実際にあるホテルとそれを建てた男をモチーフにした小説。アフリカの大自然あふれる国立公園のなかのある丘のある岩にホテル(コテージ)を建てる、しかも個人で・・・そんな途方もないほら話のようなことを成し遂げる、骨のある男。そんな男の、でも実はくじけそうになる姿にいろんなものを投影させて読んでしまう。
いくつもの心にずんと響く人々の言葉がよこたわってる。自分もなにか人と一緒に夢をみたり、人に夢を抱いてもらえるような、そんな物事をひとつ確信して、向かって生きたい。そんな気持ちにさせてもらった。
ムパタホテル。行ってみたいな。
PS
主人公の黒田十三という名前がどーもそのキャラからして黒田征太郎と伊丹十三のアイノコのように思えてしかたない。あと設計やるおっさん(藤巻)が関西弁からしてどーも安藤忠雄に思えてならん(笑)
講談社 2003