R.I.P. 寮長

まだ駆け出しとも言えない若い頃からすごく可愛がってくれた、松山の名店Jazz In Gretschのマスター高橋さんが、一昨日亡くなったという知らせが来た。

先月末に久しぶりに松山訪れたときにマスターの顔見に行ったら、さすがに目が見えんようになってきたけん店に毎日立つのはしんどいんじゃ、と言ってたけどまだ全然お元気そうだったのに。突然の知らせで絶句している。

ドラマーでもある彼とはグレッチ訪れるたびに一緒にライブしたりセッションしたりもしたし、何よりあのお店のカウンターでマスターに淹れてもらったコーヒー飲みながら、ウダウダと雑談や昔話聞かせてもらうの時間が楽しかった。若くて無茶苦茶な演奏してた僕をもっとやれもっとやれと応援もしてくれた。昔気質のバンドマンで、ジャズそのもののような人だった。本当にジャズが、音楽が、ドラムが好きな人だった。いい音を出す、いいドラマーだったと思う。ジャズのジャズらしさをたくさん教えてもらった。これらおかげで今の僕があるのに、マスターには何も返せてない。ただただ悲しくて寂しい。

随分前にグレッチでマスターも交えてあるライブがやった映像がお店には残ってて(随分若い時なのでどんなんだったかちっとも覚えてないけれど)、なぜかそれをマスターはとても気に入ってたらしく、グレッチを訪れる、これと思えたお客さんやミュージシャンに見せて、こんなテナーがおるんじゃ、って嬉しそうに言ってたそう。親に褒められる息子のようなむず痒さがあるけれど、とても嬉しかった。

たくさんの思い出と音楽をありがとう。またお店行きます。

ご冥福を。また会いたいです。

P.S.1
数年前に奥さん・かおるさんが亡くなって、今回マスターが亡くなって、お店が寂しくなるなあ。お店の壁いっぱいに貼られている写真やポスター、マスターのジャズ人生とお店の歴史が垣間見える歴史の証人、あれがなくなると、マスターもかおるさんもグレッチも消えてしまう。ずっと残して欲しいな。

P.S.2
マスターに親しい人たちが彼のことを”寮長”と呼ぶのは、昔マスターが道後温泉にあったキャバレーの箱バンのドラマーをしてたときに、そこはバンドマンにも寮があり、そこの寮長をやってたのが由来だそう。

カテゴリーBlog

コメントを残す