上:戦前編、中:戦中編、下:戦後編の3冊からなる、水木さんの自伝。この前にまんが昭和史ってのがあった(はず)なのだが、本人曰く、それよりももっと 現在まで描いてるし、昭和の歴史よりも、自分のことについてより多くページを割いたそう。3冊とも500ページぐらいあるので(しかもぜんぶ漫画)結構圧 倒されるが、意外とすっと読める。しかしなんの章立てもしてないので、話の区切りがなく、さてどう読んでいったらいいんだろ?なんて思うのだが、違う言い 方をすれば、まるで水木さん本人と机をはさんで彼の口から昔話を延々と聞いている、そんな気分にさえなってくる。
内容はさておきとして、 水木さんってこんなひとなんやなーってのがにじみ出てくること、戦前戦中のころの、ある意味生々しい人々のくらし、もうなくなってしまった懐かしい日本の 感じ、そして水木さんの人やそうでないものたちへの深い愛、そんなものがいろいろ感じられて、ほのぼのしながらも切なくなったり。ほんと希有なひとやな、 と。
妖怪っているんかな?わからないけれど、いた方が素敵やな。