって言うと、うさぎが放し飼いになってるのです。しかも大量に!放し飼いというか、施設の人曰く「野うさぎ」だそうなんですがw。ちょっとその辺うろちょろするとうさぎがばーーっと集まってくる。まるでハトみたいに。すごくへんな感じでしたw

うさぴょん、スイカ貪るの巻
うさぴょん、スイカ貪るの巻
恐怖ウサギマミレ
恐怖ウサギマミレ

温泉とうさぎに大興奮して、またそのまま3号線をひたすらはしって、今夜のお店のある久留米へ。以前来たときはラーメンだけたべたよなぁ。急いで来たのはめちゃくちゃうまい骨付きカルビを出す焼き鳥屋(なんでや!)があるというので。しかし、その「ひがし田」さんは月曜日はお休みだった。。。。うなだれる2人、がっくり。山歩きと美味しいものを食べることを何よりも楽しみにしている教秀さんはがっくり。

今日のお店はVinothequeというお店。一昨日お会いしたピアノの園田さんのブッキングで。なので今日は園田さんにもはいってもらってのトリオ。園田さんの曲も入れたりしながらの演奏。トリオはトリオでこれまた楽しいなぁ。今夜も熱心に聞いてもらえて嬉しかったです、ありがとうございます!

at Vinotheque
at Vinotheque

で、その「ひがし田」にいけなかったわ、ほかにも何も食べれなかったわーと落胆していたぼくらにマスターが(というか園田さん絡みなんだけど)出してくれたのが、店舗もなくて配送だけしてくれるという製麺所がもってきてくれた「梘丹(かんたん)麺」。これ麺をゆでて、特製たれと(ねぎと)混ぜるだけなのですが、激ウマでした。お取り寄せしたい!>光華楼製麺

かんたん麺
かんたん麺

そして、今夜は泊まることはせずにそのまま出発(ぼくが明日仕事なもんで)。夜中の高速道路は真っ暗で運転しててなんも面白くないのが残念でしたが、黙々と走ったのでした。で、姫路ぐらいから朝の渋滞に捕まったりして、結局帰宅したのは朝10時ぐらい。ゆっくり走ったけれど、結構架かったなぁ、というか700キロあるもんなぁ。疲れた。

というわけで、6日間無事ツアーを終えられてよかったです。お越しいただいたみなさん、お世話になったみなさま、ありがとうございました!今回訪れた場所はまた必ず行きたいと思います。楽しかった!

 

中国・九州ツアー後記その1

先月末にベースの中島教秀氏とミニツアーに出かけました。ミニツアーといっても6日間だったので、実は僕にとってはいままでで一番長いツアーとなりました。気温があがっていてたので、猫どもが心配でしたが、できるだけの準備をして出たのでした。

1日目:

お昼過ぎに出発して高速を一路西進。久しぶりに第二神明からR2のバイパスをつないでいくルートで竜野まで抜け(ここ走るの何年ぶりだろう)、そこから山陽道で広島へ。とくに渋滞にも巻き込まれることもなくスムーズに(といっても2人とも運転スピード速くないので結構時間かかりましたが)広島入り。そんな何度も来たことないのですが、いつ来ても広島は土地勘なくて、どこがどこやらわかりませんw

ナビのいうままにツアー初日のお店「LUSH LIFE」に。繁華街のちょっとはずれの結構ややこしい(笑)あたりにある。前のお店から移転してここになったそう。サックスの清水末寿さんに数年ぶりにお会いできた。昔、よく松山のGretschのマスターに「広島の兄やん(=清水さんのこと)にいっぺん会いに行ってこい」とよくいわれてたのが、10年かもっと経ってようやく実現できたことになった(清水さんとは数年前に徳島ジャズストリートで初めてお会いできた)。広島で演奏(ジャズを)するのはだいぶ久しぶり。

今日はツアー初日ということもあったけれど、ここ数日よく教秀さんとあーだこーだとつるんで録音なんかもしていたので、なんだか緊張もあまりせずリラックスして演奏。なんか大先輩なのに教秀さんとはリラックスしてできるよねえ、そうさせてもらってるんだと思うけれど。すごくすごく久しぶりの方にもお会いできてよかった。たくさんの方にすごく真剣に聞いてもらえて嬉しかったです。

at LUSH LIFE (photo by RIE mama)
at LUSH LIFE (photo by RIE mama)

そして残念なことに広島の夜を満喫することなく(ということは広島の美味しい食べ物にありつくことなく、トホホ)そのまま明日の山口・防府へ。というのは毎日移動を繰り返すより連泊とかしたほうが何かと楽だからという理由なのです。というか、実はまあ少なくない数広島に来てるのですが、あんまり広島泊したことないという、そのまま移動したり、帰ったりとかそんなパターンが多い。ああ、縁のない町広島。好きなんだけどなぁ。

で、まぁ夜走りして、防府に日が昇る前にはつきました。

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2日目:

実はこの日が(結局のところ笑)結構このツアーのハイライトになったのですが、ツアーが始まる前から教秀さんが「山口で登りたい山がある」と言っていたのがこの防府にある右田ヶ岳という山で、いつも中国道を通るとよく見えるので「いつか登りたい」と思っていたそう。で、さすがに早起きはできなかったのだけれど午前中には準備して朝昼兼用ご飯たべて、さて登ろうか、と。

右田ヶ岳
右田ヶ岳

岩場がいくつかありそうだけれど430mほどの山で、そう苦労することはないだろうという推測だったのですが、登り始めてみると、見かけとは違ってどっちかいうと岩場ばかり。その間に灌木があるぐらいという山で、折からの気温上昇と照り返しで2人とも早々から結構ばて気味に。教秀さんなんか全然平気かとおもってたら「あかん熱中症になりそうや」とか言ってるし、大丈夫なのでしょうか?

最初の尾根こそそうきつくなくて、山自体がなんか観音様巡りみたいになっていて、岩肌にいろんな仏様が彫ってあったりするのを眺めながら登っていたのですが、そっから先がきつくてきつくて(いや暑くて暑くて、か)。

山の案内
山の案内

結構「登れど登れど頂見えず、、、」みたいな感じで、途中でへこたれかけたのですが、といってもへこたれても登った分降りないといけないわけで、頑張って2人で登り続けたのでした。あんまり登山してる人にも会わなかったのは、暑すぎたのと、もっと早朝から登るものだったのでしょうねぇ。

でもなんとか2時間半ぐらいかけて山頂へ。実は山登りこうやってやるのは10年ぶり?くらいで、すっかり鈍ってる体で山なんて登れるのかな?と思っていましたが、なんとかまだ大丈夫のようでした。いつも「山登りなんて何が楽しいのだか?」とか思われる人もよくいるように見受けるのですが、こればっかりは登ってみないとわかんないのですよね、表現しようがないというか。達成感や征服感、という感じでもないのですよねぇ。

右田ヶ岳山頂より
右田ヶ岳山頂より

久しぶりの山頂という場所は暑いことを除いてはとても楽しい場所でした。なんか鐘あったりするし。どうやら毎日ここに日の丸を掲げるようで、朝に揚げて、夕方おろすそうです。ということは誰かが毎日登ってるのか、すごい。

上の写真、楽しそうに映ってますが、実は僕、高いとこ怖いのです。あと一歩後ろに行くと崖なので、実はビビってますw。

帰りは別のルートを降りたのですが、これが輪をかけてきついコースで(とぼくは感じた)、岩場でできた尾根を降りて行くコースだったのですが、岩に張り付いていないと真っ逆さまーという場所も少なくなく僕は正直縮こまっていました。それに下りの方がだいぶ体力も使うので。でも、教秀さんに励ましてもらいながら(といっても二人ともへろへろでしたが)頑張っており、途中道がわからなくなるハプニングにも見舞われ(ここは教秀さんが、さすが、な好判断をした。さすが山男。こういうとき素人ではだめな方向に行ってしまうのでしょうねぇ)、それでもなんとか降りきりました。しかしその登山道のわかりにくことったらw

で、いったん宿にもどって昼寝をして、夜は今日のライブのお店「jazz屋」さんへ。すっかりふぬけになってしまったか、というとそうでもなくて、いい感じに力が抜けた感じでした。今日はギターに山下さん、そして急遽飛び入りでドラムに原野さんが入ってのカルテット。少しDUOもやったりトリオになったり。スタンダードもやったりして、楽しい夜でした。こうやって地元の人とセッションできるのってすごく嬉しいものです。

at JAZZ屋
at JAZZ屋
終演後4人で(photo by 山下さん)
終演後4人で(photo by 山下さん)

今日はそのまま同じ宿なので、まあまあ呑んで、でも山登りの疲れもあって、くてんと寝ました。

つづく