精神科の医学博士 伊良部一郎のもとを訪れる一風変わった患者たちのショートストーリー5編。通常の医療では解決困難な病気?を持つ5人が一風変わった(まるでただの子供のような)医者によってなんらかの解決をみていく。もちろんこれらは今の社会に実際にあるであろう病気なんだろうけれど、ほんと奇妙やなぁ。
しかしその精神的な病に冒されている患者たちが、なんだかおかしな伊良部によって、遠回りに見えるけれど、確実な方法をもって(これはわざとなのか、天性なのか?)回復していくのが楽しい。ちょっとおかしくて楽しい。
単なるおもしろいお話としても読めるけれど、今の社会に確実に広がる新たな病魔への明るい対処法の示唆か?
文藝春秋 2006