「にっぽん拝見」のつづき。昭和47年ごろのことが描かれている。
こういうの読んでると、やっぱり昭和って時代が好きだった(いい意味でもアカン意味でも)なーとつくづく思う。
今回も東海林さんは思いつきなのかなんなのかわからないけれど、どこからか面白いネタをみつけてきてはそれを体験取材してルポするということをやりつづけているけれど、やっぱりその興味の対象であるとか、行動力、観察力なんかに脱帽するわけです。はい。それでその何よりも卑屈な態度をとった東海林さんがその視点から見る社会の現象がおもしろおかしく、そしてちょっとホントのところを突いていて、でもなぁ・・・的な文章がとてもうまいなぁと感心させられるわけです。はい。
珍しいものを食べれると聞きでかけてみれば「これっぽっち?」というような量だった、とか、女の子がたくさんいく旅行だからといってみたらぜんぜんだったり、とか(笑)、固い決意で禁煙に臨むが結局できない、とか、ロマンを求めに日本最北端までいったらただの観光地だった、とか(笑)。
時代は違うが感じ方はいまもいっしょ。平成になったからって入れ物がかわっただけで人間はかわんないなーとほほえんだり悩んだり。なんか楽しい。
文春文庫 1977