江國さんの本。なにかに連載していた短編集。
4つのカテゴリーについていろいろ書いているのだけれど、中でもとくに”男友達”(男の友 達でも恋人でもなく)について書いた「男友達の部屋」という短編たちと、欲しいものをどんどこならべた「ほしいもののこと」という短編たちが好き。男友達 については、男の立場から、なるほどなー、とか、へー、とか、わからんのー、とか、わかるなーといろいろ思う事があるし、すきなものについては、 へーーー、と思う事ばかり。
この人はぼーっとしてると自分では言ってるけれど、実はかなりはっきりしてるひとなんちゃうかなーと思う。 自分がはっきりしてるし、自分の好きなもの嫌いなものなんかについてもすごくはっきりしてる。そしてそれらのものについて、すごく的確に適切に自分の立ち 位置、見方をもっていて、その感覚たちがすごくよく伝わる文章だし、こういう考え方(生き方というのかも)はすごく好きだ。
あまりこだわったりすることが少ないけれど、こういう風に生きられるのは、楽しそうでうらやましい。余裕のないところではなかなか難しい事だけれど。いつかこんな風になってみたい。そう思わせる短編たちだ。
角川書店 2004