グイン・サーガの正伝137巻。栗本さんから複数の作家さんが引き継いで7冊目。物語のグインと並ぶ鍵となる人物・アルゴスのスカールはなんとか亡霊の国を逃れ、かつてグインも訪れたことのある魔都フェラーラにたどり着く。そこはいまも変わらず半獣半人のようなものたちが住まう土地であったが、ここも竜王の侵攻にあい、生き残った一部のものたちも神殿の奥深くに隠れているだけで、破滅の時を迎えようとしていた。女王リリト・デアも死の床についているような状態をみかねたスカールは彼らをなんとか助けようとするが。。。。
ここにきてスカールがとても重要な鍵を握るようになってきたこのシリーズ。栗本さんはここも書いていたのかいなかったのか。なんせ男気あるキャラクターが活躍するのは楽しい。そしていままでは絵がかれていなかった、ここ魔都にも存在する謎の船。そこで明かされるグインやこの世界にまつわる秘密の一端。この感じ、もとのグインの世界に近いなあ。でも栗本さんと違って若干このあたりは言葉の選び方も新しいような(コンピュータ関係が進んでるもんね)
そして一方魔導師ギルドが全滅したらしいパロの残された一人であるヴァレリウスのもとに弟子としてやってきた小さな女の子アッシャ。彼女が犯してしまった罪をどうしたらよいのか。まったく綺麗に消し去るか、それとも魔道の世界で生きていくのかヴァレリウスは迫る。このアッシャ(とそのの周り?)も今後の展開に影響を及ぼしそうな人物。どうなることやら。
どんどん続きが読みたくなって仕方ないこの感じ。やっぱりいいなあ。
ハヤカワ文庫 2015