久しぶりに辻氏の本を読んだ。古本で買ってたやつ。
なんかコノ人の本を読んでると、何故にそんなに破壊的かなーと思うことが多いのだけれど、この本の場合は穏やかに壊れる感じだったので、しんどくなくてよかった。
しかし色彩的だ。本人の意識の奥底へ落ちていくような描写のとき、きっとこの人が書くスピードと同じ速さで読まないと、感覚的に理解しにくい個所がいくつかある。前にもこんな描写あった。どれだったっけな?
すっと読める感じでよかったけれど、こう、どこか引っかかったまま、引きずったままの感覚がのこる。そういうひとなのだろうな。
文芸春秋 1998