よしもとばなな – なんくるない

吉本ばなながよしもとばななと改名したの、気づいてなかった(^^ゞ

彼女が「おきなわ」というくくりで書いた短編4つからなる本。ひさ しぶりばななの本を読んだけれど、こんなにスピード感ある文体だったけな?と思うほど、文章のスピードがはやい。読みやすくて読ませる感じじゃなくて、 せっぱつまって思いをぶちまけるために早口になってるような感じ。その感じが内容も伴ってぐっとせまってくる。

4人の主人公をとおし て、そしてばななさんをとおして、おきなわ、その土地、空気、ひとたちがはいってくる。素敵とかやさしいとか愉しいとか、そんな言葉たちでは到底表現でき ない何か。それを体感した人間のみが語れるような言葉とテンポで読者をいざなう。沖縄に行ってみたくなる本。

この本を読んでるとき、 ちょうど沖縄にいたので、主人公たちが感じているように沖縄を感じたかったが、ばたばたすごす中では難しい。やっぱりゆらゆらとした時間をもっとすごした かったな。でも時間が経つにつれ、体の中の何かが入れ替わったり変化したりして、この土地になじんでいく感じはなんとなくした。ふらふらっと歩いて偶然た どり着いたお店がよかったり、見ず知らずのおっちゃんに家に招き入れてもらったり。不思議な土地。やさしい街。慌しい観光ではわかんないことがたくさんあ る。もっとその土地の時間に自分をあわせないと。

新潮社 2007

なんくるない
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