雑誌ダ・ヴィンチに1年ほどにわたって連載された田口ランディの紀行集。彼女が”聖地”と感じる日本のあちこちに実際に赴き、そこで感じたこと、いろんな 人が示唆してくれたこと、などなどをまるで隣でおしゃべりしてるかのごとくな口語で描いてくれている。めちゃ面白い。天川の弁財天から始まり、渋谷の暗 渠、富士、下北、広島やら出雲やら熊本やら計10箇所。どれも共通しているテーマは”水”、そして神社などなど。いま自分自身もなにかひっかかるものがあ るので、一気に読んでしまった。
とかく都会やその周辺に住んでいると、自分のなかになにかが積もってしまったり、詰まったり、あるいは パワーが抜けていってしまったり、あまりいい循環でいることは難しいとおもう。若いときは自身のパワーでそれは補えるが、年とともに自家発電的なことはあ まりできなくなり、逆に大地や自然、水なんかからもらえるパワーに敏感になるのかもしれない。本当にパワー(霊的)なものに触れると、自分のなかが整理さ れてすっきりしたり、風通しがよくなって、新たなパワーがでてくる、そういう気がする。
たぶんそれぞれみんな、自分にとってそういう場所がそれぞれあって、それを「聖地」とよべばいいんだろう。
この本のなかだと、先日いった天川、そして出雲、熊本、いきたいなー。あ、屋久島も!
メディアファクトリー 2003