群ようこ – 働く女

先日読んだ同じく群さんの「でも女」につづくような本なのかな。10人の女の人のそれぞれの面白い、ちょっと哀しい、とほほな短編たち。どれもすごくリアルに存在する感じの女性ばかり。

物語で短編だから多少の脚色はあっていいと思うのだけれど、この本に登場する物語はどれも赤裸々というか飾り気なくそのまんまな感じがして、一喜一憂、どちらかというと「あーあ」と思ってしまうところがあるのだけれど(異性だからそう感じてしまうのかもしれないけれど)、リアルな感じが好感持てる。

個人的には古本屋を手伝うことになる「そして私は番をする」と、ラブホを経営する母子の「いろいろあって、おもしろい?」が好きだなー。

あっさり楽しく読める本だった。

群ようこ – でも女

群さんは久しぶり。はじめタイトル見たとき「でも女?でも、女?なんじゃろな」と思って読み出したのだけれど、すべて女性の一人称で描かれているので、ぜんぶ群さんの実話なのかなーと思って読んでしまった。それほどに事細かにリアルというか、あまりにもなんでもなさすぎるというか、普通に誰かの噂話を聞いているかのようで面白い。

ちょっとあーあーと思うような女の人がいちいち主人公。なんだかちょっとぱっとしないというか、ついていないというか。でもそんなところにやたらとリアルを感じてしまう。どの主人公もなぜかダメな友達がいて、お互い慰めあったりして「あーあ」な感じなのである。でもこれが女性の実態なのかなーとか思ったりして。でもそれがかわいらしかったりして。

10編ともどこか感情移入してしまって、さくさく読めていい感じ。電車のお供に。

集英社文庫 1997

群ようこ – 猫と女たち

猫についてのショートエッセイたちと、女性を描いた短編集。

群さんの近所に住み着いてる猫たち、そして飼い猫のしい。猫を飼ってるもしく は猫大好きなひとならすっごくわかる、そんな話や描写ばかり。読んでいてほほえんでしまったり。そうやって町中にいる猫にたくさん出会える町に住んでるっ ていいなぁ。そんなかわいい猫たちとそれを取り巻く人々を実に実にほほえましく描いている文章がどれもかわいくていとおしい。猫好きなんだーってことがす ごく伝わってくる。あ、犬もね。

一方女たちを描いた短編集はなんだか別の人が書いたような。でてくるひとたちが実にリアルというか飾り気ないというか、小説っぽくない。実にずばっと入ってくるような文章なので、うろたえるというか「そんなんでいいのか?」と思ってしまう。でもどの人もすてきだな。

猫と女たち
猫と女たち