ちょっと変わった夫婦、そう、ひととのつながりが少し不得意な2人、の物語。単にその夫婦の愛の形、そしてそれぞれの浮気の形、という話だけにはとどまらない。
江國さんの本にしてはすいすい読める本だった。それともこのひとの文章に慣れてきたのか。いつもよりこまかく描写してるからだろうか。しかしこの人の文章ででてくる「ずぼん」てひらがな、めちゃ江國さんぽいと感じるのよね。
そういった夫婦の少しずつ変化する日常を描きながら、すこしずつウソをついて、そういうウソがあったことを思い出す。それは必要なことなのか、そうでないのか。この物語を通して人生の含蓄をたくさん語っているように思う。
好きな台詞
「なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」
幻冬舎 2006