シティーホテルでの幽霊事件とその裏にひそむ殺人事件・・・連載されていたものをまとめたもので、かなり長編。謎もこんがらがってて、謎解きするのもタイヘンそうな話なのだが、結局はひとつに見えた事件に便乗した複数の事件のからみあいという、複雑なミステリーだった。最後には祖父の代までさかのぼる愛憎劇だった、というのは大掛かりすぎるよーなきも(^^ゞ
しかし、作者もそうしたように、シティーホテルでの短期リゾートを味わうというのは、どうやら気持ちのいいことかもしれない。男性にはわかりにくいかもしれないけれど。非日常を簡単に手に入れるにはいい方法なのかもしれないし、そういうことが必要なときなのかも。でもあまりにも非日常と日常の境目が近すぎると、うまく気持ちが切り替えられないような気もするのは、男だからか?
文藝春秋 2006