第二次世界大戦中、ドイツの捕虜としてつかまったユダヤ人たちのうち、印刷技術をもったものたちが、収容所内での少しましな待遇をうけられるかわりに贋札つくりをさせられるお話。
ドイツ映画だからなのか、華美なことがなく、淡々と物語が進み、少し全体的にセピア色がかった映像がその単調さに拍車をかけるが、それがゆえに、物語の本質やら登場人物たちの心理がより浮きだってみえるような作品だった。
本 当の話なのかどうか知らないのだけれど、生きるために自分の本意と違う事を(自分の信念に反する事を)するというのは、外様な意見としてはどうしてなんだ ろ?そんなことしなくていいのに、なんて思ってしまいがちだけれど、究極な状態ではなんでもありになってしまいそうな気がする。それでも自分の意志を貫こ うとするものもあれば、みんなのためにあえて嫌な事を進んでする、そういう者もいる。
どちらがよくてどちらが悪いという次元の話ではな く、よく考えても結論なんてだせない話だけれど、もし現実にそんな状態になってしまったら、時間だけは過ぎ去ってしまうから、結局何かを選択せざるを得な くなるのだろう。そんなとき、自分がどういう風に生きていくのか、そんなことを考えさせられた。
でも、そのあと、一体どんな気持ちになるのか、想像すらできない。