今まで読んだJazzに関する本で一番おもろかったと言っても過言じゃないな。その演奏とか考えてることも作品もぶち切れてて、ちょっと聞いてたら頭おかしくなりそうな菊池氏だけれど、この本の内容はこれまた飛びぬけておもしろく、わかりやすい。
Jazzの歴史を扱った本なんて星の数ほどあるけれど、ある視点(音楽を記号化という観点から見た、それに則したジャズの歴史)から見たこんなジャズとそれにまつわる周りの社会・文化(とくにアメリカ)の変遷をきちんとまとめてるものってないんちゃうかな。
筆者が音楽家ということもあるし、それ以外にもとくにJazz界の人たちにありがちなJazzに偏ったものではない幅広い音楽観、サブカルチャー、西洋東洋史、人類史などなどなど、いろんな方面、歴史的ムーブメント、それに絡む商業音楽やそのマーケットを取り込みながら、その音楽の記号化というターニングポイントがどう作用したかをわかりやすく(音楽やってない人にはわかりにくいかも)説明してくれてんので、ほんまなるほどーという感じだった。レコード聞く耳がちょっと変わるかも。
しかしこの2004年度に東京大学で行われた講義。見たかったな!
メディア総合研究所 2005