TABOO

カルチャークラブで一世を風靡したボーイ・ジョージの半生を描いたミュージカルを映像化した作品。

カルチャークラブといえばもうずいぶん懐かしいバンドで、その当時のイメージと曲の感じしか覚えていないけれど、今改めて歌詞を見、曲を聴くと、いかにこのバンドが凄く、素晴らしく、とんがってたか?ということが分かる。そしてその影で彼がどういう風になっていったか、というドラマが面白い。というかこのミュージカル、本人も出てるのよね(伝説の人リー・バウリー役)。

まずびっくりしたのはボーイ・ジョージ役のユアン・モートンがめちゃくちゃそっくりだったこと。あとみんな当然のように歌がめちゃくちゃうまくて、ストレスなく引き込まれてしまうこと。ボーイ・ジョージ本人の(多分アドリブ)がめちゃくちゃ面白いこと。 ほんとよくできたショーで、生で見たかったな。

ボーイ・ジョージをよく知る人にはもしかして物足りないいのかもしれないれど、素人には面白く、そして衝撃的だとおもう。こんなミュージカル、みたいなぁ。

2003 イギリス
2005年12月24日公開

村山由佳 – 星々の舟

ある家族の母(継母だった)の死を契機に描かれる家族模様。娘の視点、兄の視点、腹違いの妹の視点、末っ子の視点・・・・などなどいろんな視点から、彼女の死からはじまる波紋を描き、ひとつの家族とはどんなんか?みたいな話(になってるんだとおもう)。

とくに最後の章の、その夫の視点で語られる物語は、戦争体験に基づくものになっており、先妻とのこと、そして後妻とのこと、そして戦時中に出会った女性のことが描かれるのだけれど、そこで作者が語ろうとしたことが、まだちゃんと理解できていないけれど、幸せとはどういうことなのか?という作者なりの意見をふっと感じさせる、そういうところがとても気に入って、気になった。

人の幸せって、何やろね?

文芸春秋 2006

村山由佳 - 星々の舟
村山由佳 – 星々の舟

辻仁成 – 千年旅人

3編からなる中編集。

どの編も少し寂しい。せつない。そして狂ってる。とくに3編目である「記憶の羽根」は小説、文章というよりコトバの色彩という感じ。相変わらず読むのに作者が意図したものと同じスピードで読ませることを強要させられるかのような文体。

1編目「砂を走る船」は自らの手で映画化されているそう。

集英社 2002

辻仁成 - 千年旅人
辻仁成 – 千年旅人

はるき悦巳 – 帰って来たどらン猫

ご存知じゃりん子チエちゃんちの飼い猫小鉄こと月の輪の雷蔵とおっちゃんの飼い猫アントニオジュニアの物語(たぶん第2弾)

今回はジュニアの偽者(というか彼を慕うもの)が巻き込まれる騒動。相手の悪役もおとぼけなキャラでおもしろい。

ほんとこの人の漫画の大阪弁はネイティブ、そして自然。しかしアニメを見すぎて、小鉄の声が永井一郎の声(すなわちサザエさんの父、波平)にダブってしまう。あと風景にもなんだか郷愁を誘われてしまうのよねぇ。

双葉社 2003

はるき悦巳 - 帰って来たどらン猫
はるき悦巳 – 帰って来たどらン猫

はるき悦巳 – 帰って来たどらン猫

ご存知じゃりん子チエちゃんちの飼い猫小鉄こと月の輪の雷蔵とおっちゃんの飼い猫アントニオジュニアの物語(たぶん第2弾)

今回はジュニアの偽者(というか彼を慕うもの)が巻き込まれる騒動。相手の悪役もおとぼけなキャラでおもしろい。

ほんとこの人の漫画の大阪弁はネイティブ、そして自然。しかしアニメを見すぎて、小鉄の声が永井一郎の声(すなわちサザエさんの父、波平)にダブってしまう。あと風景にもなんだか郷愁を誘われてしまうのよねぇ。

双葉社 2003

佐々木倫子 – おたんこナース

佐々木さんの漫画ってほんとに面白い。話がよくかけてるなーと思うのももちろんあるのだけれど、何よりもバックグラウンドがきちっとできているから、フィクションなのにそうとは思えないリアルさを感じられるからだと思う。

いやー、主人公のきゃらがオモロすぎ。こんなひと、隣に住んでたら、退屈しないだろーなー笑

小学館 1998

辻仁成 – クラウディ

この人の本はいつも衝動的。破壊的。刹那的。行間ににじみでる苦悩や感覚のズレ、そういったものに病的なまでに固執しているのか、苦しいとともに哀しくなってしまう。

もう自分の中では過ぎ去ってしまった30歳という年齢だけれど、たしかにその頃はなにかわからない焦りに悶々としていたような気がする。そういった気持ちが実に絵画的な視覚的な聴覚的な方法によって描かれている。

人生をリセットする・・・・・机上の空論なのか、実現可能な夢なのか?

集英社 1993

辻仁成 - クラウディ
辻仁成 – クラウディ

石田衣良 – 4TEEN

またまた石田さんの作品。彼はこの作品で直木賞をとった。本人はあぁいう直木賞にあるような重厚な文章感のある小説でないのになぁ、と漏らしてたらしいが(あとがきかなんかに書いてた)、いやいや、いまの時風をほんとうまく描いてると思うな。すごいよなぁ。

この人の描く少年たちの素顔はほんと飾らなく、大人の希望的観測もはいってなく(多分)、ほんと、今生きている10代の子たちの気持ち、行動などを実に的確に表現してると思う。もしかして相当のリサーチをしたのか、すごくわかりやすい事例がそばにいるのか、はたまた彼がまるで10代の少年のような感覚をもっているからか、わかんないけれど、読んでみて、なるほどこんな風に感じてるのかなー、僕らの頃と一緒のところはいっしょだけれど、違うところ、進んだところ、寂しいところがあるのね、なんてことが感じ取られる。

物語的には現在東京版(ま、正確には千葉だが)スタンド・バイー・ミー的なものなのだが、やっぱり、あぁいうような、「こんな少年達だったらいいねぇ」「平和ねぇ」っていうところじゃなく、ほんと隣に住んでそうな、まさに今の子供たちって感じがする。

だから、いま、子育て中の父親とか、中学の先生とかに読んでほしいな。なにかヒントがあるかも(無責任な意見だけれど)

新潮社 2005

石田衣良 - 4TEEN
石田衣良 – 4TEEN

エネミー・ライン

たぶん設定としては湾岸戦争前後とか、いまのイスラエルやあのへんの中東紛争にNATOが介入してるような戦争の状態を舞台にした作品。偵察に出たF18が撃墜されて、そのパイロットと副操縦士(なんていうんや?)が敵地(というか、敵の勢力圏)の奥深くに残されてしまう、というお話。

やっぱアメリカ映画は軍のものをそのまんま撮影に惜しげもなく投入してるという点で迫力満点。実機はやっぱりいいなぁ。話がふつーでもこのあたりの設備によって納得力があがるあたりが、悲しいかな日本映画との差か(でも時代劇はいいけどね)。

しっかしラストのほうのシーンで主人公が助け出されるときに、敵の弾があたらないあたらない。火力的には敵のほうが圧倒的に多いはずなのに。戦車は発砲しないしなー。なんだかなー笑。まるでラストサムライのラストシーンのようだ。

ま、現代に設定を置きかえた、西部劇もの、ってとこでしょうかねぇ。インディアンがセビリア人になっただけという・・・・

石田衣良 – うつくしい子ども

殺人者になってしまった弟を持つ兄をめぐる物語。犯罪後の家族やまわりの大変さがうまく描かれている。いつぞや似たような本を読んだな。

それよりもこの石田さんの本でつくづく感心するのは、少年たちの心理・行動・文化をよく見てるなーと感じるところ。大人たちには理解しがたい行動や思考をする(と感じる)彼らを、実に的確に描いている。なるほどそういうふうに考えるのか?と思ってしまう。まるで作者自身が少年であるかのよう。

いまのお父さん世代の人が読むと、自分の子供を理解できる助けになる、かも。わかんないけど。

しかし子供たちは残酷。で、かわいそう。単に無邪気なだけでいられたらいいのに、今の子供たちは社会の部分部分に器用に自分をあてはめ、場合場面で使い分けられる。だから本当に落ち着くとこがどこかわかんない・・・といったそんな気持ちが描かれてるように、思う。

文芸春秋 2001

石田衣良 - うつくしい子ども
石田衣良 – うつくしい子ども