北森鴻 – メビウス・レター

ある作家のもとに届けられる謎の手紙。その手紙の内容から昔の事件を思い起こし悩むその作家。しかし読者にはその作家と事件の接点は明かされず、その他にもいろいろな事件が、関わりありそうでなさそうな具合に起こり、やがてそれらがひとつに繋がっていく。そしてそれらはその手紙の内容となにか符号し、やがて作家は追い詰められていく。

最後までどうなるかわからない、しかも伏線が多くて読み進むのが難しく、複雑だが、面白い。引き込まれた。そして最後にすべてがひっくり返って、なるほど!とオチがつく。見事な構成と見事なタネ。うーん、見事。じっくり考えながら読んだらわかるのかもしれないけれど、没頭してしまったら、最後までわかんなくて、楽しめた。

講談社文庫 2001

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