きくち正太 – おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。(4)

まんが続きます(笑)。暑さのせいか、いまは字をあんまり読む気がしなくて、まんがばっかり読んでます。でもこの「おせん」の場合は単なる漫画というより、日本の文化とか、食の大切さとかをとくにここ数年は強く推してきてるし、この4巻のころ東日本大震災があったので、それにちょこちょこ言及するようなこともあり(きくちさんは東北の方)、いろいろ考えさせられるし、知らないことにたくさん触れられて、この本から他のものに興味を抱くことができるようになる、という意味で、単に漫画やん、という枠では収まらないのがとてもいいです。主人公おせんさんがすごく魅力的ってのもあるけどw

この巻は、全巻からつづく骨董にまつわるお話で、知らない世界のことなので、たとえばテレビとかで触れてもぜんぜん興味が湧かないのだけれど、このおせん、つまりきくちさんの目を通して語られると、もちろん遠い世界のことだけれど、身近にも存在する(用の美とか)もので、決してわれわれ庶民の生活に関係ないものではない、むしろその延長なんだと少し感じることもできる。いつか僕も骨董に興味が湧いたりするのかな。

一度骨董市とか行ってみたいなー。大きな擂鉢すごく欲しい。欲しいw

きくち正太 – おせん (16)

活字も大好きだけれど、実はまんがも好きなんだけれど、4年前だかテレビドラマがになってそれによってきくちさんがえらくショックを受けたらしく(原作になっていたのに、あまりにも違う内容だった)、連載がストップしてしまったシリーズ最終巻。出てたの知らずだったのでようやく入手。

最後のエピソードは本枯節の話(鰹節ね)だったのだけれど、日本料理ひいては日本人の味の基本のひとつである出汁の悲しい現実の話で、考えさせられることが多い。最初は粋な女将のいる老舗の料亭のちょっと面白い話からスタートしたけれど、文化とは、心意気とは、人情とは、生きていくこととは、なんていうテーマをこれでもかこれでもかと筆に力を込めて描くきくちさんに拍手を惜しまない。まんがという形をとった文化論書のよう。

残念ながら「おせん」はこの巻で終わりだけれど、連載誌を移して「おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ」というシリーズになってます。これも読むべし。

16巻は話の数は少ないので、「萬屋先生道行恋の春絵巻 よひわひな」が収録してある。

きくち正太 – おせん 14

14巻。変わった髪型が定着してきた笑
最近になって連載が数回に渡る話が増えてきた。ストーリーが単純なもんじゃなくなってきた、ということか。あと、食べ物が庶民化(?)してきた気がする。作り方とか丁寧に説明してあるもんなー。

今回もどれもうまそーだが、カレーパン(揚げパン)は作ってみる価値ありそうやなー、うまそうやもん。

講談社 2007

おせん(14)
おせん(14) – Amazon

きくち正太 – おせん 13

大好きなまんが♪連載ペースが遅いので新刊がいつでるかまったく知らなくて、ずいぶん前(といっても6月)に出てたのをやっとこさ読んだ。

今回も粋だわ。

このまんがが好きなのは、主人公おせんがとっても魅力的なのは当たり前として(かなり好み♪)、あたいたちが忘れていってしまってる大事な日本の美しさ、美意識、粋、そして食べ物などなど、それらがさらっと、説教臭くなく描かれているから、だと思う。

今回はジゴロ(笑)陶芸家の一言
「焼きもんも人間(ひと)も一緒でな、外っ側じゃなくて容(なかみ)を拵(こさ)えるもんでな・・・・」
に、じーん。

講談社 2007

おせん(13)
おせん(13) – Amazon